さんきゅー農場日記

助け合いリーダーの役割

8月 1st, 2018

先日、認定NPO法人市民協の田中尚輝さんをお招きして「介護保険改正と福祉」と題して講演会を開催しました。田中さんのお話のテーマは「助け合いリーダーの役割」です。
認定NPO市民協は、会員数1400団体の介護系NPOで、中間支援団体としては日本最大の規模。日本のNPOのパイオニア的な存在でもあります。田中さんは市民活動の立場から介護保険制度とNPO法の制定に尽力をつくしました。今回の介護保険制度の改正も厚労省は田中尚輝さんに相談しながら改正したという経緯があります。

介護保険ができた背景には、当時、家族での介護が大変になり虐待が急増したことがあるようです。月に一回か二回虐待してしまう家庭は5割と深刻な状況の中、介護保険制度が制定されました。
ドイツを参考に作られたのですが、オランダなんかは医療制度のなかで行っていて、どの方法をとるのかで財務省と厚労省との対立があったそうです。市民団体は厚労省側につき保険制度の推進の立場で活動しました。結果、財務省の傘下に入ることなく厚労省のもと介護保険制度が制定。11兆円規模の予算を自由に使うことができるようになりました。

当時の自民党政調会長の亀井静香氏は介護保険制度に大反対。せっかく家族という良い制度があるのだから家族のことは家族で見れば良いという考え。事務所に押しかけたりFAXしたり介護保険制度制定に向け働きかけをしたそうです。実は、介護を家族だけではなく地域で行うという制度は画期的なものだったんです。
そのような訳で、介護保険制度は市民が働きかけてつくった初めての法律で、だからこそ市民が推進するという立場でなければならないとのことです。

さて、その介護保険はみなさんが負担している保険料と税金が半々で成り立っていますが、高齢化が早く進みすぎて介護保険はパンク状態です。消費税1%上げると税収は1兆8000億円入ってくるのですが、財務状況は悪化の一途をたどり10%上げの28兆円でも足りないそうです。
一番の原因は介護保険の間口を広くしすぎたこと。要支援1,2に要介護5までで7段階。ドイツ、韓国など介護保険制度を導入している国ではだいたい介護度3以上を対象にしています。範囲を広くしてしまったことで財政規模も大きくなってしまったわけです。

現在進められている対策は介護保険のスリム化です。
要支援1,2が保険から外れました。田中さんは今後、要介護1,2も外れるだろうと言っています。そして保険から外れたことを有償・無償のボランティアによる地域の支え合いで対応しろというのが、今回の改正の内容です。

中学校単位に協議体をつくり、そこには多様なセクターが集まり高齢者にとって足りないサービスは何か、高齢者がいつまでも地域で元気に暮らせるためには何が必要かを話し、無いサービスは作り上げていかなければなりません。
富士見町の協議体は富士見町社協の仕切りで進められています。もちろん、ぼくもメンバーに加わっています。

田中さんが進める地域の支え合いは、5プラス1
 ⑴生活支援サービス
 ⑵食事サービス
 ⑶移動サービス
 ⑷「通いの場」コミュニティカフェ
 ⑸便利屋

プラス1というのは、今後、入院、転居の保証サービス、葬儀、墓、遺留品整理などの需要が発生するだろうとのことです。

国は、地域の支え合い体制をつくれと言いながら法整備は、まだまだ整っていない状況です。例えば「有償ボランティア」というものについて税制上曖昧ですし、移送についてもグレーゾーンが非常に大きいです。田中さんは「公共善」のために市民団体は活動を行い、行政はグレーゾーンを黙認することで実績を広げることが必要と、田中さん。
田中さんの市民活動の考えは、単なる慈善事業ではなく社会変革でなければならない。という思想が根底になります。ぼくの政治活動や市民活動の原点は、この田中さんの教えにあると言っても過言ではありません。

実は、何年も前から田中さんから富士見で「便利屋」をやれと言われてきました。今回、体調不良にもかかわらず「ようやく佐久が立ち上がったんだから行かない訳にはいかない」と無理して来てくださいました。
感謝、感謝です。

行政の財務状況は決して良いものではありません。
高齢者のこと、子育てのこと。環境のこと、様々な場面で市民の力が試されている時代になったと思います。
今こそ、「行政があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが地域のために何ができるか」を考えるべきだと思います。

介護保険改正と地域

7月 27th, 2018

今週末「介護保険改正と地域」講演会を開催します。
主催はNPO法人八ヶ岳南麓まちづくり会議。

南麓会議では現在「八ヶ岳おひさまサービス」という高齢者のための生活支援サービスを行っています。
1時間900円で、できることならなんでもやる便利屋さん。
主な依頼は、病院の付き添い、買い物の付き添いなど、移送も含めた生活支援。
道路運送法の改正により、介護や家事身辺援助等の有償サービスが提供されていて、そのサービスの中に車両を使った送迎も含まれている形態は有償の運送に該当しないため、道路運送法上の許可や登録は不要となりました。

こんなこと考えてるんだけど。。って包括支援センターに相談したら、まずは一人でもやってみたら,ということで12月頃より始めたところ利用者さんは現在20名弱。一人では賄いきれなくなったので仲間募集のための講演会です。

介護保険改正と地域
講演「助け合いリーダーの役割」
講師:田中尚輝氏 認定NPO法人全国福祉団体全国協議会代表理事

日時:7月29日14:00〜16:00
場所:富士見コミプラ大会議室

主催:NPO法人八ヶ岳南麓まちづくり会議
後援:富士見町社会福祉協議会・富士見町
*長野県 地域発 元気づくり支援金活用事業

介護保険制度が改正され、軽度者の要支援1,2が保険から外されました。
これからは有償・無償のボランティアによる地域の支え合い体制をつくっていかなければなりません。

講師の田中さんは、日本におけるNPO活動、市民活動のパイオニア的な存在です。
田中さんの改正介護保険による地域の役割、これから地域で取り組んでいかなければならないことを話していただきます。

ぼくは、環境問題や子ども・子育て支援、高齢者福祉、ゴミ問題など、様々な活動をしていますが、ベースにあるのは田中さんの市民活動が社会を変革していくという考えがあります。
台風が心配ですが、多くの人に聞いてもらいたいと思います。
ぜひ、参加してください。

「富士見町で起きている太陽光発電事業」勉強会

7月 21st, 2018

富士見町内の太陽光発電事業を考える会で、第5回勉強会を開催しあmす。

日時:7月22日(日)13:30〜15:30
場所:富士見コミプラ大会議室

6月議会で、法を遵守しない悪質な事業者の実態が明らかになりました。境小前の事例田端地区の事例のことを一般質問で取り上げた、加々見議員と名取議員をお招きして議会でどのような事が話し合われたのかお話ししていただきます。

いまからルールを守らないのに、20年間きっちり管理してくれるのか不安を感じます。
また、西日本の豪雨でも、太陽光発電施設の崩落が問題となりました。災害時に迅速に対応してくれるかも疑わしい。

関西テレビ・ニュース → ここ

富士見町内でどんなことが起きているかを共有し、みなさんと対策を考えていきたいと思います。多くの参加お待ちしております。

太陽光発電事業・明確なルールを!

7月 6th, 2018


*7月4日信濃毎日新聞より

富士見町内の太陽光発電事業を考える会のコアメンバーでもある中北先生の寄稿文が、信濃毎日新聞に掲載されました。

太陽光発電施設の急激な普及とともに地域住民とのトラブルが増えてきました。
ぼくたちは、買取価格も下がったのだからこういった問題も時間の問題だろうと考えがちですが、中北先生は①パネルの価格が下がったこと。②ネット経由でで資金調達が容易になったこと、そのためまだまだこの問題が続くと指摘しています。
2年ぐらい前にもそろそろソーラーバブルも終わるだろうと思っていましたが、まだまだ終わりそうもありません。著名な経済学者の言うことですし、やはり対策を考えていく必要があるといえるのではないかと思います。

この記事が掲載された同日、山梨県議会が国に対して太陽光発電装置の立地規制の強化と、事業終了時の設備廃棄の仕組みを求める意見書を可決したニュースがありました。
記事によりますと、景観阻害、住環境の悪化のほか、急斜面での土砂災害の危険性についての問題を指摘、国に対して規制を求めています。

これは中央道勝沼付近から見えるソーラー施設(Googleストリートビューより)。
これは危険です。
いつも、こんなものよく地元が許したな、なんで思って眺めてました。
山梨県を車で走るとこうした急斜面に作られているケースをよく見ます。
景観以前の問題です。

景観法、農地法、土砂災害対策法など「現行の土地利用法制で十分対応していない」と強調。法の不備を突いたり、法令を順守しない発電設備も少なくない現状を問題視し、法整備などによる規制の強化を求めた。(産経ニュースより抜粋)

先月末に、太陽光発電協会が「評価ガイド」を制定しました。
制定の背景に「新規参入し設置される再生可能エネルギー発電所には、専門的な知識が不足したまま事業を開始するケースもあり、安全性の確保や発電能力の維持のための十分な対策が取られない等が課題となっていました。」とあります。
これは、今の参入企業のモラルの低下を問題視し適切な管理を促したものと思われます。

ビジネス雑誌Wedgeの最新号にも再エネ特集で、再エネ企業のモラルの低下を指摘しています。読売系の雑誌で、ここまで書くのも珍しいですね。

実は先週、とある全国紙からの取材協力で富士見町内のソーラー問題で、関係者まわりのアテンドを行いました。ようやく、この問題も地域の問題から全国的な問題となってきたようです。

山梨県議会の話に戻ります。意見書は全会一致で可決しました。
こういった問題は、景観vs土地の有効活用、環境vs産業誘致、太陽光発電推進かどうか、など対立構造を産みやすいものです。問題が深刻化してきたため地域を守るために一致団結したのではないかと思います。(あくまでも想像です)
富士見町議会も、ぜひ的確な対応をしていただきたいものです。

さて、3日、第5次エネルギー基本計画が閣議決定されました。
再生可能エネルギーを初の「主力電源化」と位置づけ、30年度には電源構成を占める比率を22〜24%に目標を設定しています。

再エネの普及は大賛成です。
ただし、地域と調和を諮るための明確なルールが必要です。
いま、再エネにストップをかけているのは地域住民グループではなく、モラルを失った再エネ企業だという認識をもって再エネの普及を進めていただきたいと思います。

太陽光発電の法規制の強化について

6月 15th, 2018


*6月12日長野日報より

6月議会で町内太陽光発電事業で問題のある2つの事例を紹介しましたが、最後に「法規制の強化をするべきではないか」という名取議員の質問に対し、町長は「規制の強化も含め検討する」と答弁しました。

「町内では、先般「富士見町内の太陽光発電事業を考える会」が設立され勉強会を開催、町に対しても真剣な提案がされている。このような取り組みや町に対する町民の皆さんの相談を伺うと太陽光発電の関心の高さが伺える。

町ガイドラインでは、関係区、自治会及び近隣常民に対して説明会を実施すること、説明会に出された質疑、意見、要望等には適切に対応すること、とあるが同意書までは条件として求めていない。

富士見町の景観、住環境は町の大切な財産。環境保全、住環境保全のために町の魅力を減退させることのないよう先進事例等を学びながらどのような規制の方法が町にとって相応しいのか、また、地権者や事業者の権利なども含め整理し太陽光発電を伴う開発について規制の強化も含め調査・研究していく」

先月28日に要望書を提出した時、「議会での一般質問での答弁を聞いてほしい」とコメントしていたので何らかの回答はあると思っていましたが、「規制も含め検討」というのは想像していたよりもより踏み込んだ回答でした。

この問題は太陽光発電が賛成か反対か、という問題ではありません。町長の答弁にもあるように富士見町の景観や住環境をどのように守っていくかという問題です。2つの問題事例でもわかるよに、今、太陽光発電は正しい普及のされ方にはなっていません。ぼくも再生可能エネルギーは普及すべきとの考えなので残念な状況だと思っています。

環境省も、このような状況は把握しており平成28年4月に「太陽光発電事業の環境保全対策に関する自治体の取組事例集」を作成しました。
「はじめに」を読むと「このような影響は、は地域の状況に左右される面もあり、現場を良く知る自治体の対応が効果的な場合も多いと考えられます。」と書いてあります。また、各自治体が対策を考える上での参考にするため、この取組集をつくったとも書かれています。
ようするに各地のトラブルは各地で対応しろということです。なんて無責任な!

国の対応は後手後手ですが、各地域では太陽光発電を規制する条例が各地で制定されています。

一番の走りは富士宮市ではないでしょうか。
富士山を太陽光パネルだらけにはしてはいけないとして「富士宮市富士山景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」を制定しました。
2015年7月のことです。このころは、結構すごいことするなあという印象でしたが、その後、富士宮市の条例を参考に各地で制定されています。

長野県麻績村の条例も富士宮市を参考にしたそうですが、抑制地域の広さは群を抜いています。村内のほとんどを抑制地域とし、抑制地域では100㎡以上の野点のパネルは設置できません。(正確には届出があっても同意しない)

いま、世間で注目を集めているのは大阪箕面押市の条例です。
市内の7割りを禁止区域に指定、10kW以上か100㎡以上の太陽光発電施設の設置は禁止。禁止区域以外でも植栽等を条件とした「許可制」となっています。
ぼくが知る上では一番厳しい条例です。

第1条目的では「・・・市民の長年の努力により形成されてきた山なみ及び農地をはじめとするみどり豊かな自然景観の保全、森林の伐採等による土砂災害の防止、良好な生活環境の保全並びに安全な生活の確保に寄与することを目的とする。」とあります。
どこの地域でも太陽光発電施設は、「自然と調和したもの」には、なっていないようです。

太陽光発電事業を考える会では、今後も勉強会や住民の意見集約を行いながら、よりよい条例が制定されるように活動していきたいと考えています。