Archive for the ‘きょうの映画鑑賞’ Category

祝(ほうり)の島を見てきたよ。

月曜日, 5 月 9th, 2011

 ”人間は火を燃やす竈を精密に強大にし、また、術に長けはしたけれど、なお壮大な生物の文 化には合流しえずにいる新参者なのかもしれない。
 核の竈などという、自然界の文化とはなじまない、ある意味ではきわめて野蛮な文明を発達 させたことなども、その現われといえるかもしれない。
 人間は確かに頭脳も大きく理智にも長じ、言語機能に優れた生物ではあるけれども、いや、 そうであるからこそ、その意識的な行為によって、今後は生物全体の創出する<文化>の世 界へと合流していくべきなのだろう。”    

この映画は高木仁三郎氏の印象的な言葉から始まる。
祝島(いわいしま)というのは山口県瀬戸内海に浮かぶ人口500人のちいさな島だ。
対岸の上関に原発建設の話が持ち上がったのは28年前の事、以来原発反対を続けてる島だ。
  28年間だよ!
しかし映画は原発反対を描いたものではなく、ショッキングなドキュメンタリーでもない。

海に出て魚を捕ったり、棚田でお米を作ったり、子どもの入学式があって、お祭りがあって。
夜になるとお茶を飲みにひとつの家に集まるおじいちゃん、おばあちゃん。
そう、映画は島に住む人々の暮らしを描いているだけなのだ。
その姿を見ていると、原発反対運動ですらユーモラスに見えてしまう。そんなほのぼのとした生活だ。

映画の中で流れるゆったりとした時間に身をゆだねるのはとても心地よい。
このまま終らないでくれ!なんて思ってしまったよ。エリセの”マルメロの陽光”ヴェンダースの”ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”もそんな映画だったね。
アントニオ・ロペスは、ただマルメロの成長とともにの絵を描きたいだけだし、キューバのミュージシャンは歌をうたう事が好きなだけなんだ。きっと祝島の人たちもこの生活が大好きで、自分たちの生活は祝島の自然があってはじめて成り立つものだって事がわかってるんだ。
GNPは日本なんかよりずっと下のキューバ。都会に比べたら不便かもしれない祝島。でも彼らは僕らよりも不幸せには思えないな。
自分たちにとって本当に大切なものは何か。改めて考えさせられる映画だったよ。

おっ、DVDにもなるんだね。買っちゃおっかな♪

レスラー

木曜日, 3 月 25th, 2010

良い映画を見たよ。

レスラー

80年代、プロレスのスターだった”ラム”ランディは20年経った今でも現役。
人気は低迷。平日はスーパーでバイト。体を維持するため、いろんな薬を飲み日焼けサロンに通い、床屋で髪を染める。その姿はいたましいものがある。
試合前、打ち合わせをしてのショープロレス。それでもランディの体は試合が終わるとボロボロ。ついにステロイドの副作用で倒れ、引退を決意する。
引退したランディは、それまでに無くしてきた現実世界を取り戻そうと、一生懸命もがくんだ。でも、そこに自分の居場所が無いことを知ったとき、命をかけて再びリングにあがるのだ。

ドキュメンタリータッチのカメラワークは秀逸。こういうのが好きだな。最近のハリウッド映画は映像が説明過多。見ていて辟易しちまうよ。

何よりもこの映画を感動させるのは主演のミッキーロークだ。かつて二枚目スターで一世を風靡した彼の姿は、そこには無い。”ランブルフィッシュ”あのころのミッキーロークはかっこ良かったよ。ランディとミッキーロークの人生がオーバーラップするんだ。

全編に渡って80年代のヘヴィメタ、ハードロックが炸裂する。
ガンズ、ラット、クワイエットライオンにスコーピオンズ

ランディ   昔の曲はいい。
キアシディ  80年代が最高
ランディ   そう、ガンズ・&ローズ
       モトリー・クルー
キャシディ  デフ・レパード
ランディ   でもニルヴァーナの登場で
キャシディ  楽しさがぶち壊し
ランディ   90年代が大嫌いだ。

そう、この映画は80年代のオマージュだ。
こんな映画に郷愁を覚えるようじゃ、さんきゅーさんも年をとったってことかな。

でもね、エンディングのブルース・スプリングスティーン。

いいんだよね。

マルメロの陽光

月曜日, 10 月 20th, 2008

3年前、ハウスの横に植えたマルメロが今年も実がなった。
今年は3っつ。
なぜマルメロなんか植えたかというと大好きな映画「マルメロの陽光」の影響だ。

9月の終わり、画家アントニオ・ロペスはアトリエの庭に植えたマルメロの木を描き始める。果実を照らす陽光をその変化とともに一枚の絵にしようと試みる。キャンパスを作り、視点を定め、足下に目印をつけ、中心を定めるために鉛をたらし、後の壁に印を付ける。枝のたわみによってできる実の高さの変化まで捉えようとしているからだ。
映画はマルメロの木を描く過程と、訪ねてくる妻や友人、中国人の美術教師などの会話で静かに進められる。

美術教師との会話 「木といることが楽しい。結果としての作品より大事だ。」
その自然に対する真摯なまなざしや敬慕はすばらしい。ロペスのような人生をおくれたらなぁ。なんて思ったものだよ。

モノづくりをしているすべての人に見てもらいたい映画だ。でも有機農業をやってる人にはなぜか評判が悪い。クラフトの人には評判良いのにね。ざんねんだ。