Archive for the ‘選挙のこと・野党共闘のこと’ Category

「共謀罪」衆院法務委員会通過について

日曜日, 5月 21st, 2017

「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正が衆院法務委員会通過したことについて、強い憤りを感じています。監視社会の到来は国民が萎縮し、息苦しい世の中になることを想像されます。

これまで全体主義の中、監視社会の息苦しさを描いた多くのフィクションがありました。カンボジアの内戦を描いた映画キリング・フィールド、チリのクーデターを描いた映画ミッシング、中国の文化大革命を描いた山崎豊子氏の大地の子はドラマになり、多くの人が目にしたと思います。どの作品も監視社会の息苦しさの中、人々の苦悩を描いています。
日本の戦前も軍国主義の中、息苦しい社会でした。このような社会を二度と作らないことが、世界的な共通認識ではないかと思います。

国連特別報告者のケナタッチ氏が、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」として日本政府に書簡を送ったことが報道されました。国連の国際組織犯罪防止条約に批准するための法案が、同じ国連から懸念されているというもおかしな話です。

共謀罪は、これまで3回も廃案になった法案です。集団的自衛権の行使も戦後70年間一貫して認めてなかったことです。このようなことが次々と強行採決されている今の国会は、果たして民主主義が正しく機能しているか疑わざるを得ません。

・教育基本法の改悪
・集団的自衛権の行使容認
・秘密保護法
・教育勅語について、国会での容認する発言
・共謀罪
・自民党の憲法改正案

このところの一連の流れです。
普段生活していると感じないかもしれませんが、この国は大きく右に旋回しています。
「きなくさいなと思ったら、その後は早かったよ」
なにかの本で、このような戦争を経験した人の談話を読んだことがあります。
ぼくたちは現状を冷静に見つめ、しっかりと考えていく必要があると思います。

吉田満さんの「戦艦大和の最後」という名著がありますが、その中で臼淵大尉がこのような発言をしています。

 ”進歩のないものは決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。
 日本は進歩ということを軽んじ過ぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れ
 ていた。敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか。今日目覚めずしていつ救
 われるか。俺たちはその先導になるのだ。日本の新生にさきがけて散る。まさに本望じゃな
 いか。”

戦艦大和の最後の出撃前夜の発言です。
ぼくたちが暮らす今の平和な日本は、こうした多くの人たちの犠牲によって成り立っていることを忘れてはいけません。二度と、あの悲劇を繰り返さないことが、戦後を生きる僕たちの使命ではないかと思います。

最近、単なる機能のみの、浅薄な議論が多いように思います。
いまの時代は歴史の積み重ねでできている。
そのことを踏まえ、今の時代をつくっていく必要があるのではないでしょうか。

服従

土曜日, 5月 6th, 2017

中道無所属のマクロン氏と極右政党・国民戦線ル・ペン氏との決選投票が注目を集めているフランス大統領選挙ですが、ミシェル・ウエルベックの小説「服従」では、極右・国民戦線のル・ペン氏と、穏健イスラーム政党の党首が決戦に挑みます。

フランスでは、これまで中道右派(現共和党)と中道左派(現社会党)の二大政党が政権を分かち合ってきましたが、2022年の大統領選で第一回の投票が極右・国民戦線が34%で断トツのトップになり、イスラーム同胞党が2位、僅差で社会党が3位となってしまいます。
有権者は、ファシストかイスラムかの究極の選択を迫られるわけですが、ファシストよりはマシだろうという事で、決選投票でイスラーム同胞党が1位となりイスラム政権が誕生します。

この小説は、2015年のシャルリー・エブド襲撃事件の当日に発売され、フランスで大ベストセラーになりました。IS問題やポピュリズム旋風が吹き荒れるヨーロッパで、かなりの人が関心をもって読まれたようです。

伝統的な既存政党は右派も左派も、経済的・社会的な問題に十分に対応してきませんでした。既存のエスタブリッシュメント(エリート)への不満がポピュリズム政党に流れています。ポピュリズムとは、理性的に判断する知的な市民よりも、情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、大衆の権利を主張するものです。
現実の大統領選でも決選投票に進んだ候補者2人のいずれもが、フランスの伝統ある既成政党の出身ではなかったのは、現代フランス史上初めてのこと。この小説を、単なるフィクションとは片付けられないように思います。

ポピュリズム政党の極端なメッセージは、現状に不満を持っている人たちに心地よく響きます。かならずしも中道右派を支持していた人が極右ということではなく、左派から極右に走る事も多いようですが、根底にあるのは既存の社会システムを壊してくれるという統一した期待にあるのではないかと思います。日本ポピュリズムといえば小泉純一郎氏や橋下徹氏ですが、その主張よりも世の中をぶっ壊してくれるとうい事への期待がほとんどだったのではないでしょうか。アメリカのトランプも然りです。

多くの人が支持する政党が政権を担う政治システムが民主主義であるならば、ポピュリズムが台頭する事は正しい事なのでしょうか。

先日、ヒトラーの死から70年が立ち「わが闘争」の著作権切れにより誰でも出版できるようになることを危惧するドイツのドキュメンタリーが放映されました。わが闘争で書かれている外国人を攻撃する徹底した国粋主義が、移民問題で悩むヨーロッパで再評価されているとのこと。複雑な問題をより単純化することで、極右ポピュリズム勢力の共感も得ているようです。ネット上の中国、韓国、北朝鮮への汚い言葉の投稿をみると、日本も人ごとではないように思います。

ポピュリズム政党は世界を敵と味方で線引きをし二項対立をつくることで分かりやすさを作り上げてきました。SNSはそのことを助長しているように思えます。元ネタをうまく加工して相手を揶揄するような投稿が多く、そこにはオリジナリティは感じられません。ですからSNSに流れている右の論調も左の論調もあまり好きにはなれません。分かりやすさにごまかされず、もっと深いところで議論する必要があるのではないでしょうか。

フランスの思想家トクヴィルは、「アメリカのデモクラシー」の中で、当時、評価が高かったアメリカの民主主義について「世論による専制政治」や「多数派による暴政」へと変貌を遂げる可能性について書かれています。そうした変貌への歯止めとして”宗教”がバランサーになることが言及されています。トクヴィルは19世紀前半の思想家なのですが、現在、宗教がバランサーとなり得るかどうか、疑問を感じないわけにはいきません。

ネットには情報が溢れ、宗教がバランサーとなりえない現在では、より一層ひとりひとりの「考える力」が重要となってきたと思います。分かりやすさに流されずに自分自身の考えを持つっことが必要となります。

小説「服従」のタイトルですが、主人公は大学教授で最初はイスラム政権に抵抗していますが、やがて現体制のあるがままを受け入れる姿(服従)を描いています。インテリは弱い存在で、知識や教養がいかに脆いかということが描かれています。

今の世の中、自分自身を維持していくことはとても難しいのかもしれません。
しかし、どんな時でも時流に流されず、自分の考えを持つ努力をしていくこと。いま、ぼくらに課せられた役割のように思います。

「共謀罪」法案について

月曜日, 4月 3rd, 2017


*4月3日信濃毎日新聞

市民有志の「希望ネット・長野」が主催する「市民と政党とのつどい」に参加してきました。
今回のテーマは「共謀罪」です。

この問題は、未然防止と市民の権利と自由の範囲の問題だと思ってます。
銃刀法で武器使用が限られている現状のなか、殺人予備罪などの現行法で対応できるため、必要以上に市民の権利と自由を拘束する法律には反対という考えです。
安倍政権になって、国民の権利を弱め国家を強くしていこうとする意図は見え見えです。
自民党の改憲草案では、一番大事な13条で認められている、生命、自由と幸福を追求する権利にこ「公益」という制限をつけようとしています。そして秘密保護法案に、今回のテロ等犯罪準備罪です。
個を埋没させ、国家を強くするということを「全体主義」といいます。

会場から「テロはできなくなるのか」との問いに米山弁護士は、たぶんできなくなるだろうとの回答。
座り込みや国会を取り囲むなんてことは威力業務妨害になるだろうし、この法案の怖いところは頭で考えただけで犯罪になってしまうこと。たとえば、国会の外で、首相に謝罪を求めたり、退陣を迫ることも「強要罪」に当たる可能性があるそうです。
この法案は国家に絶大な権限を与えることになるだろうとのことでした。

この会の冒頭で観た「横浜事件」のドキュメンタリーは重い映画でした。
1枚のスナップ写真から「共産党再結成の謀議」が疑われ、芋づる式に60名もの人が逮捕され、4名の獄死者もだしました。治安維持法のことというと必ず取り上げられる事件です。関係者たちの発言は、何年たっても消えない傷の深さを物語っていました。

ぼくが共謀罪で想像してしまうのは幸徳秋水など24名が死刑となった大逆事件です。
天皇暗殺計画が発覚し、幸徳秋水を始め、まったく計画に関係のない人たちが逮捕され死刑となった事件です。
維新を経て坂の上の雲を目指してきた明治という国家がこの事件を境に、治安維持法が成立、挙国一致の戦時体制にという暗黒の時代へと突入していきました。

大逆事件のころ、朝日新聞に勤めていた石川啄木は、次のような句を残しています。

つね日頃 好みて言いし革命の 語をつつしみて 秋に入りける

この法案の一番の問題は、対象者と対象となる犯罪があいまいだということです。このことは国民を萎縮させ、息苦しい世の中になるでしょう。そんな世の中は絶対ごめんです。
この法案は絶対阻止しなければいけないと思います。

アべノミクスの失敗

月曜日, 3月 13th, 2017

森友学園問題、共謀罪、自民党議員の問題発言と迷走状態の安倍政権。さぞかし支持率も急落しているだろうと思ったのですが、共同通信社の調べではまだ55,7%もあるとのこと。世間とぼくとの感覚の差に少々戸惑いを感じてしまします。
世論調査での自民党の支持者はいつも、「他よりは・・・」とか、「他に任せると経済が・・・」といったような、自民党以外に任せると経済が混乱すると思っている人が多いように見受けられます。
でも、本当に自民党の経済政策はうまくいっているのでしょうか。
第3次補正予算で税収が1,7兆円足りず、赤字国債を発行しました。このことはアベノミクスの失敗を意味していると思います。


*3月6日長野日報より

3月4日、原村に杉尾秀哉さんが来て国会報告会を行ってくれました。
杉尾さんは、去年の参議院選挙で野党と市民が一緒になって応援した人。100人近い人が集まりました。この国会報告会で、杉尾さんもこの補正予算について言及していましたのでまとめてみました。

安倍政権は税収の見積もりを、ず〜とアベノミクスに頼ってきました。
これまで調子が良かった最大の原因は円が安くなったこと。輸出型の企業が思いのほか収益が上がり、史上最高益をまで出す企業もでてきたぐらい調子が良かったので、そのため税収が増加。ですからアベノミクスの果実の正体は円安ということになります。
ただし、円安になったため物価が上がり、逆に庶民の暮らしは苦しくなりました。
指標では景気が良くなっているはずなのに、ぼくらの生活がちっとも良くならないのは、こういうことだったのですね。

しかし、その円高が続かなくなったため税収が低下。
見込みより1,7兆円少なくなり赤字国債の発行となりました。
成長戦略の目玉としては、カジノ法案。
とてもカジノが成長戦略とは、思えないけど目玉が欲しかったのでしょうね。(維新の取り込みという理由もあったようですが・・・)

無理やりやりくりしているのが、今の予算の実態で、補正予算を含めると去年の予算総額は100兆円に膨らんでしまいました。
なかでも防衛予算は、どんどん増え5兆円を超え。これはトランプ政権のためにアメリカからたくさん兵器を買うためだそうです。

安倍政権は、次から次へといろいろとやっているように見えるが、それは官僚がお膳立てして次から次へと聞こえの良いフレーズを叫んでいるだけ。
3本の矢、一億総活躍、働き方改革、名前は変わっていくが、どれも、どれだけできたかは検証されていない。内容がないまま官僚の上で踊っているのが安倍内閣の実態。

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なかなか面白い話でした。
いまの安倍政権は、企業とアメリカばかりに目を向けて、国民の生活には関心がないように思います。
子ども貧困が表面化され、各地で子ども食堂が開催されています。地域で、子どもの育ちを支えようという動きは良いことですが、本来、貧困対策は政府の役割であるはず。
GDD世界3位のこの国で、子どもたちに地域で食事支援をしなければいけない現状は、明らかに政府の責任です。自民党の政策により格差が広がったことによります。

本当に現政権に任せていても良いのか、イデオロギーではなく自分たちの生活目線で考えなくてはいけないときが来たように思います。
今週末も 杉尾さんの国政報告会がありますので、お時間ある方は、ぜひ参加してください。

  日時:3月19日(日) 13:30~
  場所:塩尻総合文化センター

第6回市民と政党のつどい

月曜日, 2月 6th, 2017


*写真はFBにあがってたものを借用

希望・長野ネット主催の「市民と政党のつどい」に参加してきました。
ちょうど1年ぐらい前の第2回目にも参加。二度目の参加になります。

参加政党は。
  下条みつ氏 (民主党・元衆議院議員)
  石坂千穂氏 (共産党・長野県委員会書記長)
  中川博司氏 (社民党・長野県連幹事長)
  佐久祐司  (緑の党

各政党が共通政策について10分づつ話をしましたが、前回の参議院選挙で、民進党、共産党、社民党の3野党合意を継続することは共通の認識のようです。

3野党合意はこちら。
1,安保法制の廃止、集団的自衛権の行使容認の閣議決定の撤回、立憲主義の回復をめざす。
2,安倍政権の打倒をめざす。
3,安倍政権の憲法改悪を阻止する。
4,格差社会の是正をはかる。

どれも達成されていないので当然のことですね。
ただし、アベ政権反対、保法制反対だけでは、勝てません。
確かにいまのアベ政権は言うまでもなく酷いのですが、単に反対を唱えるだけではなく、どのような社会をつくりたいのかということを明確にしていかなければいけません。

補正予算で、1,7兆円の税収減を赤字国債の増発で埋めなければいけないことが明らかになりました。これは、アベノミクスの失敗を意味しています。
格差は急激に拡大しています。特に最近は子どもの貧困が問題となっていますが、本来、貧困は見えにくいもの。これが表面化したということは、かなり深刻な問題となっていると認識したほうが良いでしょう。このような状況にもかかわらず、防衛費だけが5年連続増加しています。
そして、共謀罪にもみられる言論の不自由さ、本当に生きづらい社会になっってきたっと思います。野党が共闘したことで、どんな社会になるのか、対極にある理想とすべき社会を示していく必要を提案しました。

また、この日会場からの意見でも多かった「原発」の問題も、たとえば「安心、安全なエネルギー政策の推進」のように、入れるべきと提案しました。
参議院選挙の時は時間がありませんでしたが、野党共闘の合意がここまできたら、個別の政策は時間をかけて、合意できるものを模索すべきでしょう。
世界をみても、首相が自分の好きな時になんら制限なく解散できる国はなく、多額の費用をかけて衆議院選挙をやる大義名分はありません。目指すべき社会と政権選択の選挙であることを明確にし、争点にすべきだと思います。

そして、「市民と政党」との要素をもっと入れることを提案。たとえば、協定書(合意書)に市民団体に立会人として名前を連ねてもらうとか、協定書のタイトルに「市民と野党」の要素を入れるなどです。
前回の参議院選挙長野選挙区では、自民党の若林さんは前回よりも20万票も多くとったのに、杉尾さんがそれよりも8万票も多くとったため勝つことができました。これは単なる野党共闘だけではなく、そこに市民が加わったこと。風が吹いたことによります。
単なる野党共闘だけにしてはいけません。

衆議院選挙は選挙の仕組みの違いから、野党合意は中央の話し合いによって決まってきますが、それだけでは市民との協力体制はつくれません。政党要件がない緑の党なので中央レベルの話には参加しませんが、市民の立場でしっかりと意見を伝えていきたいと思います。