Archive for the ‘福祉のこと’ Category

改正介護保険法についての一般質問

土曜日, 12月 13th, 2014

介護保険制度が来年度からの改正で大きく変わります。
軽度者の「要支援1・2」の予防給付のうち訪問介護と通所介護(デイサービス)が外され、地域支援事業として市町村の責任に移ります。

介護保険はこれまでも3年に一度の見直しをしてきましたが、今回の改正は国が直接サービスを給付するのではなく、市町村が地域支援事業として市民相互の支え合いの体制をつくり対応するという、これまでの改正とは違う大変革だと言っていいと思います。

2000年から始まった介護保険制度は3,6兆円の規模から始まり、2013年度には9,6兆円にまで膨れ上がりました。この改正がなかった場合、2025年には21兆円にまでなると予測されています。
要するにこの改正は介護保険にかかる財源を減らし、市民の支え合い(ボランティアなど)に頼り、その旗振りを市町村が行うというものです。

そこで以下の5つの質問をしました。

①平成27年度に改正される介護保険制度では、予防給付のうち訪問介護・通所介護が地域支援
 事業への移行される。どのような計画で行われるか。

介護報酬額は、75歳以上高齢者人口の伸び率4~5%を限度としています。毎年対象者は6~7%増えると言われていますから、介護報酬は減らされ、今の7割前後を想定している自治体が多いようです。

②新基準の単価は「国が定める額(予防給付単価)を上限としつつ、ふさわしい単価を定め
 る」とあり、現行の介護保険報酬単価よりも下がると思われる。どのような対策を考えて
 いるか。

国の示したガイドラインでは地域ケア会議の活用を推奨しています。
地域ケア会議とは、自治体職員、包括職員、ケアマネージャー、介護事業者などの専門職で構成され、個別の課題を把握し地域の課題を解決していくところです。

③地域課題を共有し、課題解決に向けた関係者のネットワーク構築 や資源開発、施策化を図
 っていく地域ケア会議の設置状況は。

高齢者への支援サービスは多様な主体からなる「協議体」で行うことになっています。
主なサービスは家事援助、交流サロン、声かけ、配食+見守りなど。
事業主体は民間企業、NPO、協同組合、社会福祉法人、ボランティアなどを想定しており、生活支援コーディネーターが地域資源の開発、ネットワークの構築、ニーズと取組のマッチングを行います。
そして、この協議体は自治体がつくることになっています。

④多様な主体による、生活支援・介護予防サービス充実のための「生活支援コーディネータ
 ー」と「協議体」は、どのようにつくっていくか。

60代、70代をはじめとした高齢者の多くは、要支援状態や要介護状態に至っておらず、地域で社会参加できる機会を増やしていくことが、高齢者の介護予防にもつながっていく。できる限り多くの高齢者が、地域で支援を必要とする高齢者の支えてとなっていくことで、より良い地域づくりにつながる。(厚労省ガイドラインより)

⑤介護予防・日常生活支援総合事業ガイドラインで推奨している、生き甲斐や介護予防のため
 の高齢者の社会参加について、どのように実施していくか。

町長の答えは①〜④まで一括で

今回の改正は、買い物、ゴミ出し、話し相手など、介護専門職でなくても、提供可能なサービスを地域で行う事がポイント。この活動を通して地域の絆が強まるように、町全体で意識を持って取り組む。地域包括支援センター、社協、住民福祉課を中心に移行期間である2年以内に実行に移す。

⑤に関しては

6市町村の中で富士見町は、介護予備者が多く、憂慮すべき状況。
改善するためには、仲間を作り、生きがいを持ってもらうことが必要。現在、高齢者クラブ等の支援に力を入れている。

介護保険事業のなかで要支援1・2は5%にすぎません。ドイツの介護保険は日本の要介護3,5以上を対象としており、最近介護保険制度を導入した韓国もドイツにならった制度設計をしています。
今回の改正で特養は要介護3以上になりましたし、将来は要介護1,2も保険制度から市町村の事業に移行されることも考えられます。

また、これまで使っていた要支援1・2の予防給付資金は、初年度については100%地域支援事業に回りますが、2年目からは後期高齢者の伸び率以下に抑えなければいけません。2年の移行猶予はありますが、なるべく早く移行したほうが有利であり、将来想定される改正に備え、早めに協議体作りに着手したほうが良いのではないか。

担当課

早めの移行は有利ではあるが、諏訪6市町村広域で話し合いが始まった段階。広域では、法令で認められている平成29年4月までの移行を考えている。
新制度の細部が未確定のまま、大枠の介護保険制度の改正が示されている状況。先進事例を研究し、現状の取り組みを精査しながら進めていく。

全国約1800ある自治体で来年から制度を移行する自治体は100ぐらいだそうです。
今回の改正は、地域の資源をつかってお金をかけずに支え合いの仕組みをつくれという、これまでの行政には無かった仕事です。行政側に戸惑いがあるのは仕方がないことだと思っています。

しかし年金、医療も含めた社会保障費が、国家予算を上回る104兆円となった今、この制度を受け入れるしかありません。成熟した社会は経済が停滞し、町民のニーズが多様化するのは当然のことで、これを対処していくのには町民と行政が協働で社会を作っていくしか方法はないと考えています。

最後に町長に「協働」について、どのような考えを持っているか聞いてみました。

富士見町の中で、協働の精神は伝統として生きている。しかし協議体をつくることよりも今ある問題の解決のために個別の課題を個々に考えていくことが重要。そのためには現状を町民の皆様に知ってもらうことが必要だと考えている。

今回の改正は高齢化社会を乗り切るための”まちづくり”をしていくということであり、自治体によって大きく差が出ることも想像できます。
富士見町は認知症対策など、他の地域よりも進んでいる取り組みが多くあります。
強みを生かしながら、市民参加を促すこと、介護以外の町内にある各種団体と連携をとることが重要です。これからの”まちづくり”のため、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。

12月議会一般質問

金曜日, 11月 28th, 2014

12月議会の日程が決まりました。
12月5日から16日までの12日間です。

今回の一般質問は来年度改正される介護保険制度についてです。

・改正介護保険制度について

①平成27年度に改正される介護保険制度では、予防給付のうち訪問介護・通所介護が地域支援
 事業への移行される。どのような計画で行われるか。

②新基準の単価は「国が定める額(予防給付単価)を上限としつつ、ふさわしい単価を定め
 る」とあり、現行の介護保険報酬単価よりも下がると思われる。どのような対策を考えて
 いるか。

③地域課題を共有し、課題解決に向けた関係者のネットワーク構築 や資源開発、施策化を図
 っていく地域ケア会議の設置状況は。

④多様な主体による、生活支援・介護予防サービス充実のための「生活支援コーディネータ
 ー」と「協議体」は、どのようにつくっていくか。

⑤介護予防・日常生活支援総合事業ガイドラインで推奨している、生き甲斐や介護予防のため
 の高齢者の社会参加について、どのように実施していくか。

  答弁者・・・町長

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2000年4月1日にスタートした介護保険は、3年に1度の見直しでこれまでも改正をされてきまたが、2015年からの改正は、要支援1.2の軽度者たちに関して介護保険ではなく市町村担い、市町村が地域のネットワークを構築して対応していくという大きな改正です。
介護保険は根本から変わると考えていいと思います。

富士見町の高齢化率は32,2%。(平成26年4月1日現在)
この改正を機に、まちづくりとは何か考えていく必要があると思います。

12月9日(火)9:00~  お時間ある方は、ぜひ傍聴にいらしてください。

他の議員の一般質問はこちらです。

http://www.town.fujimi.lg.jp/uploaded/attachment/11084.pdf

高齢者健康不安度ランキング

日曜日, 11月 2nd, 2014

住民懇談会で諏訪6市町村の高齢者健康不安度ランキングが公表されました。
このランキングは衝撃的で、今回の住民懇談会で一番話題となったテーマだったのではないでしょうか。

・高齢者の健康不安度ランキング

身体的要素
・虚弱 
①諏訪10,2 ②原9,1 ③岡谷7,9 ④茅野7,3 ⑤富士見6,5 ⑥下諏訪5,9
・運動器 
①諏訪30,1 ②岡谷24,8 ③原22,7 ④富士見22,6 ⑤茅野20,8 ⑥下諏訪18,8

精神・環境的要素
・閉じこもり  
①富士見11,3 ②原9,1 ③茅野9 ④諏訪7,5 ⑤岡谷5,9 ⑥下諏訪4,7 
・うつ     
①茅野47,2 ②富士見41,9 ③諏訪36,0 ④下諏訪35,3 ⑤岡谷34,2 ⑥原22,7

合計(リスクあり) 
①富士見 72,6 ②茅野 70,2 ③岡谷 68,3 ④諏訪 65,1⑤原 63,6 ⑥下諏訪 62,4

とくに閉じこもり・うつが上位にあることに「なぜ、自然豊かな富士見で…」との発言が各地でありました。

町長の分析では、下諏訪町はコンパクトシティのため、隣近所が密接している。富士見は面積が広いため、交流がしずらく、よそからの移住者が多く、区に加入しない人が多い為、引きこもる人が多い。とのこと。

ん〜、なんとなくごもっともなご意見ですが、下諏訪で生まれ育った身としては、富士見の方が地域のコミュニティは残っているような気がしますし、下諏訪にも移住者は多く、ぼくが生まれ育った地区でも知らない人が多くなりました。

担当課の説明では、この調査は3年に1度行っているが、前回は富士見町が下諏訪町の位置にあった。対象者も1000人と少ない人数なので、3年で富士見の環境が一気に変わったとは思っていない。との説明がありました。

なるほど。こういった調査は、統計の取り方で随分変わってくると思います。ぼくも富士見町が特別リスクを抱えているとは思いませんが、社会全体の問題として対策は考えていかなければいけないでしょう。

町長の対策は、6月に国保のことを議論した時と同じで、高齢者クラブの援助など、町全体で元気で生きがいのある社会をつくっていくというもの。とにかく高齢者に家を出て生き甲斐ある生活を送って欲しいということです。

”わたしは、人間のあらゆる不幸はたったひとつのことから来ているという事実を発見してしまった。人は部屋の中にじっとしたままではいられないということだ。”
                            〜パスカル「パンセ」より〜

町長の言う通り、高齢者になっても部屋から出て人々との交流をすることは大事です。
来年度から介護保険法が改正され、町がやるべきことは今後増えていくでしょう。
今後は、生きがいとは何か。そんな視点でも考えていく必要があるように思います。

介護保険改正後の地域のあり方

日曜日, 7月 13th, 2014

NPO辰野自立支援の会あかりとぼくたちNPO信州協働会議認定NPO法人市民協の専務理事田中尚輝さんを招いて「介護保険改正と地域」と題した講演会を辰野で開催しました。

田中さんが、介護のことに関わりはじめたのは1980年代からで、そのころ介護疲れによる心労や虐待など、介護のことが社会問題になりはじめた頃。行政もなかなか動かないので勝手に助けようということで、有償ボランティアを立ち上げたそうです。
1時間500円で、そのうち300円は運営費に充てていましたが、本来ボランティアは無償のはずなのにお金をとるなんてけしからんという批判が相当あったようです。

しかし需要は多く、無償だと頼みづらいなどの理由もあり、その活動は広がり阪神淡路大震災のころには1000団体ぐらいになったとのこと。こういった活動を背景に1997年に介護保険法が制定、2000年4月からスタートしました。

この制度はとても良いものでしたが、当時のお役人たちは制度設計をミスしたとのことです。
現在の介護保険制度は要支援1から要介護5まで7段階ありますが、ドイツだと3,5ぐらい、韓国だと2~3ぐらいからの制度だそうです。

当時は法案を通さなければいけないということもあり、かなり広範囲を面倒見ることになってしまいました。
その結果どうなったかというと、お金が回らなくなったということです。

具体的に何が変わるかというと、介護保険の予防給付を廃止し、その分地域支援事業にまわします。
要するに要支援1,2を外し、その分市町村で見なさいよ。ということで、これからは住民相互の助け合いでなんとかしなさい。という制度改正です。

この地域支援事業、全国に3500億円の予算がつくそうで、単純に自治体数で割ると1つの自治体で2億円ぐらいになります。もちろん人口などによっては違いますが、かなりのお金が自治体に入り、そのお金は2種類の使い道が決められています。

一つはサービスに対する対価で、たとえば洗濯はできるけど、干したり取り込んだりできないといった家事援助。これはいままで介護保険でできたのですが、そこにはまわさないで、住民相互の助け合いに使われます。
時間単価は名古屋市が1500~2000円、武蔵野市が2200円で担い手を探しはじめたということです。介護事業ですと3000円なので介護事業を行っているところはマイナスになるので参加しづらい。もちろん営利企業はもうからないので参入しない。
しかし市民団体やNPO、ボランティア団体ですと、ちょっとおいしい金額です。
これからは、市民団体でネットワークをつくって地域づくりをしていく必要がありますね。

ではもう一つはといいますと、そういった市民団体、NPOを取りまとめるコーディネータに使われます。だいたい中学校区に一人の計算で全国に1万人のコーディネータを想定しており、財務省と厚労省との試算では1地区に800万円、内訳は人件費に500万円、事務所や経費に300万円だそうです。

君んとこと議員歳費よりよっぽど良いのだから、早いとこ議員やめてコーディネータになりなさい。と言われてしまいました(笑

今月終わり7月28日に厚労省で行われる全国課長会議で、この法案をどう運用するかのガイドラインが提示されます。それが市町村に降りてくるのが、お盆も挟むのでたぶん8月末、事業者に説明されるのは9月終わりのなるだろうとの話でした。

この改正は改悪だとの意見が多くあります。
もちろんサービスの低下は否めませんが、お金が回らないのも事実です。
田中さんは、市民で地域をつくっていくチャンスにしろと言います。

これからは行政に頼るだけではなく、自分たちで地域をどうつくっていくかが問われてくると思います。

介護保険改正と地域

火曜日, 7月 8th, 2014

「介護保険改正と地域」講演会チラシ

*チラシはプチッとやると大きくなります。

来年度から介護保険制度が大きく変わります。
これにより「要支援」の人たちの多くが利用している訪問介護と通所介護が介護保険から外れ、地域による支援が必要になってきます。

そこではNPO法人辰野自立生活支援の会あかりさんと私たちNPO法人信州協働会議(八ヶ岳南麓まちづくり会議から名称変更申請中)とで「介護保険改正と地域」と題した講演会を開催します。

介護保険改正後の地域をどのようにしていくか一緒に考えてみませんか。
多くの参加、お待ちしております。