Archive for the ‘環境のこと’ Category

「森林吸収源対策及び地球温暖化対策に関する地方の財源確保のための意見書採択」に関する陳情

土曜日, 9月 28th, 2013

9月議会に「森林吸収源対策及び地球温暖化対策に関する地方の財源確保のための意見書採択」に関する陳情というのが、全国森林環境税創設促進議員連盟というところから提出されました。

地球温暖化対策のための石油石炭税の税率の特例措置」という、化石燃料からエネルギーを生み出すときに排出されるCO2を抑制するために、化石燃料に対し税をつけたもの。

CO2削減のために集めた税ならばCO2を吸収してくれる森林の整備にその一部を充てるべきで、そのため自治体に森林面積に応じて配分するべきというもの。

総務経済常任委員会の報告は趣旨採択。
賛成意見の議員と、石油石炭税を財源にすることで経済活動に支障が出るとの反対意見との折衷案で趣旨採択になったようです。

趣旨採択というのは趣旨はわかったけど意見書を送るのはヤダよ。ということ。
なんじゃそりゃ。という方法です。
以前にも書きましたが採択か不採択かはっきりさせるべきで趣旨採択という中途半端な答えは出すべきではないと思います。

富士見町は地目で森林が4割を超えていて、この陳情は明らかに富士見町に取って利益になるもの。
議会は執行部ではないので、町民・富士見町が利益となる請願・陳情はまずは採択するべき。

  7対3 賛成多数で趣旨採択

森林の多い長野県では全国森林環境税創設促進議員連盟に加盟している議会は77市町村中32。

ん〜

森林の多い富士見町が採択しないというのは不思議な結果です。

前回の「きこり見学」の記事で簡単に紹介しましたが、経済の循環に乗っかっていない森林を整備するには、まだまだ国の支援が必要です。

地球温暖化対策の名目で集めた税金なら森林に使われても良いのでは。と思うのですがねえ…

きこり見学

金曜日, 9月 27th, 2013

富士見自然エネルギー推進協議会は今年度より、富士見自然eライフ会議として生まれ変わりました。

自然エネルギーは広く浅く分布されているもの。だから一カ所に集めたり移動させたりすることはロスも多く、その場で効率のよいエネルギーの活用方法が必要。
メンバーもエンジニアやIT事業者、農家などを中心(ドシロウトはぼくだけです)に身近で活用できる自然エネルギーの調査・研究に取り組んでいます。

今回はバイオマスを語るには森を知らねば!ということで原村のきこり集団「緑化創造舎」さんにお仕事を見せて頂きました。

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見学に来たのは茅野市のとある山奥です。
伐採した木は重機で枝を払い、4mの長さに調整して搬出します。
今の林業は重機がなければ成り立たず、この重機を入れるため、また伐採した木を搬出するための道をつくることが大切な仕事だそうです。

こういった道のことを路網といいます。

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緑化創造舎さんはこの道づくりを四万十方式でつくっています。
削って道をつくるだけでなく、法面に削った部分の緑を入れることで強度が増し、維持管理は必要だが長い期間使える道になるそうです。

今までの荒い道の作り方は一回限りしか使えませんが、この方法でつくっておけば、段階的な間伐が可能(これ大事!)で、市民の散策の道にもなります。

以前、日本は林道に多額の国費を投入してきたのに路網が整備されていないことを書きました

路網が整備されれば、木材の搬出のコストも下がり、安い輸入材ではなく国産の木材が使われることになります。
いま森林が荒れているのは、森林は経済性としては価値が少ないからで、経済的な価値を持たせてあげれば森林の整備は自然と進むことでしょう。

緑化創造舎の道の作り方はコストだけを考えたら不利ですが、強度がある路網の整備は将来の地域の財産になると思います。

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これまで手入れをしてこなかった森林は、混みすぎて日が当たらないため、一本一本の木は細く鬱蒼としています。

実はこの林、昭和初期は木材を燃料として使い切ってしまい、禿げ山の状態だったそうです。
最近の自然エネルギーブームでバイオマスに注目が集まっていますが、このことをわすれてはいけませんね。

60年放ったらかすと禿げ山もこのような状態になるわけですが、植林をして15年くらいしてから計画的に間伐していけば、良い森の状態が維持できるそうです。

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太陽の光が入ることで新しい植物も芽生え、効率の良い自然の循環が生まれます。

混み入った森林も、自然の調整力があるから間伐の必要がないという意見もありますが、しかしエネルギー利用も含めた人間との共生を考えると、計画的な管理で持続可能な仕組みをつくっていく必要があります。

日本は資源が無いといいますが森林は国土の70%、森林の利用が進めば資源大国です。
多くの木材を輸入に頼ってい現状は問題があると思います。

森林は資源の宝庫。
また、僕たちの飲み水や田畑も森林からの恩恵を受けています。

森林整備のため国や県、市町村がやらなければいけないことは、まだまだたくさんありそうです。

長野県環境エネルギー戦略

土曜日, 4月 27th, 2013

今回のみどりネット信州の政策研究会は「長野県における環境エネルギー戦略の展望」
です。
長野県は3月に平成25年度から平成32年度までの8年間、地球温暖化対策を進めるための指針「長野県環境エネルギー戦略~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~」を策定しました。
この計画の策定に中心的に関わった温暖化対策課企画幹の田中信一郎氏に講師としてきて頂きました。

日本は経済成と連動してエネルギーの消費量も増えてきました。しかしドイツなどのヨーロッパでは経済は成長しつつ、温室効果ガス排出量とエネルギー消費量は減少しています。
ちなみに長野県は経済は成長していませんが連動しています(笑

そんな経済・社会構造(デカップリング)をめざし、「持続可能で低炭素な環境エネルギー地域社会をつくる」を基本目標に第3次長野県環境基本計画が策定されました。

これまでは環境というとライフスタイルと考えられがちでしたが、この計画は経済の視点でも考えれていて、このことは長野県の総合5カ年計画にも方針1「貢献と自立の経済構造への転換」の中の③地勢と知恵を基盤とした環境・エネルギー自立地域の創造として盛り込まれています。

具体的な姿は住宅を高断熱化するとか、次世代自動車が蓄電池の役割をして電力のピークカット。太陽熱、地中熱、薪、ペレットなどを活用した暖房など、がまんする省エネではなく、イノベーションを取り入れた経済の発展しながらの温暖化防止、省エネの形です。

具体的な目標は2025年に`90年度比で10%の削減。
現在`90年度より8%上昇しているのでちょっと大変な目標です。その先2030年には30%の削減を目指します。

政策は
・家庭省エネ政策パッケージ
・事業活動省エネ政策パッケージ
・建築物省エネ政策パッケージ
・電力需要抑制対策
・自然エネルギー政策パッケージ

これからの省エネ、温暖化防止の推進、自然エネルギーを考える場合、いかに地域で生み出し他からお金が入る仕組みを作るかを考えなければいけません。

たとえば
2000万円の家を建てて年間30万円の光熱費を払う
2200万円の家を建てて年間10万円の光熱費を払う

どちらも10年間で200万円かかるわけですが、この200万円はアラブの石油王へいくのか地元工務店へ行くのかの違いがある。

そして熱供給に関しては、バイオマス、コジェネなどで地域で活用。
この場合、同じお金を払うならアラブの石油王に払うのか、地元の森林組合に払うのかの違いがあります。

そのためには林道の整備もしなくてはいけません。

実はこれまで林道に多額の国家予算が投入されてきましたが、林業に使える林道はほとんどないそうです。だから一本の木を切って運び出すのに相当なお金がかかるし、労働者の安全性も悪い。だから生物多様性も考慮しながら地域経済に貢献するような路網の整備をこれから進める必要があるといいます。

ヨーロッパではこの路網を100年かけて作ってきました。
環境破壊ということではなく、森林整備にも使えるし人々のレクリエーションにも活用されています。
いったい日本の林道整備の予算はどこにいったのでしょうか。

世界のエコタウンのモデルになっているストックホルムのハンマルビー・ショースタッド地区のコンセプトは

 ・住みやすさ
 ・イノベーション
 ・移動のしやすさ
 ・景観
 ・環境

4番目に環境がきます。
日本の場合、まずLTEを導入するとか、太陽光パネルを並べるなど◯◯ありきで進められますが、ハンマルビー・ショースタッド地区では地域を住みやすく快適にするために全体を見渡して、そこにあったものを導入し計画が進められているようです。

自然エネルギーの導入が急ピッチで進めれていますが、ピジョンのない政策は後世の負担になります。
これからのエネルギー政策を考える場合、地域経済、環境、景観、ゴミ問題、移動手段、人口構成比などを鑑み、そこに住む人々の暮らしやすさを考えながら進める必要があると思います。

地下水の現状と保全について

火曜日, 2月 5th, 2013

地下水の低下、外国資本の参入などから、地下水の保全が全国的に問題となっています。
そこで「みどりネット信州」では信州大学の藤縄克教授をお呼びして安曇野市での実践例を参考に、地下水の保全について勉強をしました。

日本は他の国に比べ豊かな水資源があります。
海外では資源に困っていたり、中国の大気汚染は水質にも影響を及ぼす可能性もあるなか、多くの人は日本は恵まれているという認識がないため飲料水が危険にさらされている状況にあります。
北海道では620haが買収され、県内では軽井沢で外資に買収された事例がありました。

そこで長野県は阿部知事を先頭に条例づくりをはじめ、答申は1月15日に完成。
現在8箇所の都道府県が条例を作り、検討している都道府県は10県に上ります。

本来国が関与しなければいけないことですが、なかなか進まず去年ようやく「水循環基本法」がつくられることになりましたが、これもお蔵入りになったようです。

この法律は管轄を内閣府におくことで縦割り行政を解消し、地上水だけでなく地下水も管理する。
これまで地下水は土地所有者との認識だが、国民共有の財産だということが明記されていたそうです。
自治体が水使用に関するルール作りを義務づける等が盛り込まれていたようで、お蔵入りになってしまったのは残念なことです。

このような状況のなか、安曇野市では地下水の保全対策指針及び条例の制定に向けた検討が始まりました。
この地下水保全対策研究委員会は2年かけてじっくり話し合いを重ねていくようです。

基本理念は
1、地下水は市民共有の財産である。
2、全市民が地下水保全・強化に努め、健全な地下水環境を創出する。
3、地下水資源を活用し、豊かな安曇野を次世代に引き継ぐ。

大切な地下水だから使わせないではなく、有効活用して安曇野を豊かな場所にしていく。

現在、硝酸性窒素による水環境の悪化も懸念されています。
ここでは具体的な話は出ませんでしたが、これは農業の肥料の問題だと思われます。
植物を育てる場合、窒素を多くあげればとりあえずは育ちます。
しかし与えた窒素のうち植物に吸収されるのは、ごくわずかで多くは水に流れていってしまいます。
有機農業は肥料の効きが遅いので、ついつい窒素分の多い鶏糞などを多用してしまいます。
ぼくが農業をやっていたころ不耕起栽培を取り入れたのは無施肥を目指したからです。
ま、成功したとはいえませんが…

環境と経済を両立するのは難しいものです。

水質保全の対策は希釈しかなく、水田を増やし涵養を促すこと。

具体的には耕作放棄地対策、そして小麦の収穫後、次の作付けまで水を溜めておく麦後転作田湛水。
これは土壌にも良い効果を与えるようです。

そして冬田んぼの湛水。
水利権の問題を解消する必要があるようです。

都市部では浸透トレンチ、浸透性舗装の活用が計画されているとのこと。

このような施策の実施にかかる源資は、地下水を利用する人から利用度に合わせて徴収する。あまりお金がないセクター、地元産業を育てるため、係数化し算定式を作って負担金を割り出すそうです。

今後の課題としては源資の確保(約5600万円)
そして水利権の問題。
現在の法律は涵養するためだけでは使用が認められていないとのこと。
近隣市町村の連携。
地下水はつながっているため、どこかの市長村だけが得をしたりすると問題になる。近隣で話し合いながら進めなければいけない。

まだまだ始まったばかりの取組みです。注目していきたいと思います。

これまで国や自治体の施策は環境のことは後回しになってきました。
限られた資源を活用するため、環境についてもっと優先して取り組むべきと思います。

入笠湿原

火曜日, 10月 23rd, 2012

下諏訪、原、富士見の町村議員の勉強会がありました。今年は入笠山で山彦荘を営む伊藤高明さんの案内で入笠湿原の自然観察です。もう花の季節は終ってしまいましたが秋めいた湿原は心地よい風が吹いていました。

伊藤さんが入笠湿原に来たのは昭和40年代、その頃は入笠湿原の名前すらなく、キャンプ場として利用、スズランの群生地はスキー場として草を刈っていました。そのころ近くの大阿原湿原が花盛り、入笠湿原はスゲやカヤが覆い茂り花などない状態で、それを灌木を伐採しクマザサを刈り、大事に花を育ててきました。伊藤さんが中心となって「入笠ボランティア協会」を設立。今では大阿原湿原は花の乏しい地となり、当時とは逆転の状態になりました。
入笠湿原と名前がついたのは昭和52年、平成16年には県の環境保全地区に指定されました。

伊藤さんは湿原の花を守り続けてきて感じたこは、ある程度人の手を入れる必要があるのではないかということだそうです。移植してもともとあるものと競争して根付かせるのは大変なことで、一旦花が絶えるともとに戻すのに20年.30年とかかってしまう。
また下から持ってきたものが根付いてしまった場合、これを絶やすのも相当な苦労がいるといいます。かなり以前に原村から水芭蕉を200株を植えたが全て絶えてしまい、その後努力してなんとか根付かせることができた。しかしこのミズバショウは自然保護区を受けるとき、本来この地にないものなので問題になり、排除しようとして上を刈ったがなかなか減らない。今ではそれなりに人気があるのであきらめているが、一旦植えてしまうと絶やすのも大変となってしまうそうです。

入笠湿原が有名になったのは平成8年の花の百名山に選ばれてから。春のザゼン草から秋のリンドウまで2週間ごと花が入れ替わるぐらい種類は多い。関東から一番近くに日本スズランの群落を見ることができることで人気も定着(ドイツスズランではない)。

どのように花を増やしてきたかというと他から移植したわけではなく、花のまわりの雑草を刈り、競争相手をなくしてあげることで花が増えたそうです。しかしこれをいつまで続けていけば良いのかは疑問を感じていて、放っておけばススキ、灌木が入り黒木の林の戻ってしまう。毎年秋に草を刈る時、コナシやマユミが必ずある。クマザサも刈るから他より弱っているだけで、放置すればすぐ繁茂してしまう。知名度が上がった事は良い事だがこれを維持していくのは大変な事だと言います。もしかしたら自然に手を入れているのではなく、食い止めているだけかもしれない。お話の中から、伊藤さんが自然とは何なのか日々悩みながら湿原を守っている様子が伺えました。

この小さな湿原の中のたくさんの植物、中には学術的にも貴重なものもあります。これだけ多くのクサレダマが群落しているのは珍しい、そしてノハナショウブ、他で咲いてるハナショウブのほとんどは改良種、原種が群生しているのは本州でも稀なようです。

以前にも書きましたが湿原というのは地球の歴史の中では一瞬の出来事でしかありません。この入笠湿原もいずれは陸地化して湿原ではなくなります。この貴重な自然とどのようにつきあっていくか、単なる観光ではなく自分たちの残したい自然として考えていきたいですね。