Archive for the ‘環境のこと’ Category

ふれあいフェスタ・2016秋

月曜日, 10月 31st, 2016

今週末は、自然エネルギー信州ネットSUWAで、ふれあいフェスタ・2016秋を開催します。

体験しながら、自然エネルギーを学べるイベントです。
今回はとくに役割もないので、たぶんペレットストーブの前で1日まったりしています。
(ぼくは、5日のみ参加です)

ぜひ、遊びに来てください。

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オオカミ復活!

日曜日, 3月 6th, 2016

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先日、「オオカミがいる自然、その魅力」と題した講演に行ってきました。
講師のスティーブ・ブラウンさんは、オオカミが復活したイエローストーン国立公園のガイドを長く務めていた人です。
イエローストーンはアメリカのロッキー山脈の中にあり、1926年にオオカミは絶滅。20年前にオオカミの再導入を行い、現在100頭弱のオオカミが生息しています。
オオカミが戻ってきたことで、多様な生態系が戻り自然環境が豊かになったそうです。

まず、オオカミが絶滅したことで増え続けていたエルク(ヘラジカ)が激減しました。エルクが減ったことで草木が豊かになりました。木が増加したことでビーバーが増えてきました。ビーバーがつくるダムのおかげで、治水にも役立ち、池や沼ができ、魚や両生類など小動物が増えたそうです。

また、オオカミの復活でコヨーテが減り、キツネやアナグマなどの増加にもつながりました。
オオカミは頂点捕食者ですが、その頂点捕食者がいることで多くの命が救われたと言えるのかもしれません。
本来の自然のサイクルとはこういったことなのでしょう。

長野県のシカの数は10万〜30万とも言われており、八ヶ岳は県内で一番多く、その半分ぐらいが八ヶ岳にいると県は見ているようです。シカの農作物の被害は深刻で、そのことが原因で畑を辞めてしまう人もいるぐらい。
山では木の皮を食べてしまうことで、木は枯れてしまい防災上の問題もあります。また、アツモリソウやニッコウキッスゲなどを守るため、山の中はネットだらけです。
県全体で年に3万5000頭捕獲しても全体の数は、なかなか減らない状況のため、毎年4万頭の捕獲をしなければ全体数は減少していかないそうです。

オオカミを導入することで、良いことだらけのような気がしますが、やはり、気になるのは人間社会への被害です。

家畜への被害は、自然保護団体によるオオカミ補償基金で賄われているそうです。被害にあった場合、市場価格を補償しています。
そして人間の被害は、北米での110年間で26件あったそうですが、うち25件は人間がオオカミに手で餌をあげようとして被害にあったもので、野生動物との接し方を知らないことから起きた被害と言えます。
もう一件は、ジョキング途中にたまたまオオカミの群れと遭遇してしまった女性です。基本、オオカミは人間が嫌いなので、人間の前に出てくることはあまりなく、この女性の被害も走っていたことでシカと間違えてしまったのではないかとスティーブンさんは言います。

110年間にったた一件の被害だけ。
だからといって大丈夫とは、なかなか考えることはできません。このイエローストーンの成功例を参考にヨーロッパの各国などで導入の検討をし始めているようですが、進んでいないのが現状のようです。まだまだ検証しなければいけないことは多いような気がします。

これまで問題を排除することで文明社会を築き上げてきました。
しかし、今の社会は排除することでの弊害が多く露出してきたようにも思います。
人間中心ではなく自然環境を優先に考えることで、持続可能な社会に近づくにのではないか。イエローストーンの事例は、そんなことを僕たちに教えてくれているのだと思いました。

環境影響評価条例

木曜日, 2月 18th, 2016

先日、県の主催の1月に改正された環境影響評価制度についての説明会に参加してきました。
環境影響評価とは環境アセスメントのことで、開発事業による環境への影響を事前に調査し、予測・評価し環境に配慮した事業にしていくための手続きで、長野県は条例により大規模の太陽光発電も対象としました。全国で初めてのことです。

流れとしては、まず方法書を作成します。
対象事業の目的や内容を明確にし、調査・予測・評価を行う項目及びその手法を公表します。
先日、説明会があった諏訪四賀ソーラー事業の方法書はこちら

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*長野県HPより

方法書は公開され住民の意見を募り、知事や市町村長の意見が反映されます。
ちなみに諏訪四賀ソーラー事業は3月4日まで住民の意見を求めています。

方法書が作成されると環境影響調査の実施となり、その結果を公表するための前段階である準備書。評価書を作成後、工事の着手に入った後の事後調査報告書で住民の意見を聞く場があります。

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*長野県HPより(配慮書手続きの導入は、平成28年10月1日から)

住民からの意見を聞く場が3回あるわけですが、環境アセスの最も重要な要素として住民参加があります。
環境価値には専門家の判断に依存できる部分と、地域住民の判断が尊重される部分があるためです。科学的知見が必要な部分は専門家の役割が重要ですが、人々の暮らしに関わる精神面や快適性、景観や歴史的文化的価値のようなものは地域の人でなければ判断ができません。
環境アセスというと科学的分析に特化して考えてしまいがちですが、そこに住む人たちの居住環境への影響は科学的な数値だけでは判断できず、住民参加による合意形成はとても重要なことだと思います。

環境に配慮した持続可能な社会をつくっていくのには、環境アセスの実施はとても重要なことですが、問題がないわけではありません。

一つは環境アセスの費用は事業者負担のため、事業者がコンサルを雇い影響評価を行うことです。会場からも指摘がありましたが、お客様に不利になるような評価書は作成しずらいもので、「アワスメント」と揶揄されるのもこのためです。信ぴょう性を高めていくことはアセス制度の大きな課題で、そのためには技術委員会の役割が重要になってくると思います。

そしてもう一つは、この環境アセスは事業を行うことを前提とした「事業アセス」ということです。
事業を実施にあたり、環境に及ぼす影響を緩和するために予測・評価するもので、このことにより環境への負荷が軽減されることは望ましいことですが、そもそも、その事業が本当に必要かどうかから検討するべきだと思います。

海外では事業アセスに対し、計画の初期段階に行う「戦略的アセス」として広まっています。
ぼくは、森林を伐採してまでも山奥に巨大なメガソーラーを建設することが本当に必要なことなのか理解できません。10月から取り入れられる方法書の前の配慮書は、戦略的アセスに近いもののようですが、日本でも埼玉、東京などで条例化が進んでます。長野県も検討すべきだと思います。

太陽光発電が環境アセスの対象となったことは、非常に喜ばしいものだと思います。
しかし、環境アセスがきちんと機能せず、単なるお墨付きになる可能性もあります。
そうならないために、住民ができること。行政がやるべきこと。
できることは、いろいろあるような気がしています。

霧ヶ峰のメガソーラー、環境アセスの説明会

火曜日, 2月 2nd, 2016

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29日に茅野市で行われた、霧ヶ峰に計画しているメガソーラーの環境影響評価についての説明会に参加してきました。

事業名は「諏訪市四賀ソーラー事業」
事業者は「株式会社Loop
規模188㌶ 89MW

去年9月の県議会で太陽光発電を環境アセスの対象にする条例が可決され、今年1月13日より施行されました。太陽光発電は本来環境アセスの対象ではありませんが、固定価格買い取り制度移行の乱開発に対応するため、長野県独自に条例により50ha以上、森林では20ha以上は環境アセスの対象となりました。この「諏訪市四賀ソーラー事業」が条例施行後初の対象となります。

環境アセスは、事業をするにあたって水質や土壌汚染、騒音、悪臭、生態系など環境に対する影響を調査するものですが、会場に表示された事業予定地の大きさに改めて驚いてしまいました。
諏訪湖は1330haですので、諏訪湖の7分の1の大きさになります。これだけの広さにソーラーパネルが列ぶわけですから、相当環境に影響があることが予想されます。諏訪湖に流出する水の量も変わってきそうですがどうでしょう?

会場からは事業予定地近くにある湧水についての影響を心配する声が多かったです。また、事業終了後、この土地がどのようになるのかを心配する声もありました。当然の心配だと思います。

雑草の管理についての質問には、雇用、または委託により毎日5人から10人で草刈りを行うそうです。ほとんどのメガソーラーは除草剤を使用していると聞きます。188ヘクタールもの広さを、本当に除草剤なし管理できるのか疑問が残ります。

諏訪市での説明会は2月16日にあります。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/happyou/160120press.html

茅野市側では、防災や生活水への影響を心配している人たちが声を上げはじめていますが、諏訪市側ではあまり意見が出てこないと聞きます。大きな問題なので、ぜひ多く人が参加して欲しいと思います。

この環境アセスの方法書についての意見は3月4日まで公募しています。
どんどん意見を言っていきましょう。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/happyou/documents/160120press.pdf

COP21

火曜日, 12月 8th, 2015

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パリで開かれているcop21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)、閣僚級の会議が始まりました。今回の会議は京都議定書に続く、2020年からの新たな枠組みを決める重要な会議なのですが、なぜか日本ではあまり騒がれていないように思います。
かなり大事なんですがねえ…

気候変動・地球温暖化は極めて深刻な問題です。しかもその原因は産業革命以降、人間が排出してきたCO2をはじめとした温室効果ガスによるものということは、ほぼ間違いないとされています。

温暖化による海面上昇は、このままでは21世紀中に88cm上昇されるといわれ、平均海抜1,5mぐらいのツバルやモルジブなどは、今すぐ対策を取らなければ2050年にはGDPの10%の被害額になるといわれています。
日本も1mの海面上昇で全国の90%の砂浜が消滅し、大阪堺市、東京江東区、墨田区など多大な影響を受けます。

温暖化による一番の深刻な問題は世界的な水不足と食糧不足です。
IPCCの報告では、2025年には50億人が水不足になり、今後100年で中国の米の収量は8割減、インドなどでの小麦が大幅に減産になると予想されており、食糧の国内受給率が40%しかない日本は深刻に考えていかなければいけません。

京都議定書は、初めて先進国に温室効果ガスの削減を義務づける画期的なものでしたが、最大の排出国アメリカが離脱し骨抜きとなり、その後の中国などの新興国のCO2排出量が増大し新たな枠組が急務となっています。

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全国地球温暖化防止活動推進センターより

日本は京都議定書の目標である6%の削減を達成しました。2008年のリーマンショックによる経済の停滞が原因であると思われます。このように経済成長と温暖化対策が相反するように見えてしまうことが、各国の合意を取ることが困難となっています。
先進国は新興国や途上国にも義務をかせるべきだとし、途上国はこれまでCO2を排出し続けてきた先進国の責任を追及します。

2009年にコペンハーゲンで行われたCOP15で「ポスト京都議定書」の枠組を決めるはずが、先進国と途上国の合意に至らずに終わりました。そんなわけで今回のCOP21が最後のチャンスとも言われています。
しかし、実務者レベルの会合では、なかなか合意が見えませんでした。

2015年は、産業革命以前より1℃上昇するという記念すべき年となってしましました。目標の産業革命以前より気温上昇を2.0℃〜2,4℃に抑えれためには、2050年に2000年度比50〜85%の削減が必要とされています。日本の26%削減目標では甘い!

今すぐ対策をとるべきでしょう。
11日の閉会までに、なんとか合意に至って欲しいです。