Archive for the ‘教育のこと・子どものこと’ Category

通級指導教室について

水曜日, 4月 1st, 2015

平成27年度から、茅野市立永明小学校に学習障がい者等通級指導教室が設置され、近隣の富士見町、原村の生徒も同校の通級指導教室を利用するため、そのための規約を定めました。

通級指導教室というのは、比較的軽度の言語障害、情緒障害、弱視、難聴などの障がいがある生徒が特別支援学級ではなく、普通のクラスに所属しながら特別な場(通級指導教室)で、特別な指導をする教育形態をいいます。
平成18年から学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)が新たに対象に加わり、多動性の子どもが増えるなか、注目を集めている教育形態です。

学校での集団生活に適応が困難な生徒たちに、一人一人の能力に合わせ、人との関わりやコミュニケーションの取り方などの指導を行うもので各教科の遅れも補填するようです。週1時間から週8時間、この通級に来ている時間は一般の授業も欠席扱いにはなりません。

精神科医の杉山登志郎氏の本によると、そもそも子どもは多動な存在で年齢が幼いほど集中力の持続は短く、落ち着きもない。ADHDの多動を主とする症状は、成熟の遅れと捉えるべきものが多くを占めていて、7歳の子どもが3~4歳の行動コントロールの能力であるというときに、ADHDと診断することになると書かれています。
また、多動そのものは9歳前後で消滅し、その後も不注意は持続するが、適応障害に結びつくほどの行動の問題は急速に改善することが多いそうです。

脳の発達を考えた場合、10歳という年齢は一つの臨界点で、これまでに身についた言語や非言語的なジェスチャーが一生の間の基本となるそうで、学習障害(LD)の場合も学習の補いをきちんと行い情緒的な問題を引き起こさなければ、他の発達障がいに比べ後年に二次的な併発症を起こすことが少ないとされています。

LD、ADHD、いずれにしても小学校から中学にかけてのケアがとても重要で、きちんとケアをすれば通常の生活を支障なく送れるようになることが多いとされています。
しかし、まだまだLD、ADHDへの理解が足りなく、”親のしつけ”が悪いなどと考えている人も多いようです。まずは地域の人が理解し適切なケアをしていくことが必要でしょう。

通級指導教室は一定の効果が認めれられています。
通級に通う子どもはもちろんですが、本人以外のクラスの同級生にも良い影響があるようです。人間にはさまざまな個性があるということを早くから知り、発達の凹凸に対して偏見をもたない大人への成長の手助けになってくれるとのこと。

富士見町では町単独の予算で3名の職員を増員したり、状況に応じて教育支援員や介助員などを設置し、他の市町村よりも力を入れていますが、この通級は良いシステムだと思います。

実は前小林教育長は、富士見町に通級指導教室を設置することが悲願であり、そのための努力をしてきましたが、まずは中心である市に設置をしてその後町村にも設置していく考えのようです。

27年度、富士見町からは対象者のうちのわずかの生徒が茅野市の通級を利用します。生徒の送り迎えは保護者の役割のため、その分ハードルが高くなっています。
富士見にも通級指導教室が設置されることが望ましいですが、茅野市に設置されたことは”まずは第一歩前進”と喜ぶべきことと思います。

「保育の必要性」と「認定」

土曜日, 12月 27th, 2014

子ども・子育支援新制度の施行に伴い保育所条例を改正するもので、「保育の必要性」及びその「認定」が規定されました。

これまでは保育所を希望する場合は申し込みだけで足りていたのですが、新制度では保育の必要量の認定という、介護認定みたいな手続きが必要になります。
認定区分は3つです。

 ・1号認定:教育標準時間認定
       満3歳以上で、幼稚園等での教育を希望する方

 ・2号認定:満3歳以上・保育認定
       満3歳以上で「保育に必要な事由」に該当し、保育所等で保育を希望する方

 ・3号認定:満3歳未満・保育認定
       満3歳未満で「保育に必要な事由」に該当し、保育所等で保育を希望する方

では、保育に必要な事由とは。

 ・就労(フルタイム・パートタイム、夜間、居宅内労働ほか、すべての就労)
 ・妊娠・出産
 ・保護者の疾病、障害
 ・同居又は長期入院等している親族の介護・看護
 ・災害復旧
 ・求職活動(起業準備も含む)
 ・就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)
 ・虐待やDVのおそれがあること
 ・育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要な事
 ・その他、上記に類する状態として市町村が認める場合。

これまでの条例ですと、就労は昼間に限れていたので今までよりは範囲は広くはなっています。しかし保護者の人たちから今までよりも認定されずらくなるとの不安の声をたびたび聞くので、その辺のところを聞いてみたところ、保護者の方々が心配しているのは就労の時間が月64時間以上と決められていることのようです。64時間というのは、だいたい1日3,5時間で20日前後という数字です。

国の指針では「保護者の就労時間の下限は、1ヶ月あたり48〜64時間の範囲で市町村が定める」となっています。ではなぜ48時間にしなかったのかを尋ねましたところ、子ども・子育て会議でも、ここのところは議論になったようです。
まずは64時間に定めても、現在不利益を講じる保護者はいないこと。そして一番は子供の育成の第一義は保護者であり、乳幼児期の子供との関わりを大切にするべきとの考えからきているそうです。

なるほど、ごもっともです。
しかし、乳児ならともかく、年長さんぐらいの歳になれば、子供同士の付き合いから社会性を学ばせたいという保護者が増えると思うのですが、その辺はどうなのだろう。

実際3歳以上になると、そういった保護者の方が大半で、その場合は1号認定で受け入れ可能とのこと。
料金いついては、基本料金4時間(幼稚園は4時間のため)+延長保育料+給食費で、だいたい一般の人と変わらない金額になるそうです。

複雑なシステムにはなりますが、保護者や子どもたちは今までとあまり変わらずにすみみそうです。
行政職員の事務量は相当増えそうですが、、、

 全会一致で可決です。

子ども・子育て支援新制度は、都会の待機児童解消の側面が強いですが、待機児童の問題のない富士見町でも制度は大きく変わります。来年度のスタートはスムーズにいきそうですが、制度を運用する上で不都合なこと、もっとよくしたほうが良いこと、様々な課題がでて来るかもしれません。
この前も書きましたが、議会で決めることは大枠の条例のみで、実際の運用するための規約等は子ども・子育て会議が中心となり決めていきます。地域の人たちと保護者の方たちで、富士見町独自の良いものにしていく必要があると思います。

児童クラブの条例

木曜日, 12月 25th, 2014

9月議会に引き続き、12月議会でも子ども・子育支援新制度にもとづく条例案が上程されました。
今回は児童クラブについての条例です。

これまで児童クラブの設置基準というのは、法的な定めがなく国が定めたガイドラインに沿って、市町村が設置し運営をしてきましたが、新しい児童福祉法によって、市町村が運営基準を条例で定めることとなりました。

児童クラブとは、小学校に通う子どもたちの両親が、仕事などで昼間家にいない場合、授業終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業です。

この条例で定める基準は、児童一人当たりの1,65㎡で、一つの支援単位を40名とし、ひとクラスに2名以上の職員を配置などが書かれてます。
現在1年生から4年生が対象のところ、この改正で6年生まで拡大されるますが、富士見小と本郷小が面積の基準が満たせないため、空き教室など学校側と調整していくそうです。法では5年間の経過措置がありますが、なるべく早く解消したいとのことでした。

児童40名に二人の職員となってますが、最近発達障がいの子供が増えている現状。その対応はどのように考えているか聞いてみたところ、実際の運用のなかで子どもたちの安全を考えていくとが基本。現在、富士見小と本郷小でそれぞれ1名づつ加配をしてるそうです。
ちなみに、児童クラブの現在の職員数はこちら。

・富士見 5名 4名保育士
・本郷  3名 2名養護教諭 1名が教員
・境   1名 保育士

国の方では、子ども放課後教室と放課後児童クラブを総合的に考えていくとの方針だが、富士見町の現状と今後はどのように考えているか聞いてみました。

子ども放課後教室は、地域の人が講師となり遊びや、学び、勉強などの場を作ることで、子どもの居場所をつくるもの。恒常的な講師の確保が難しく、取り組めていないのが現状。

この条例第3条に「町長は、児童の保護者その他児童福祉に係る当事者の意見を聴き….設備及び運営を向上させるように勧告することができる」とあるが、どこの意見を参考にすることを想定しているか、の質問には、子ども・子育て会議が窓口になって現場の意見、運用状況を確認しながら、検証し改善すべきところは改善する。との回答。今後、子ども・子育て会議での話し合いが重要になってくると思われます。

全会一致で可決されました。

今年7月に制定された「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」の第12条は「県は、児童館その他の子どもが安心して遊び又は生活をすることができる場の整備の促進に努めるものとする」とあり、子どもの安心できる場の整備を書かれています。
今回の条例で決められたことは、あくまでも広さや職員の数など事務レベルのことです。
本当の子どもたちが安心できる場の整備は、保護者のみなさんをはじめ、地域の人たちで考えていくことが大事だと思います。

子ども・子育て支援法の施行に伴う条例

金曜日, 9月 26th, 2014

9月議会で子ども・子育て支援法の施行に伴う条例が2件審議されました。

平成24年8月、国会で子ども子育て関連3法が成立し、この法律に基づき、来年4月から「子ども・子育て支援新制度」がスタートします。

この新制度は、子どもの教育・保育の総合的な提供や、待機児童対策の推進、地域での子育て支援の充実を目指したものです。

政府のパンフレットには4つの取り組みが載っています。

 1,幼稚園と保育園のいいところをひとつにした「認定こども園」の普及
 2,保育の場を増やし、待機児童を減らして、子育てしやすい、働きやすい社会へ
 3,幼児期の学校教育や保育、地域の様々な子育て支援の量の拡充と質の向上
 4,子どもが減ってきている地域の子育てもしっかり支援

今回の条例は、この1番と2番の部分、「特定教育・保育施設、特定地域型保育」を新たに事業をする場合の運営や認定基準を定めた条例です。

「地域型保育」というの4つのタイプがあります。

 1,家庭的保育(保育ママ)
  家庭的な雰囲気のままで、少人数(定員5人以下)をきめ細やかな保育

 2,小規模保育
  少人数(6~19人)を対象に、家庭的保育に近い雰囲気のもと、きめ細やかな保育

 3,事業所内保育
  会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育

 4,居宅訪問型保育
  障害・疾患などで個別のケアが必要な場合や、施設が無くなった地域で保育を維持するこ
  と必要がある場合などに、保護者の自宅で1対1で保育を行う

この施策は行政だけではなく、民間が多様な幼児保育・教育の場が提供できるようにすることで、都会の待機児童を解消し、労働人口減少のなか、女性の労働力を確保する意味合いが大きいというのが大方の見方です。
待機児童の問題がない富士見町では、国の基準を準用した条例であれば特に問題はないというのが多くの議員の考え(たぶん)でした。

ところが委員会審査に入る前日の一般質問で、「今回の基準はこれまでの保育の基準よりも緩い、劣悪な営利企業の参入を防ぐために、国の基準よりもハードルを高くするべきだ」との趣旨で討論を行った議員がおり、委員会審査でもこの事が議論の中心となりました。

何が問題かというと、町の保育では0歳児に2人の保育士がつくが、条例では3人に1人とか、面積当たりの子どもの数とか、あと家庭的保育、居宅訪問型保育の場合、保育士ではなく研修終了者でも良いなどです。

障害をもった児童に対し、本当に必要なのは保育士ではなく、違う専門性をもった人のサポートが必要かもしれません。現在一時預かりはファミリーサポート事業として、保育士ではなく研修修了者が行っておりますが、何の問題もありません。
多様なニーズに応えるための保育環境の整備ですから、保育施設の形態によっては保育士でなくても問題ないのではと思います。

ということで、委員会審査と本会議で以下の討論を行い賛成をしました。

この条例は都市部での待機児童解消のためといった趣旨がつよいが、多様な子育てのニーズに対応することができるという利点も考えれる。
最近では様々な幼児教育の考えや、発達障害の子どもが増え、現在の保育園では対応が難しいケースもあり、この条例はNPOや市民団体、民間が参入できるきっかけになるものと考えてることができる。
国の基準よりも厳しいものを作った方が良いとの意見もあるが、富士見町の現状は待機児童の心配もなく、保育環境も整っているので悪質な民間が参入することは考えづらい。
特別にハードルを高くする必要はなく、国の基準の準用することは問題はない。

  賛成9 対 反対1

賛成多数で可決されました。

この新制度、どうやら共産党は全国で反対を展開しているようです。
財源が消費税の増税分である事や、国や自治体の責任を後退させ、保育を営利企業に委ねるものだということのようですが、もう増税はしてしまったのだし、これからは一律な保育の提供を前提とした行政ではまかなえない部分を、民間や市民団体が担う必要があるのではないでしょうか。

国で決まった制度です。この制度を富士見町の良い保育環境をつくるきっかけにしていかなければいけないと思います。

「子どもの権利条約フォーラムimながの」のお知らせ

火曜日, 9月 16th, 2014

表

裏
チラシはぷちっとやると大きくなります。

日本が子どもの権利条約を批准して20年が立ちました。こんなまちすみたいネットワークでは、これを記念して「子どもの権利条約フォーラムinながの」を原村で開催します。

今年の6月県議会で「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」が可決されました。「権利」の文言がないなどの意見もありますが、せっかくできた条例です。各地域で肉付けをして良いものにしていくことが大事だと思います。

今回のフォーラムでは、この県条例の第11条(社会参加の促進)と第12条(子どもが安心することができる場の整備)について掘り下げて考えていきたいと思います。

第11条(社会参加の促進)
県は、子どもの社会参加を促進するため、他の子ども等との交流の機会の提供、子どもの社会参加を促進するための仕組みの整備の推進その他の必要な措置を講ずるものとする。

第12条(子どもが安心することができる場の整備)
県は、児童館その他の子どもが安心して遊び又は生活することができる場の整備に促進に努めるものとする。

この条例を読むと、安心できる居場所とは箱ものを整備しろと言っているように見えてしまいます。子どもたちが本当に安心できる場とはどんなものでしょう。
プレパークなどの実例をもとに考えていきたいと思います。

諏訪清陵高校の校長石城先生は、以前居た高遠高校で、高校生を中心としたまちづくりに取り組んでいました。高遠の事例をもとに子どもの社会参加について考えていきたいと思います。

9月20日 9:00~
第1部は原っ子の森、第2部は原村中央公民館で開催します。
詳しくはチラシをご覧下さい。

多くの参加お待ちしております。
子どもたちのために地域でできることは何か、みんなで考えてみましょう。