Archive for the ‘教育のこと・子どものこと’ Category

諏訪圏域子ども応援プラットフォーム

土曜日, 9月 9th, 2017


*8月23日 信濃毎日新聞

8月22日に諏訪圏域こども応援プラットフォームの総会&交流会が開催されました。

貧困対策として注目を集めた「子ども食堂」ですが、帰宅後、子どもだけで過ごすことが多くなってきており、貧困の子どもだけではなく、地域で大人と子どもたちのあたたかなつながりをつくるための「居場所」が必要となってきました。長野県では、一つの場所で「食事提供」ができて、「学習支援」があって、「相談機能」もあって、「学用品リサイクル」ができるような総合的な居場所「信州子どもカフェ」の普及を目指しています。

「信州子どもカフェ」を増やしていくのには、子ども支援に関心をもつ個人やNPO・市民団体が横のつながりをもち、行政や企業と連携をつくっていく必要があります。
たとえば、月一回子ども食堂を開催している団体が4つ集まれば毎週開催になりますし、食事提供をしている団体と学習支援をしている団体が連携することで、より多様な機能をもつ居場所になるわけです。
この個人や市民団体の連携に、行政がバックアップ、企業が資金面でバックアップ体制が整えば、地域で子どもたちを見守る環境が整います。そのための仕組みづくりが、この「子ども応援プラットフォーム」です。

この「子ども応援プラットフォーム構築事業」は平成28年度に、佐久圏域と諏訪圏域の2ヶ所を先行地区としてスタート、今年度は長野県内すべての地区、佐久・諏訪以外の8圏域でも、プラットフォームが立ち上がる予定です。
「プラットフォーム構築事業」をプロポーザル方式での公募だったため、8月末のスタートとなってしましました。佐久と諏訪は、去年立ち上がっているわけですから、運営員会と随意契約でよかったのでは、、、と思ってしまいます。
行政と組むことでの良さは非常に大きいのですが、こんなところで弊害も感じてしまいます。

去年スタートしたといっても補正予算での事業であったため、とりあえず集まったといった段階でした。それから随分経ってしまったので、どれだけ集まるか心配だったのですが、総会には40団体以上、80名ぐらいの参加者がありました。
行政と市民団体による連携の必要性を感じている人が多いということだと思います。

総会のあとの交流会では、「食事」「学習」「相談」「居場所」「遊び」の5つのテーマに分かれ、それぞれのテーマごとに課題を出し合い、今後の進め方など自由に話し合い交流を深めました。それぞれに課題も多いのですが、ネットワークをつくることにより克服できることも多いのではないかと感じています。

今後ですが、子ども・子育て支援の実施団体の視察、学習会の開催、登録団体を増やし、将来的には「こども・子育て支援カタログ」を作成する予定です。

少子化なので、本来子どもたちに手厚く支援の手が差し伸べられていても良さそうですが、そうはなっていないのが現状です。核家族化が進み、社会構造の変化から”地域”が変わってきたからでしょうか。地縁組織やNPOや市民団体がつながり、地域で子どもたちを見守る新たな仕組みが必要になってきたと思います。

県の条例を学ぼう

土曜日, 9月 2nd, 2017

子どもの権利条約フォーラム2017in信州・実行委員会で、県の条例の学習会を開催しました。

長野県は、平成26年に子どもの権利条約を参酌した「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」が制定されました。
子どもの権利条約を参酌した条例の制定は、阿部知事の選挙時の公約によるものですが、県議会の反応は必ずしも積極的なものではありませんでした。権利を認めるとわがままになる、権利を乱用されたら困る、権利と義務はセットだ!など、権利についての誤った認識による意見が多数。結局、権利条例ではなく支援条例という形で、なんとか制定されました。
権利の保証=個人の尊重は、現代、民主主義の根底を成す基本原則ですから、”権利”を正しく理解していない議員が多いということは長野県民にとって大きな悲劇です。

講師にお招きした子どもの権利ネットワーク代表で早稲田大学教授の喜多明人先生は、「支援条例」であっても精神は「権利条例」であるとし、広く県民に周知していく必要性を説きました。喜多先生は、条例制定時の検討委員会「子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会」の委員長でもあります。

その精神は、基本原則として条例の”前文”に書かれています。

子どもが、生まれた時から持っている育つ力を発揮して能動的かつ自立的に活動し、自らを大切に思う気持ちを持って自分らしく成長していくことができるよう、大人は、子どもの力を信じ、支えていく必要がある。

子どもは、本来力を持っているという子ども感は、子どもの権利条約の重要な考えです。
この子ども感は、子どもの自己肯定感を伸ばし本来持っている力を出すためには重要な考えになります。いまある子どもの問題の、多くの部分の解決に影響を及ぼす考えではないでしょうか。この子ども感を中心に現在の教育や学校のあり方も見つめ直す必要があると思います。

具体的な施策は、第11条の”子どもの社会参加を促進するための仕組みの整備の促進”。子ども会議や子ども議会など、子どもの意見を反映させたまちづくりの仕組みは、それぞれの自治体が導入し始めています。第12条の”子どもが安心して遊び又は生活することができる場の整備の促進”。いま、長野県では、「食事提供」「学習支援」「相談機能」などがある、子どもたちが安心して過ごせる居場所「信州子どもカフェ」の普及を目指しています。これは第12条に基づいた施策と言えます。

そして、あまり知られていないのですが、第10条”相談体制の充実”に基づき、平成27年に「長野県子ども支援センター」が開設されました。子どものことでしたら、子どもだけではなく大人も相談できる窓口です。
相談件数は、平成27年度が1286件、平成28年度が828件。減少しているのは、いたずらが減ったためと県はみているようです。相談内容のトップは「学校関係(教師の言動、部活、進路など)」がトップ。「子育て」「交友関係」「いじめ」「不登校」と続きます。

この相談窓口の他県に無い特徴は、第18条”人権侵害の救済”いじめ、体罰等の人権侵害を受けた、若しくは受けている子ども又は当該子どもに係る保護者は、長野県子ども支援委員会に対し、救済を申し出ることができるというもので、そのことで、弁護士や心理療法士、スクールカウンセラーなどの専門家が集まった子ども支援委員会も設置しています。
開設して2年半が経ちますが、今のところ権利救済を求めてきた事例はないようです。
問題が無いということは良いことですが、このシステムがあまり知られていないという問題もあります。

きょうの信濃毎日新聞に、阿部県政の検証記事に権利条約フォーラムのことも書かれていましたので添付しておきます。
記事の内容は、条例をつくって満足しただけでは意味がない、せっかくつくった条例を活用すべきとの内容です。子どもの権利条約フォーラムを通じて広く周知できたらと思っています。

子ども支援条例の設置のための「子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会」の副委員長は、2007年に諏訪で子どもの権利条約フォーラムが開催された時の実行委員長と事務局長でした。また、子ども実行委員会に参加していた子どもたちが、子ども部会skipとして条例制定に直接係りました。前回のフォーラムが県の条例をつくりあげたといえます。

2017年のフォーラムでは、次のステップを考えています。
条例を周知し、それぞれの地域で活用していくことです。
そのためフォーラムに向けて、学習会や講演会、ワークショップなどを開催しています。
みなさんも、ぜひ、参加してください。

子どもの権利条約フォーラム2017in信州実行委員会 → HP


*9月2日信濃毎日新聞

子どもの権利とは

月曜日, 7月 24th, 2017

子どもの権利条約フォーラム2017in信州実行委員会で、子どもの権利についての勉強会を開催しました。
講師は山梨学院大学法科学院の荒牧重人教授(子どもの権利条約ネットワーク副代表)です。
さまざまな問題を、子どもの権利の視点からお話していただきました。

たとえば「子どもの貧困」の問題です。
この問題は経済面だけではなく、子どもの権利が奪われている状態であると考えなくてはいけないとのこと。健康、医療、学び、遊びなど、そういった権利が奪われている状態で、子どもの貧困の問題は、そういった権利を保障することが大事であるそうです。
平成25年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」もできたこともあり、現在、多くの自治体は対策に乗りだしました。貧困対策という形はとらず、居場所、学習支援、子ども食堂に対する支援など、総合的な権利保障という観点からの取り組みで意味のあることだと語っていました。

いじめの問題では、国では、人間として許されない行為として指導していますが、これではいじめる側、傍観する側が出発になってしまいます。その場合、いじめられる側にも問題があるという言い訳が生まれてきます。そうではなく、いじめられているということは権利侵害である。いじめの問題はいじめられている側から考えるべきとのことです。

また、子どもの権利というのは子どもだけの権利ではなく、親、保育士、教師など、子どもに関わる人の権利も保障していかなければならない。出生率の向上で成功しているところは女性の権利にとても熱心で、子どもの参画、女性の権利、子育て支援は、3点セットで考えていくべきとも話されました。

しかし、子どもの権利というと、わがままになる、とか、権利を乱用されては困るといった意見も聞きます。この意見の分かれ目は、子どもを信頼しているかどうかで決まってくるそうです。子どもの力を信じられないから、権利を認めるとわがままになると考えてしまうわけですね。
権利を保障するということは、お互いの権利を尊重するということ。わがままとは違います。
みんながわがままになれば、この社会は自由ではなくなります。お互いの権利を尊重しあうから自由でいられます。

子どもには本来、解決する能力があり、ぼくたちはその力を信じ育ちを支えることが大切だと思います。そうすることで自己肯定感も高まるのではないでしょうか。

子どもたちは、東洋大学の林先生(子ども権利条約ネットワーク事務局長)による、ゲームをつかった子どもの権利の学習会です。
子どもの権利を保障するということは、それぞれの個性を認め一人一人の存在を大切にすること。子どもたちも自分のことを肯定的に捉え、のびのびと育って欲しいと思います。

子どもの権利条約フォーラムin信州実行委員会では、これからも様々な切り口から、子どもたちの権利について考え、子どもたちの「最善の利益」について考えていきます。
一緒にフォーラムを盛り上げてくれる仲間を募集中。
詳しくは、ホームページをご覧ください。

HP http://kodomo-forum2017.chu.jp/

「子どもの権利」についての勉強会

土曜日, 7月 8th, 2017

来週の土曜日は「子どもの権利」についての勉強会です。

 日時:7月15日(土)13:0〜16:00
 場所:茅野市文化センター・学習室
 参加費:無料(申し込み不要)
 託児あり(要予約7月10日締め切り)

 おとな講演会「子どもの権利とは」
 講師:子どもの権利条約ネットワーク副代表
    山梨学院大学法科大学院教授
    荒牧重人氏

 こどもワークショップ「ゲームで考える子どもの権利」
          *対象:小学生・中学生・高校生
 講師:子どもの権利条約ネットワーク事務局長
    東洋大学ボランティア支援室ボランティアコーディネーター
    林大介氏

子どもの権利条約フォーラム2017in信州は、今年の12月2・3日に開催です。
このフォーラムを作り上げる実行委員会で、「子どもの権利」についての勉強会を企画しました。

荒牧先生は、松本市子どもの権利に関する条例をつくるときの検討委員会の委員長を務め、長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例の制定にも深く関わっています。
また、林先生によるこどもワークは、わかりやすいとの定評があるワークショップです。
よい機会ですので、ぜひ、お子様お誘いの上参加していただければと思います。

去年の法改正で、「子どもの権利条約の精神に則り・・・」と、児童福祉法の理念が示されました。子ども・子育て支援を考える上で、「子どもの権利」は、欠かせないキーワードのなりました。
子どもの支援は、地域の関わりが重要になってきた今、多くの方に知ってもらいたいと思います。

多くの参加お待ちしております。

HPはこちら http://kodomo-forum2017.chu.jp/
FBページはこちら https://www.facebook.com/kodokenshinshu/

教育勅語について

月曜日, 6月 5th, 2017

ますます右傾化する安倍政権ですが、国会で教育勅語を肯定する発言まで飛び出した時は、さすがにぶっ飛びました。心のなかで思っていたとしても普通は発言できません。過去の戦争をも肯定していると思われかねない発言だからです。それが国会で稲村防衛相、下村文科相から相次いで肯定する発言がでたことは驚くべきことで、ここまで右傾化した政権なのかと改めて思い知らされました。

教育勅語に基づいた戦前の道徳教育が、国民を戦争へと駆り立て多大な悲劇を招いた過程に、需要な役割を担ったことは間違いありません。この教育勅語は1948年、衆議院で排除に関する決議、参議院で失効確認に関する決議により、廃止が決まりました、その時、提出者の松岡駒吉氏は以下の発言をしています。

思うに、これらの詔勅の根本理念が主権在君並びに神話的國体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ國際信義に対して疑点を残すもととなる。よつて憲法第九十八條の本旨に從い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する。(抄)

憲法98条とは、憲法は最高法規であり、この憲法に反する法律、命令、勅動などはすべて効力を有しない旨が書かれています。要するに教育勅語は憲法違反だと言っているわけです。
この発言をうけた当時の文部大臣森戸辰男氏は、このように答弁しています。

昭和二十一年十月八日以後、文部省は次官通牒をもつて、教育勅語を過去の文献として取扱い、かりそめにもそれらを神格化することのないように、注意を喚起いたしたのであります。(抄)

森戸大臣は、将来濫用される危険に触れていますが、その懸念は現在の政治問題となっています。
一般の方でも「教育勅語はよいところもある」と語る人がいますが、そこにいくら真実が含まれていても、そのような見方はあまりにも浅薄であり、ことの本質を見誤っていると言えるのではないでしょうか。

教育勅語の内容で何がいけないかというと、それは戦前の道徳教育の基本となっている「愛国心」です。
国を愛することは、けっして悪いことではありません。ここでいう愛国心は、国家に反抗せず、国家を愛し、国家が定めた方針に国民が一体となって付き従うように植え付けるための道徳教育が、通底としてあることが問題なのです。
帰属集団への愛着に根ざし、政府批判も辞さない郷土を愛する心ではなく、君主制の政治システムを維持するためのものであったことは、多くの人が指摘しています。

また、「真正ノ男子ニアリテハ、国家ノ為メニ死スルヨリ愉快なることナカルベキカナ(”一旦緩急アレハ義勇公に奉シ”の解説)」といった教えは、根底に反利己主義の思想があり、ここでいう反利己主義は、利己主義対利他主義ではなく、利己主義対国家主義と言えるものだと思います。

この反利己主義というものにも疑問を感じます。
いま、無縁社会が進み、多くの人が孤独死に至ることが問題となっています。その背景にあるものは「迷惑をかけたくない」という気持ちです。「生きたい」とか「助けてほしい」といった訴えも「迷惑」や「わがまま」に捉えてしまう社会が、無縁社会をつくっているのだと思います。

経済の世界をはじめとし、利己主義が広がっている世の中で、自分のことを認めることを正当に評価されないなか、「反利己主義のおもいやり」が善としている現状に、生きづらさを感じている人は多くないでしょうか。

道徳教育のうさんくささは以前にも書かせていただきました。
               →「子どもの育ちを支えるるしくみについての一般質問

森友学園で、こどもたちが教育勅語を朗唱する姿は、おぞましいものがありました。
国務大臣が、国会で教育勅語を肯定する状況は以上です。
国会はもう一度、教育勅語を排除する決議をするべきだと思います。