Archive for the ‘太陽光発電の問題’ Category

議会オープンミーティング

月曜日, 11月 19th, 2018

富士見町議会でオープンミーティングが行われました。
テーマは3つ。

 ①太陽光発電:太陽光発電施設について
 ②防災:地震・台風など町の防災対策について
 ③議会基本条例:議会及び議員の活動の活性化と充実のために、議会運営の基礎的事項を定
  めるものです。

3つのテーマに分かれて意見交換をするものですが、ほとんどの人が①のテーマ「太陽光発電」に参加。太陽光発電のことに関しては、町内で最も関心の高いことの一つのようです。
ぼくは「太陽光発電」に参加したのですが、所用があったため冒頭に太陽光発電事業の規制をする条例の早期制定を望む発言をして退席。以下、参加した人から聞いた内容となります。

テーマ「太陽光発電」で話された主な内容は大きく3つ。中学林のメガソーラーと塚平地区のソーラーと条例制定についてです。
中学林(なかがくりん)のメガソーラーというのは、富士見高原リゾートの下にある広大な野原に財産区がメガソーラーを建設するという計画です。ぼくらが「境メガソーラー」の問題に対峙していたころからの話なので5年ぐらい前から進められている計画です。
当時は、大泉・小泉湧水のは影響がないと思われること、大規模な森林伐採を伴わないこと、治水対策も兼ねる計画のため土砂災害の問題も少ないと思われたこと、地元資本で行われる計画であること、などから特に問題視していませんでした。
なによりも開発で一番影響を受ける葛窪区の人たちが、今よりもより安全になるということから賛成したということで、ぼくらが反対するようなものではないと考えていました。
ところが、最近になって意義を唱える声が出てきたようです。朝日新聞にも大きく取り上げられました。


*朝日デジタルより

朝日デジタル → https://www.asahi.com/articles/ASLC84K0WLC8UOOB00B.html

中学林は大河ドラマや映画の撮影にも使われていたので惜しむ声もあるよですが、町のHPを見ると工事の入札の募集も締め切った状況。事業を止めるのは難しいと思います。

もう一つ、塚平のメガソーラーは犬養毅の別荘だった「白林壮」のすぐ近くに位置する場所での計画です。自然豊かな環境でこのあたりに住む人にとってはただ事ではありあません。国道にも近く、市街地からさほど離れていない場所なのでここにできれば町の風景もだいぶ変わってしまうことでしょう。

さて、こうした住民の声と条例制定を要望する意見を受け、議会としては20日の全員協議会で話し合い全員一致でああれば町に対し早期の条例制定を要請していくとの説明があったようです。町民の多くの関心ごとでもあり、ぜひとも議会として働きかけをしていただきたいと思います。

一条メガソーラーについての知事意見

木曜日, 11月 1st, 2018


*11月1日信濃毎日新聞より

今日の信濃毎日新聞に、佐久穂町で計画されている「一条メガソーラー」について事業中止の可能性を指摘した知事意見のことが掲載されました。
一条メガソーラーは最大出力78メガワット、210ヘクタールの森林を伐採して行う計画で、三重県の事業者が計画しています。

環境アセスの配慮書に対して行われたもので、
「本事業は、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域、土石流危険区域、土石流危険渓流等が存在する山地で行われる大規模な事業であり、土砂災害等による重大な影響が懸念されるため、影響を回避するよう事業計画を検討すること。また、回避ができない場合は、事業の中止を含めて事業計画を見直すこと」
と、冒頭にあります。
ほかに、森林面積が大幅に減ること。希少野生動植物が生息していること。などが書かれています。

知事意見はこちら ↓
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20181101/KT181031ATI090008000.php

計画地図をみると土砂災害警戒区域、特別警戒区域が多くその下には生活圏が広がっているので、ここに建設されるとかなり危険ではないでしょうか。
技術委員会でも、かなりかなり厳しい意見がでており知事意見は技術委員会の意見を取り入れたものと思われます。

一条メガソーラー環境アセス ↓
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/kurashi/kankyo/ekyohyoka/hyoka/tetsuzukichu/ichijo-oohinata/ichijo-oohinata.html

環境アセスの「配慮書」とは、事業の実施段階で行われる事業アセスの前の段階に行われるもので「戦略的環境アセス」ともいわれています。環境アセスは事業実施を前提としており、準備書 → 評価書 → 報告書 と進みます。事業実施直前の段階で行われる「事業アセス」のため調査はしますが大きな事業変更は難しく「環境アスメント」などと揶揄されています。

それにくらべ「戦略的アセス」は事業実施の早い段階「戦略的意思決定」の段階で行われるもので、事業実施の可否も含めて行われます。2011年に国の環境影響評価法に導入され、自治体レベルでも東京都や埼玉県など導入が進んでいます。
長野県は平成28年の条例改正により導入されました。
「配慮書」の段階のため、このような厳しい知事意見も出たのではないかと思います。

諏訪地域で大きな問題となっている「四賀ソーラー」ですが、残念ながらこの「配慮書」は行われませんでした。平成28年の条例改正は2段か行われ、1月に太陽光発電事業、風力発電事業などを事業対象に、10月に「配慮書」の導入のためです。四賀ソーラーを計画しているLooop社は条例改正前に事業に入ることもできるところを敢えてアセスを行っているため、仕方がないことですが「配慮書」からのスタートでしたらもう少し違った動きになっていたかもしれません。

さて、一条メガソーラー。
厳しい知事意見を受け、今後どのようになるのでしょうか。
興味深いところです。

霧ヶ峰の地質の特徴から四賀メガソーラーを考える

火曜日, 10月 30th, 2018

信大理学部特任教授の小坂先生による講演会に参加してきました。
お題は「霧ヶ峰の地質の特徴から四賀メガソーラーを考える」
主催は「米沢地区Looopソーラー対策協議会
小坂先生には、境メガソーラーの折には大変お世話になりました。

小坂先生の専門は地質学。長野県に来て50年、真っ先に調査をしたのが霧ヶ峰から美ヶ原高原にかけて10年近く歩き回ったそうです。霧ヶ峰の地質の関しては一番詳しい地質学者といえるかもしれません。

霧ヶ峰の地質の特徴は、火山活動の産物である溶岩などの噴出物でできており2000m近い高地にもかかわらず、比較的新しい時期の溶岩が広く分布しているため日本でも特異な溶岩台地の地形。この辺りは昔から鉄平石の産地なのですが、この鉄平石も代表的な溶岩だそうです。

さて、小坂先生はLooop社が出した調査結果に対し問題を指摘しています。

1、ボーリングが計画地内のみ16本。溶岩層の広がりを知るうえで不十分
2、掘削深度が10m程度と浅く、溶岩層の累重関係を知るうえでは不十分
3、断面図は、縦方向をかなり誇張して作成した模式図でしかない
4、計画地から大清水水源方向への断面図がない
5、地下水の流れについて根拠データが示されていない
6、断面図に誤りがある

Looop社は調査結果から、水の涵養域を狭く限定的に考えていることや、計画地内の地下水の流出方向も限定していることを問題視し、Looop社の調査資料をみても、計画地から大清水湧水へ水が流れていないとは判断できないとしました。
大清水湧水は、たくさんの人が生活水として利用している大切な湧水です。

また、横河川や桧沢川の下流は扇状地が形成されているため、地震や豪雨による斜面崩壊は将来必ず起こると考えるべきでメガソーラーの建設はリスクを大きく高めるものとして警告をしました。

最後に防災についての4つの考え方を示していただきました。
まずは自然の成り立ちを正しく理解すること。生まれ育った大地、住んでいる土地に科学の目を向けなければなりません。そして「自然災害」についてもよく知ることです。特に過去の災害事例は謙虚に学ぶ必要があります。3番目に「災害」を恐れること。技術を過信せず、制御不可能な自然の力を恐れる必要があります。最後に「自然災害」に、長期戦略を立て、短期戦術で備えることが必要だと教えていただきました。

やはり、防災や飲み水、景観、どこからみても、あんなとこころにメガソーラーをつくることは良いことがありそうもありません。

米沢地区Looopソーラー対策協議会では、反対署名を募っています。
現在、3万6000ぐらい集まったとか。

ネットでも署名集めているようです。
もうじき締め切りです。
よかったらご協力お願いします。

ネット署名 → 土砂災害が日本中で起きているのに…。 絶対にいらない!長野県 霧ヶ峰
        高原の下 大自然の中に超大規模ソーラー発電所!

麻績村の条例

日曜日, 10月 21st, 2018

富士見町議会が主催で麻績村長の講演がありました。
麻績村は太陽光発電施設の規制を含めた条例を制定しました。100㎡以上の施設の開発は原則同意しないという厳しい条例を施行したことで注目を集めています。
富士見町長の議会での「規制を含めた条例について、調査・研究をしていく」という発言を受け、議会でも勉強をしていこうということになったようです。

麻績村は松本・安曇野の北に位置し南に向かってなだらかな斜面となっていることもあり太陽光発電の適地となっています。ぼくも以前麻績村に宿泊したこともあるのですが、自然豊かな美しい村です。

適地ということもあり急激な普及、環境破壊や災害の問題、住民と事業者のトラブル、住民同士のトラブルが発生し条例をつくり対応することにしたとのこと。
農地等への設置相談が急増し、太陽光パネル設置による土砂流出に対する苦情、議会でも一般質問があり、同時期に村を代表する絶景地への設置計画を察知したことで、臨時議会で条例案を議決、条例制定作業から20日間の迅速な対応で条例制定となりました。

ポイントが高いのは戸井洋行発電施設用地への宅地並みの課税です。1000㎡で約32000円になるということで、抑制力になっているそうです。

弱点もあります。
憲法第29条の財産権の不可侵に抵触する可能性です。このことは「公共の福祉」優先で対処するということです。
そして「強制力がない」ということです。この部分は地権者や住民力に頼るというものです。法的な強制力がなくても、地域の住民が自分たちの美しい村を守っていくという意識の高さで防ぐことができるといいます。
そして、「罰則がない」ということ、罰則がなければ無視される恐れもありますが違反したものは、HP等で公表することで抑制していきます。企業は信用が大事なので違反者として「公表」」されることは企業イメージにダメージを与えます。

さて、条例を作ったその後ですが、問い合わせは多いものの開発行為の申請までに至ったものは2件しかないということです。1件は100㎡を超えないもの(もともとは屋根の上に載せる予定だったもの)は同意。1件は地域住民の反対で同意にはならず太陽光発電施設が設置されることはありませんでした。

法的はテクニカルな問題はいろいろあると思いますが、まずは条例をつくることで住民や事業者に村の姿勢が伝わり抑止力につながるのだと思います。

条例まで20日でのスピード制定は、麻績村長の強力なリーダーシップによるもののようです。調査・研究も良いのですが、太陽光発電の問題が顕在化した今、富士見町でも一日も早く条例制定をすべきではないかと思います。

九州電力・太陽光発電出力制御へ

月曜日, 10月 15th, 2018

九州電力は、13日~14日に太陽光発電の出力制御を行いました。需要に比べ電力の供給のほうが大幅に増える恐れがあるということで、太陽光発電事業者の一部に電気の供給を一時ストップを要請するものです。
電力の需要と供給のバランスが崩れると大規模停電の恐れがあります。このことは先日の地震を発端とした北海道のブラックアウトで多くの人に知られることになりました。
これは電気の性質上仕方がないことです。
ベイブリッジやレインボーブリッジなど、燦爛と輝くネオンをもったいないなんて思ってはいけません。あれは昼間の需要に合わせた電力量を、夜行き場のない電力の消化に充てているのです。


*資源エネルギー庁HPより

電気の需要は1日の中で大きな変動があり、また、1年を通しても大きな変動があり、電力会社は日々その調整に努めています。冷房や暖房を使わない春や秋は重要が減りますし、正月やゴールデンウィークなどの大型連休は企業や工場の休業でも電気の需要は大幅に減少します。

今回の出力制御は強制的なものですが自然発生的なものもあります。
電気も水と同じで高いところから低いところにしか流れません。需要が増えると電線内の電圧は上がり、需要が減ると電線内の電圧は下がります。よく家庭の水道を例に取り上げられるのですが、お風呂にお湯をためているときはキッチンの水道の勢いがなくなります(需要の増加・水圧減)。お風呂のお湯を止めるとキッチンの水道に勢いが戻ります(需要の減少・水圧上昇)
家庭からの売電は107vの上限が決められていますから、需要が減って電線内の電力が107v以上に上昇すると電気は流れなくなるのです。
これを電圧上昇抑制、出力抑制などといいます。電気事業者ならだれでも知っている基本的な仕組みです。

さて、この九州電力の出力制御に対し「再エネの減退・原発推進」と批判の声があるようですが、非常に違和感を覚えています。
自然環境によって発電効率が大幅に変わる太陽光発電はベースロード電源にはなりえません。需要が減った場合の抑制制御の対象になるのは当たり前のことです。原発反対と再生可能エネルギーを結び付けて考えている人は、太陽光発電の推進とともにベースロードと成りえる地熱やバイオマスも同時に推進すべきだと思います。


*資源エネルギー庁HPより

そもそも最初からFIT法に出力制御について書かれているにも関わらず批判している事業者にも?を感じます。
上記の記載は平成27年度のFIT法改正によるもので360時間ルールと呼ばれています。平成27年前は出力抑制の規定は無かったかというとそうではありません。年間30日を上限に、無補償で出力を抑制するよう要請できるルール(30日ルール)がありました。ちなみに平成27年以前に運転を開始した事業は30日ルールが適用されます。

出力抑制はFIT法が制定されたときからあるわけで、ですから出力制御の批判的な記事を見るとなんだか的外れな気がします。
事業者は出力抑制をリスクとして事業計画に盛り込むべきであり、最初からあった契約内容を遂行したからといって文句を言うのはおかしいし、そもそも地域の大事なインフラ事業を担っているという意識が薄いのではないかと考えてしまいます。

FIT法は、儲かるビジネスを創造するためにあるのではなく、高コストの再生可能エネルギーを支えるためにある仕組みだということを忘れてはいけません。そのためには安定した電力の供給のための仕組みに従うことは当然のことであり、自分たちは地域の大切なインフラを担っているという意識を持ってもらいたいと思います。