Archive for the ‘井戸尻のこと’ Category

考古館事業についての一般質問

木曜日, 9月 11th, 2014

RIMG0006

9月議会では考古館事業についての一般質問を行いました。

①井戸尻史跡公園の蓮の花が少ない、公園全体が雑然としているなどの苦情を聞くが、
 町や考古館に寄せられた苦情はどのくらいあるか。また原因は何が考えられるか。

教育長・・・今年度になって4件の苦情があった。
      内容は蓮の花のつきが悪い、草刈りなどの管理が行き届いていないなど。
      
      蓮の管理は例年通り、株の間引き、施肥、消毒など行っているが、何故か花のつ
      きがわるい。気候、降雪などの環境の影響も考えられるが、専門家と話しても原
      因はわかっていない。専門家の意見を聞きながら来年は多くの花を咲かせたい。

      草の成長度合いにより、現在のシルバー人材センターへの委託だけでは間に合わ
      ないこともある。また職員は発掘業務などの作業のため、公園管理が間に合わ
      ないこともあった。
      業務の調整や人員の確保をして公園環境を整えていく。

②総合計画目標4の政策6「町の歴史と人々の生活、文化遺産を学ぶ環境を整備します」
 の予算が年々減少している。特に人件費の減少が目立つが政策達成に支障はないか。

教育長・・・県営発掘事業の終了に伴い、この2年間で2名の臨時職員が減っている。
      このことにより、民俗資料館の窓口業務に一部苦慮する面がある。
   
      また遺跡発掘後の調査報告書の作成には、トレースなどの技術習得した熟練の臨
      時職員の安定的な雇用が必要。

      公園管理も安定的な委託が必要で、考古館職員が報告書作成など、本来の業務に
      専念できるよう臨時職員の計画的な雇用が望ましい。

③井戸尻遺跡事業を町の事業としてどのような位置づけで考えているか。
④第5次総合計画のなかで井戸尻考古館をどのような位置づけに考えているか。

教育長・・・町の財産・宝であることから、関係機関と連携し、後世に伝え残すべく縄文文
      化の啓発や、遺跡・出土物の調査・研究、保存、観光などへの活用を考えていく
      ことが重要だと考える。子どもたちへの教育にも生かしていきたい。

                        
⑤文化財事業に対し、予算執行者としての町長の考えは。

町長・・・・井戸尻には重要なものがあるということは認識し、発展ための努力をしてきた。
      今後とも多くの国の重要文化財を発掘し調査・研究をしていただきたいと思う。
      その結果を地域の子どもたちに伝える教育をしていただきたい。井戸尻は富士見
      の宝であり、守り、PRしていきたいと考えている。

.
.

蓮の花が小さい、井戸尻史跡公園全体が雑然としている。そんな意見を多くの人から聞き、調べたところ、考古館事業の経費が年々削減されていることがわかりました。
考古館事業は遺跡の発掘事業があるかないかで経費の増減があり、いままで気がつかなかったのですが、特に人件費に関わる経費の削減がされています。

以前は正職員4名と臨時職員2名で運営していたところ、いまは正職員3名、臨時職員1名で運営しています。
この職員たちが、井戸尻考古館の管理運営、歴史民俗館の管理運営、史跡公園の管理、発掘事業、報告書の作成などの研究事業を行っているわけですが、以前は臨時職員含め6名で運営していたことを、いまは臨時職員含め4名で運営しています。
普通に考えても、これだけの仕事を4名で運営するのはムリがありますよね。

遺跡というのは文化財保護法のもと管理されています。保護をするのが目的で、発掘は保護ではなく壊してしまうという認識のもと、発掘した場合は後世に残すために丁寧な報告書を作成することが義務となっているそうです。

教育長の答弁にある「トレースなど習得した熟練の臨時職員」というのは、この作業ができる職員という意味です。この報告書は図書館にあるので、ぜひ手に取ってみてください。
内容は素人には難しいかもしれませんが、中に書いてある土器や石器のイラストはとても美しく、なんだかわくわくしてきます。

発掘事業もそれなりに熟練者の確保が必要なようで、以前は公園の草刈りも委託事業ではなく、いざとなったら発掘事業に従事できる人たちを確保できるように、そのひとたちに公園の管理をお願いしていたようです。おおらかな時代だったということかもしれませんが、現在ではこうした発掘のベテランボランティアも少なくなってしまい、発掘現場の指揮をとる正職員(学芸員)は公園管理や窓口業務におわれ、いざ発掘事業が入っても対応できる体制か疑問に思います。

そこで現在の人員体制で井戸尻遺跡を守れるかを聞いてみました。

教育長・・・現状ではあちこちに無理がかかっている。現在学芸員は3名だが、そのうち一人
      は歴史民俗資料館の窓口業務をやっている。考古館の方は館長とまだ独り立ちで
      きていない新人との2名体制。こういったなかで作成しなければいけない報告書
      がたくさん残っている状況。苦しい現状である。

町長・・・・これまで考古館の予算についての議論はなかった。井戸尻考古館は学術施設とし
      て優れており、土器をはじめとした貴重な出土品を保存し、調査・研究して後世
      に残していくことが必要。
      そのために必要な費用は精査し対応していく。

.
.

井戸尻考古館の設置は、昭和30年代に井戸尻遺跡が発掘され、一大ブームを巻き起こした事がきっかけで地域住民による井戸尻遺跡保存会が立ち上げられ、広原財産区からの寄付を受け設置されることになったそうです。
多くの地域の人たちが携わり、地域の人たちの思いのつまった場所です。

諏訪の誇る考古学者藤森栄一氏の意思を受け継いだ誇るべき研究施設でもあります。

大変な時代でも、こういった施設を守ることが町をはかる尺度になると宮崎駿さんは「甦る高原の縄文王国」の中で述べています。

ぼくたち富士見町民の誇りであり宝である井戸尻考古館。
しっかり守る体制を整えていくべきだと思います。
                         

9月議会が始まりました。

木曜日, 9月 4th, 2014

本日から9月議会が始まりました。

今議会は決算の認定、子ども子育て支援法の施行に伴う条例が主な議案で全部で13議案といつも(20~35ぐらい?)よりだいぶボリュームが少ない議会です。

.

今回に一般質問は

考古館費について

①井戸尻史跡公園の蓮の花が少ない、公園全体が雑然としているなどの苦情を聞くが、
 町や考古館に寄せられた苦情はどのくらいあるか。また原因は何が考えられるか。

②総合計画目標4の政策6「町の歴史と人々の生活、文化遺産を学ぶ環境を整備します」
 の予算が年々減少している。特に人件費の減少が目立つが政策達成に支障はないか。

③井戸尻遺跡事業を町の事業としてどのような位置づけで考えているか。

④第5次総合計画のなかで井戸尻考古館をどのような位置づけに考えているか。

                         答弁者:教育長

⑤文化財事業に対し、予算執行者としての町長の考えは。

                         答弁者:町長

ここ2年ぐらい井戸尻史跡公園の管理についての意見が聞かれるようになりました。
原因はどこにあるのでしょうか。
考古館は教育行政なので教育長に、予算に関わることは町長に質問します。

.

9月8日 3番目11:00頃からの予定です。

他の議員の一般質問はこちらです。
http://www.town.fujimi.lg.jp/uploaded/attachment/10814.pdf

お時間ある方は、ぜひ議場まで足をお運びください。

藤内遺跡出土品展

木曜日, 4月 11th, 2013

高原ミュージアムで開催している藤内遺跡展にいってきました。
この日は井戸尻考古館の樋口館長のギャラリートークです。

藤内遺跡の出土品というのは12月議会で可決、購入することが決まったものです。

八ヶ岳山麓のの縄文土器は立体的で豪放華麗。
他の地の土器とは一線を画すものだそうです。
一般的に縄文土器は縄目がころがっている土器といわれています。しかし八ヶ岳山麓のものは、ごつごつとして縄目がころがっているというものでもなく、他とはちょっと違うのだ。

どこが違うかというと蛙だったり、蛇だったり、人とも蛙ともつかないような像、神の像?あと水中の動物だとしかわかってない山椒魚文といわれる文様があります。

ただ装飾が派手なものばかりではなく、文様が少ないのっぺりした土器もあります。その違いは何かというと、祭事に使われていたものと実際に調理に使っていたもののちがいだそうです。

この頃何を食べていたかというとアワ、アワ、キビなどの雑穀を栽培して食していました。打製の斧や石包丁、調整製粉石臼などが見つかっているため、わかったようです。

煮炊きすると考えた場合、底が狭く高さがあるのは非効率ではないかと会場からの質問に。

土器はどんな形でも温まりにくいが冷め難く、一度沸騰するといつまでもグツグツいっているということが前提に、当時は住居の真ん中に火を焚く場所があり、家を助成と考え、土器を男性のシンボルに例えると生殖の意味で生命の誕生を表していたのではないか。という回答。

以前、梅原猛がなんかの本でストーンサークルのついて同じようなことを言っていました。
食と生命の誕生とを関連して考えることは、何となく納得です。

さて樋口館長が豪放で華麗と言ったこの文様の意味は、時間がなくさわりだけ話して頂きました。月の満ち欠けやヒキガエルやヘビ。縄文人の死生観が現れているようです。
このことは「甦る高原の縄文王国」に詳しい。

実はこういった縄文人の精神世界まで捉えようとしている井戸尻考古館は学会では異端。

でも人間はある日突然文明を手に入れたのではなく、自然の中で生活するために様々なことを考えるなかで、いろいろな技術を考えだしてきました。
スティーヴン・ミズンの「心の先史時代」によると石器を作ることで脳が発達し、心も進化していったといいます。

4,5000年前の人達が何を考えていたかを考えるのは、なんだかたのしい。
もしかしたら自然との関わりは、今よりもずっと賢かったかもしれないね。

ヒエやアワなど雑穀や豆を栽培してたなんてのも異端だ。
諏訪が誇る考古学者藤森栄一さんがはじめた縄文農耕説は最近は認められはじめたけど、やっぱり異端。

井戸尻考古館の面白さはこんなところにあるのだ。

藤内遺跡出土品展は12日(金)まで。
ブログ書くのモタモタしてたらあと2日になってしまいました。

でも大丈夫。
4月16日から5月31日まで井戸尻考古館で全品みることができます。

樋口館長の面白い話聞けるかもよ。

藤内遺跡 土器・石器購入

火曜日, 12月 11th, 2012

今定例会で、個人所有の藤内遺跡出土の土器・石器231点を1500万円で購入することが議題に上がりました。

八ヶ岳山麓にある富士見町は、井戸尻、曽利、藤内など多数の縄文時代の遺跡があり、これらをまとめて井戸尻文化と呼んでいます。
ぼくのfacebookページのカバー写真は井戸尻遺跡。井戸尻遺跡の目と鼻の先にある井戸尻考古館は曽利遺跡だそうな。
素人にはよくわからないけど、すぐ近くにあっても遺跡の名称はは細分化されているようです。

藤内遺跡というのは烏帽子地区を中心とし、昭和28年頃から発掘が始まり、有名な考古学者藤森栄一さんの講演をきっかけに、近隣の住民が自分たちの手で発掘し保存管理して来た歴史がある。
このことは井戸尻遺跡の発見にも繋がり、井戸尻考古館ができるきっかけにもなった。
いま、あちこちで縄文ブームだが、富士見町は何年も前から住民の手で縄文文化を守ってきたことになる。アカデミックな立ち位置ではなく、住民の手で自分たちの歴史を守って来た事は非常に大きな事だと思う。

このような状況だったので当時、遺跡発掘に熱心だった個人が土器・石器を所有している事は不思議な事ではありません。今では法律で土器や石器を見つけても個人の所有物にはなりませんが、今回購入するんものは、それ以前の物です。

購入に当たり、文化財なのだから購入ではなく、寄付させるべきだ。という声があったようです。

それについて担当課は

”当時は土器や石器に今のような価値もなく、個人が発掘し、今まで大切に保管して頂いた事は感謝に値する。”

今回購入する土器・石器を鑑定に出したところ、いずれも3000万円を超す金額を提示しました。1500万円で売ってくれるというのは良心的なことで、藤内遺跡の貴重な文化遺産を散逸させず、富士見で保管できる事は、これから研究を進めていくためにも必要な事だと思います。

以下の賛成討論をしました。

井戸尻文化は富士見の誇るべき文化遺産。
また富士見町の総合計画には、町の目指すべき姿として
「世界に開かれた高原の文化都市」とある。
町として購入し、大切に保管。
さらなる研究に活用して頂きたい。

全員一致賛成で可決されました。

どんなに大変なときでも、こうゆう事にお金をきちっとかける事が大切ではないでしょうか。

今回購入を決めた土器には国宝級の物が多数あり、なかでも「双眼五重深鉢」は息を飲むものがあります。
現在考古館にて展示中。

藤内から発掘された土器は、数ある縄文土器の中でも異彩を放っていることで有名。
月の満ち欠けだったり、蛇や蛙、考古館ではその文様に隠された思想を研究しています。考古館に行くと喜んで説明してくれますよ。

ぜひ一度足を運んでみましょう。