Archive for the ‘パノラマのこと・入笠のこと’ Category

大阿原湿原

月曜日, 8月 6th, 2012

入笠の植栽した花々の状況を見に、植物の先生と一緒に入笠山へ行ってきました。パノラマの植栽事業の状況をチェックするためです。
まずは入笠山の南にある大阿原湿原に行きました。ここは富士見ではなく伊那市、国立公園です。

標高1800メートルで窪地だと、細菌が少なく植物の遺体を分解する能力が落ちるので少しずつ層になっていく。この層は1年に1ミリぐらいで、この層が厚いのが高層湿原と言われている。ちなみに霧ヶ峰の八島湿原は8メートルの層(8000層)の高層で有名。
湿原は北海道からあるのだが、低地では分解が早いので高層にはなりにくく、南アルプスは植物の生産能力が低いので高層湿原は無い。この大阿原湿原は高層湿原の日本最南端なのだ。八島湿原ほどの高層ではないが、ここだけにしかない苔もあり、学術的にも貴重な場所。

1800メートルから上は植生ががらっと変わる。モミの木は肌の色が白く「シラビソ」と呼ばれています。
この日は天気もよく、辺り一面を綿毛をつけたサギスゲがきれいに咲いていました。

湿原というのは栄養分が少ないため、植物にとっては過酷な場所。このモウセンゴケは虫を捕まえる食虫植物。先っぽをなめると甘い。この甘さで虫を誘う。分解が遅いため、当然土のなかには栄養が無い、だからこのような苔が生息する。

湿原というのは、植物の生産量と死んでいった植物の分解量の、微妙なバランスで成り立っている。しかし湿原は少しずつだが土地は肥沃化していき、陸地化していく運命にある。陸地化が始まると白樺が入り、ズミが入り、コナシ、モミが育つようになり、この大阿原湿原も1000年から5000年の間には完全な陸となってしまうそうです。最近入笠湿原の水量が少なくなったと言われているのは、陸地化が原因。
湿原というのは大地の歴史のなかでは、ほんの一瞬の現象でしかなく、大切にしなければいけないのだ。

人の手があまり入っていないこの湿原はホントに気持ちの良いところだ。群落ではないがサギスゲ、サワギク、ウツボグサなどが所々に咲いている。木で作られた歩道は歩きやすいようにでもあるが、湿原を荒らされないようにするためのものらしい。自然公園を管理する場合、そこをどういった場所にしようという考えでずいぶんお金の使い方が違ってくる。

次回は入笠御所平のお花畑へ。

パノラマ決算

月曜日, 6月 18th, 2012

全員協議会にてパノラマ(開発公社)の決算の説明がありました。

営業利益スキー場9200万円、本社4400万円。計1億3600万円

営業外費用は、公益法人制度改革にともなう公益社団から一般社団に移行するにあたり準備していたところ、借地権というのは99%以上昭和60年開所当時のゲレンデの造成費ということがわかり、繰延資産として償却資産に変更。金額にして5億4100万円。今年から12年かけて償却。今年度は約8700万円。

特別損失は再生特別費として1億2000万円(税抜き1億1400万円)
再生特別費?
これは町に対しての返済。支援策として町がパノラマの施設(上モノ)を買い取り、パノラマが賃料として払わなければいけないモノ。この支援策(上下分離方法)が決まった時は2億3000万円払わなければいけなかったんだけどねえ。
施設を買うために町は借金をして返済するために観光貸付特別会計を設置。パノラマが払えない分、町が繰り入れている。24年度は1億6000万円。
再生特別費って項目は違和感を覚えます。

最終的にスキー場9000万円の赤字、本社4500万の黒、計4400万円の赤字。

東急リゾートの役割は?の質問に
「スキー場の運営、職員の教育、マーケティング」
町長は3月議会でパノラマだけではなく町全体のコンサルだと言ったのに。。。ちなみにコンサル料2400万円は町が出している。

来年度の予算は昨今の厳しいスキー事情を考えると来客数も売上もほぼ前年並みとのこと。
今年度はスキー場の来客数5500人増、売上も5%upで5億4000万円。
グリーンシーズンは119%で1万2000人増、売上は1億8100万円。
トータルで7億2200万円の売上。23年度目標の7億1800万円はクリア、でも24年度の売上目標は7億6500万円、なんか足りない。来客数の目標は30万人のところ現在26万人。
以前の支援計画では8億以上の売上を見込んでの支援策。いかに見通しが甘かったかが伺える。更なる投資がないように監視していかなければいけません。

超高齢化社会に向かうなか、町がやるべきことは福祉、医療の整備、いかに産業化し雇用が生まれるようにするかではないだろうか。この先、世の中の需要、町民のニーズは何かを考えば当然のこと。
マスに働きかける富士見町の観光戦略はバブリーで時代遅れ。観光にはPRに力を入れ、観光資源を壊さず次世代につなげることが大事。いまパノラマに無駄な投資が多過ぎる。

今年度の営業方針は
・マウンテンバイクの新コースの開発
・入笠山3カ所の一括管理
・マイカー規制の強化
・スノーマシーンの活用で例年よりも1週間早いゲレンデオープン
・安全の徹底
・新プログラム開発

入笠山3カ所の一括管理というのが気になる

湿原地帯、御所平は去年より産業課がシルバーを使って管理している。町の投資はゴンドラ山頂付近のみで、他の2カ所は緊急雇用創出事業をつかったものでパノラマに管理委託して、雑草の管理や外来種の駆除などの管理をするとの説明。ゴンドラ山頂付近の作られたお花畑とは分けて考えているとのこと。

いっしょに考えてもらっては困ります。荒らされないように監視していかなければ。。。

平成24年度一般会計予算の修正動議

土曜日, 3月 17th, 2012

一般会計予算に対して4名連名で修正動議を提出しました。パノラマ強化補助金2000万円を削除、パノラマ植栽事業をストップさせるための修正動議です。

この問題は前議員のエンジェル千代子さんから受け継いだものです。もちろん先輩議員が取り組んでいた事だけではありません。有機農業をやるものにとっても大自然の中に外来種を植えるなんて許しがたい行為だからです。
ぼくの農業のやり方は耕さずに草を刈って種をまく方法です。なるべく自然に近い形で栽培をして虫や病気から守る考えからです。なかなかうまくいかないのですが、そこで自然から多くの事を教わりました。最初は強酸性に強いヨモギ、ススキ、メヒシバなどが植生、栽培を続けていくとスギナなども混ざってきてアカザやシロザ、イヌノフグリなどに変わっていきます。このことを遷移といい、自然はゆっくりとした時間をかけて変化していきます。昔から日本人は自然の大きなうねりの中で共存して生きてきました。同じ山のてっぺんに守るべき自然のとなりで観光戦略のために外来種を植えるなんて近代合理主義の考えです。

反対する理由は予算特別委員会で反対したのと同じ理由。
趣旨説明のあと質疑応答、討論。
”前議会が承認した事を尊重すべき”この意見には幻滅してしまった。過去の議会で議決した事、自分たちの議会で議決した事、ぼくたちはたえず検証し、間違っている事がわかったら修正していかなければいけない。でなければ4年に一度選挙をやる意味は全くなくなってしまうのだ。

結果は賛成5反対5で同数。議長判断で修正動議は否決されました。

印象に残った討論は、既に着手、それなりの効果もあるので続けるべきと修正動議には反対としながらも、プロジェクトメンバーから聞いた話を紹介し、この事業が自然体系に影響を及ぼし環境破壊になる事が認められた場合直ちにやめるように条件をつけた議員がいました。

プロジェクト会議参加の植物の先生の意見

・外来種であるドイツスズランは現在あまりにも多すぎる。すでに広範囲に植栽されているが、さらに5万株。どうしてそこまでドイツスズランに執着するのか。わからない。

・カタクリについて2年くらいは花が咲くが、その後の事はいささか不安がある。しかし以前カタクリが自生していたという話も聞く。ただカタクリの苗はあまりにも高すぎる。今までに植栽したカタクリの咲きぐあいを見て増やせば良いのではないか。

・コオニユリはこの地のコオニユリと違って茎は太く葉が長過ぎ葉が密生していて園芸品と思われる。野生のコオニユリとは明らかに違う。

・シモツケ、富士見にあるものとは違って色が赤過ぎ、野草に似合わない。

・サワギキョウ、どこに植えるのか?湿地を好む植物である。

・相対的に一度に大量に植木を植えているが、もう少し長いスパンで様子を見ながら植栽をした方が良いのではないか。まは区画し、そのなかに同じ種類の花をぎっしりと植える現在のやり方”箱庭方式”には植物に造詣が深いものから見ると、なんともこっけいなテーマパークに見えるものである。

・この付近には牧草、ススキ、ヨモギ、ササなど雑草が非常に多い。それをこまめに取り除く事が大切である。そのことにより昔生えていた植物が芽生え、昔の状態に再生できる。ヤナギラン、スズラン、エゾカワラナデシコ、クガイソウなど。

なぜこれで反対?といことは置いといて、この意見は議場にいる全ての人の心に残ったのではないだろうか。この発言が会議録に残っただけでもこの修正動議は無駄ではなかったと思います。

今後議会としてできる事はこれ以上環境破壊にならないように監視していく事。そして、この3年間で1億6000万円使われた事業に対して評価をしていきます。

予算審査特別委員会で産業課の予算に対し反対しました。

火曜日, 3月 13th, 2012

一般質問の次の日、予算審査特別委員会が開かれました。
一般質問のとき、東急リゾートはパノラマだけでなく町全体の相談にのってもらっている。とのこと。
ちょっとまてよ。町にはABCというコンサルがいるではないか。東急リゾートには2400万円、ABCには580万円(緊急雇用創出 特産品販路拡大)
全部でコンサルに3000万円も払っているのだ。東急リゾートがパノラマだけでなく、町全体見るならABCはいらんでしょ。3000万円もコンサルに払う効果はあるのでしょうか?

産業課
ABCさんは特産に特化して相談にのってもらっている。それなりの効果はある。

昨日聞き忘れたので聞いてみました。パノラマ植栽事業について沢山の質問を用意していたのだが、ひとまず他の人に譲り、後で質問しようと思っていたら時間切れで終了。なんちゅうお粗末な会議。じっくり審査するための特別委員会なのに。。。

質疑できないまま討論。植栽事業に反対の立場で反対討論

1、2000万円投資した効果が見えない
  予算の中の2000万円は大きい。有効な使い方をするべき。」

2、事業計画に疑問がある
  カタクリなど適地でない植栽が多い。

3、観光戦略として間違っている。
  生物多様性、持続可能な社会と云われている今、時代に逆行している。
  ぼくは山のてっぺんにお花畑なんか見に行かない!

4、外来種を植えることは環境破壊だ
  プロジェクト会議のお墨付きだと行っているが、メンバーの意見は反映されていない。

町の有識者で構成されるプロジェクト会議はみんなボランティア。メンバーの意見が通らないなら議会が止めるべき。

ぼくたちは震災を経てお金よりも大切なものがあることを知ったはずだ。目先の経済性で入笠山の自然を破壊してはいけない。

結果は賛成6反対3 惨敗です。

パノラマ植栽事業についての一般質問

火曜日, 3月 13th, 2012

入笠山は冬はスキー場、グリーンシーズンは近くの入笠湿原をはじめとした御所平、大阿原湿原などに様々な山野草が咲く花の宝庫。特に日本スズランの群落はとても有名だ。日本スズランはドイツスズランに比べ花は小振り、葉っぱの下に謙虚に咲く姿はとてもかわいらしく、富士見町の町花にもなっている。
富士見町は入笠山にあるパノラマスキー場ゴンドラ頂上付近にお花畑を作っている。なんと日本スズランの聖地に見栄えがいいからといってドイツスズランを植栽しているのだ。

 ”なんちゅうセンス!”

実はこの三セクのスキー場、バブル時には好調。増設したのが失敗、その後のスキー離れから経営は悪化、これまでに何度も町が援助し、2年前には10億の町の貯金を投入。
このパノラマ植栽事業は22年度から3年間をかけた事業でパノラマ強化補助金として総額1億6千万円を投入。ゴンドラ山頂公園関係では22年に5400万円、23年度2000万円、今年は最後の年で残り2000万円を使って補殖をする。グリーンシーズンも観光客でいっぱいにしようという戦略だ。

そこで3月議会でその事を一般質問で取り上げました。

パノラマ植栽事業について
①パノラマ強化事業を始めて2年が経過したが1億4000万円投資した効果は。24年度さらに2000万円投資する必要はあるのか。
②入笠湿原は県環境保全地区に指定されているが植栽事業の影響はないのか。

まず事業評価についてだが、町長の答えは来客数は増加。去年より20%増えている。売り上げも上がり今まで払えなかった家賃も22年度は5000万円、23年度7000万円、来年度も7000万円払えるようになった。

このスキー場、平成14年の支援策で上下分離方式というのをとっており施設など上物は町が買い上げ、毎年家賃として町におさめてもらうことになっている。その家賃は本来2億3000万円。その家賃も払えないので2年前10億を投入、借金を前倒しして金利を圧縮、町にきちんと支払いができるようにした。
ということで植栽事業の効果として家賃が払えるようになったというのはちょっとおかしい。

で、24年度は実際パノラマにいくら使うのか?

一般会計でパノラマ強化補助金2000万円、東急リゾートへのコンサル料2400万円、観光貸し付け5000万円、特別会計で2億8000万円。

家賃が払えているっていってもこれだけのお金を投入しているんだよね。

では、2番目の環境破壊になってないかという質問。
この植栽事業は様々な問題がある。山のてっぺんに外来種であるドイツスズランを植えるのはもっともだが、適地ではないカタクリの植栽も問題。カタクリは標高800〜900mが自生地。このお花畑は標高1800mもある。それにカタクリという花は種が落ちてら花が咲くまで8年ぐらいかかる。ゆっくりゆっくり地下で育ってやっと花が咲く。だから園芸種には向かず、活着しても3年ぐらいで消えてしまうのではないかと云われている。

さてこの問題に対して町長の答弁はいつも町の有識者で構成するプロジェクト会議のメンバーの承認を得ているという。
実は去年議会でプロジェクトメンバーを呼んで意見を聞いた事がある。その議事録を読むと

・植える物は本来入笠にあった物にすべき、外来種は良くない

・植える物は入笠に自生しているものが良い。それにはマツムシソウが最も良い。

・カタクリもヤマユリも1000mまでが適地、それを1700mの地点に植えるのは植生や社会の動きに逆行する。

・遺伝的には長い年月に交配も考えられる。当初の集客のためドイツスズランは仕方がないが、将来的には日本スズランに変えていくべき。

・ドイツスズランは反対。生物多様性はそれぞれの関わりの中で生きている。生態系を壊すことは良くない。ドイツスズランは外来種で植えるべきではない。富士見で植えるのは美しさや見栄えではなく、心の中で育ててきた在来のスズラン。

だれも賛成してないのである。
で、町長は

確かに前は反対した人がいた。しかし今年は反対意見が出ていない。

そこで
それは自分たちの意見が反映されずに進められている状態の中、3年計画の2年が終了している時点での”消極的賛成”ではないか?

町長
消極的賛成は認める。しかし反対意見はなかった。

ひどい話だ。

ところで観光戦略として山のてっぺんに人工的なお花畑を作っているのだが、これって今の時代にずれてないだろうか?山に行くのは自然にふれあうためであって、人工的なお花畑を見に行く訳ではない。ぼくはわざわざ山のてっぺんまで行ってお花畑なんか見に行かないね。

町長
客数は伸びている。結果が全て。