Archive for the ‘みどりネット信州’ Category

地下水の現状と保全について

火曜日, 2月 5th, 2013

地下水の低下、外国資本の参入などから、地下水の保全が全国的に問題となっています。
そこで「みどりネット信州」では信州大学の藤縄克教授をお呼びして安曇野市での実践例を参考に、地下水の保全について勉強をしました。

日本は他の国に比べ豊かな水資源があります。
海外では資源に困っていたり、中国の大気汚染は水質にも影響を及ぼす可能性もあるなか、多くの人は日本は恵まれているという認識がないため飲料水が危険にさらされている状況にあります。
北海道では620haが買収され、県内では軽井沢で外資に買収された事例がありました。

そこで長野県は阿部知事を先頭に条例づくりをはじめ、答申は1月15日に完成。
現在8箇所の都道府県が条例を作り、検討している都道府県は10県に上ります。

本来国が関与しなければいけないことですが、なかなか進まず去年ようやく「水循環基本法」がつくられることになりましたが、これもお蔵入りになったようです。

この法律は管轄を内閣府におくことで縦割り行政を解消し、地上水だけでなく地下水も管理する。
これまで地下水は土地所有者との認識だが、国民共有の財産だということが明記されていたそうです。
自治体が水使用に関するルール作りを義務づける等が盛り込まれていたようで、お蔵入りになってしまったのは残念なことです。

このような状況のなか、安曇野市では地下水の保全対策指針及び条例の制定に向けた検討が始まりました。
この地下水保全対策研究委員会は2年かけてじっくり話し合いを重ねていくようです。

基本理念は
1、地下水は市民共有の財産である。
2、全市民が地下水保全・強化に努め、健全な地下水環境を創出する。
3、地下水資源を活用し、豊かな安曇野を次世代に引き継ぐ。

大切な地下水だから使わせないではなく、有効活用して安曇野を豊かな場所にしていく。

現在、硝酸性窒素による水環境の悪化も懸念されています。
ここでは具体的な話は出ませんでしたが、これは農業の肥料の問題だと思われます。
植物を育てる場合、窒素を多くあげればとりあえずは育ちます。
しかし与えた窒素のうち植物に吸収されるのは、ごくわずかで多くは水に流れていってしまいます。
有機農業は肥料の効きが遅いので、ついつい窒素分の多い鶏糞などを多用してしまいます。
ぼくが農業をやっていたころ不耕起栽培を取り入れたのは無施肥を目指したからです。
ま、成功したとはいえませんが…

環境と経済を両立するのは難しいものです。

水質保全の対策は希釈しかなく、水田を増やし涵養を促すこと。

具体的には耕作放棄地対策、そして小麦の収穫後、次の作付けまで水を溜めておく麦後転作田湛水。
これは土壌にも良い効果を与えるようです。

そして冬田んぼの湛水。
水利権の問題を解消する必要があるようです。

都市部では浸透トレンチ、浸透性舗装の活用が計画されているとのこと。

このような施策の実施にかかる源資は、地下水を利用する人から利用度に合わせて徴収する。あまりお金がないセクター、地元産業を育てるため、係数化し算定式を作って負担金を割り出すそうです。

今後の課題としては源資の確保(約5600万円)
そして水利権の問題。
現在の法律は涵養するためだけでは使用が認められていないとのこと。
近隣市町村の連携。
地下水はつながっているため、どこかの市長村だけが得をしたりすると問題になる。近隣で話し合いながら進めなければいけない。

まだまだ始まったばかりの取組みです。注目していきたいと思います。

これまで国や自治体の施策は環境のことは後回しになってきました。
限られた資源を活用するため、環境についてもっと優先して取り組むべきと思います。

漢人さん講演会

火曜日, 5月 29th, 2012

内部被ばくはこうすれば防げる!」の著者で放射能を21年間測り続けた小金井市議の漢人あきこ氏を招いて放射能測定についての勉強会に参加してきました。

チェルノブイリ事故があり不安に思った市民が立ち上がり、市に対して「放射能測定器を購入し、食品を測定して欲しい」と陳情書を提出。それと同時に署名活動、2000を超える署名が集まり’88市議会で全会一致で陳情書が採択されました。
しかし地方自治は二元代表制をとっているため、議会が承認しても理事者側がなかなかYesとは言わないため、なかなか測定は始まりません。なんどか話し合いを重ね、測定器は購入するが運用は市民でという事で決定。市議会採択から2年後の’90に「小金井市放射能測定器運営連絡会議」設立、測定をスタートしました。

測定器はヨウ化ナトリウム検出器を430万円で購入。年3回の定期検査など維持管理費20〜30万円は市が負担。運用は7、8人のボランティアでまわしています。
測定には6時間をかけ、検出限界値は10ベクレル。1回の容量は普通の測定所は1㍑必要だが、この測定所は小容量の200ccにしました。業務用ならともかく、家庭用で1㍑集めるのは大変。母乳を測って欲しいお母さんにも対応できるように小容量に設定したといいます。

漢人さんは「測る」「避ける」「動く」の3つの必要性を説きます。

・まず知る事が必要。なにが安全で、なにが危ないかは「測る」以外に方法は無い、「測る」 事だけが不安を解消してくれる。

・「避ける」ための知識を得れば、確実にリスクは減らせる。

・そして「動く」ことの大切さ。
自治体や学校に働きかけて、実際に状況を変えていくことが必要。そして提案するだけではなく自らが関わる部分を作っていく事も大切。
もし行政に任せっぱなしだったら21年も続かなかっただろうと言います。チェルノブイリ後、測定を始めた自治体は他にもありますが小金井市以外はやめてしまいました。

小金井市の事例は最近よくいわれている「協働」の先駆けとなる事例ではないでしょうか。放射能の問題は息の長い問題。市民と行政が手を取り合って対策を考えることが必要だと思います。

2025年問題

金曜日, 1月 27th, 2012

2015年には団塊の世代が前期高齢者(65歳〜74歳)に突入。2025年には推計で高齢者人口が3500万人/1億2114万人になるのが2025年問題。その結果どうゆうことになるかというと。

 ①要介護者の増大(高齢者率48%)
 ②家族介護者の不在7割(独居老人+老夫婦世帯)
 ③(福祉)労働者世代の絶対的な不足(質と量)
 ④財源不足

この問題に対し政府も”高齢者住まい法”を一部改正、介護・医療と連携して高齢者の生活を支援するサービス着きの住宅を10年間で60万戸を作る目標を立てている。

そこで”みどりネット信州”は元高崎健康福祉大学教授で高齢者協同組合泰阜の理事長本田玖美子さんを招いて勉強会をやりました。

本田さんは高齢者になる団塊の世代をどう有効活用していくのかが考えていかなければいけないという。早く退職して社会貢献するべきで、若い人に任せるのではなく、自分たちでなんとかするシステムを作るべき。高齢者は高齢者が支え、若者は若者で社会づくりをしていかなければいけない。
なるほど若い世代よりも多い高齢者を若者だけで支えていくのには無理がある。それに今の60、70は元気だからね。

そのためには「社会診断」をして地域の事をよく把握しなければいけない。
社会診断とは「生活診断」と「地域診断」が車の両輪のように融合したもので

 生活診断
地域住民の個人的な暮らしへの「生活診断」で住民の「生活ニーズ」を把握
①事故や病気にかかったときのセーフティネット
②心理・社会の問題→人間関係のセーフティネット
③人間関係が破綻した場合に第三のセーフティネット→地域の制度など。

 地域診断
生活圏である「地域診断」でその地域にある人的/公共機関/民間企業等の(社会資源)の量・質を把握。
 ・世帯が病気や事故で、何らかの支援を必要とする場合
 ・人間関係が破綻している場合」
              ↓
地域包括支援センター、社会福祉協会がこの役割を担う

本田さんは高齢者協同組合泰阜を組織して「泰阜村地域交流センター悠々」を運営している。
ここは国には任せず自分たちの老後は自分たちでどうにかするんだ。という事で高齢者自信の組合を作って運営。長屋風の共同住宅が6部屋。グループホームは9名だが、ひとつのグループは心理学的にも6名が限度。そのため6部屋に設定したとの事。そしてその中心は地域交流センターになっていて食堂があり、畳があってコタツがあって、おっきなテレビがあって誰でも自由にくる事が出来る。いつも誰かしら居るので、ちょっと子どもを預けて出かける人もいるとか。ん〜コミカフェみたい。

要介護者の増大。
いまの介護保険では歩ける認知証は対象としていない。
制度に頼らない、自分たちの老後を幸せに過ごせる仕組みをみんなで作っていかなければいけません。