Archive for the ‘きょうの本’ Category

太陽の子

日曜日, 8 月 15th, 2010

その花はパンジーに似たかわいらしい花だ。
今、ほうずきの花が満開。
バディアス農園さんから来た苗は太陽のひかりを浴び元気に育っている。
バディアス農園さんは、このほうずきに”太陽の子”と名づけた。
良い名だ。
夏の日射しを受け甘酸っぱい実になる。まさに太陽が育てているんだよね。

花が終わると実になる。この実が褐色に変わったころ収穫かな。
最初に花が咲いてから55日だそうだ。
ということは収穫が始まるのは9月の中旬ぐらい?

”太陽の子”ときくとすぐ思い浮かべてしまうものがある。灰谷健次郎の”太陽の子”だ。この夏、もう一度読んでみた。いつ読んでも胸が熱くなるよね、この本。

沖縄から神戸にきた一家はおきなわ料理の店”てだのふあ・おきなわ亭”を開業。

 ”てだは太陽、ふあは子
 てだのふあはふうちゃんのことなんや。
 太陽の子ふうちゃんというわけよ。
                な、おっちゃん。”

神戸にきたとき、お腹の中にいたふうちゃんは6年生になっている。”てだのふあ”にやってくる常連にかわいがられながら、すくすくと元気に育っている。でもふうちゃんは次第に、そのやさしさの影に大きな哀しみがある事に気づくんだ。

本当の優しさって何だろう。
みんなを苦しめている沖縄って何だろう。

戦争が終わって30年。それでもみんなを苦しめている沖縄。
ふうちゃんは封印することなく、事実と向き合うことで、みんなを理解しようとするんだ。

”わたしをかわいがってくれる人は、わたしをかわいがってくれる分だけ、つらいめにあってきたのだということが、このごろのわたしには、なんとなくわかるのです。だからわたしはいっそう、みんなのことを知りたいのです。知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間に、わたしはなりたくありません。”

ひさしぶりにテレビを見ると今の小学生は終戦記念日を知らないと言っていた。
ほんと?
もしそうなら、せめて戦争を経験した人がいる間、伝えていかなければいけないんじゃないかな。

ことしも8月が来た。
暑い日はつづく。

ハチはなぜ大量死したのか

月曜日, 5 月 25th, 2009

最近、欧米でハチの大量失踪が問題になっているの知ってる?幼虫も女王蜂も残し、ハチが失踪。中には大量の蜂蜜まで残っている。アメリカでは、4分の1のミツバチがいなくなってしまった。
「ハチはなぜ大量死してしまったのか」ローワン・ジェイコブセン著は、その原因を推理している。
ダニ、電磁波、遺伝子組み換え作物、地球温暖化説、ウィルスなどなど。そして犯人は一つの農薬に絞られていきます。「ネオニコチノイド」この農薬は浸透性農薬と云って植物の体内にしみ込み、茎、葉、根などどこを食べても、昆虫は死んでしまう。ミツバチは死にはしないが帰すう本能を失ってしまうらしい。
フランスではとっくに使用禁止になっているのに日本では大量に使われてるんだって。おいおい、大丈夫なのかね。

しかし、この本は犯人を一つに限定していない。どれも決定的な証拠が無いからだ。天敵のダニ予防の抗生剤、工業化された農業のための過度のストレス、単一作物のための栄養不良。とにかく、人間のせいでミツバチの環境が悪化してしまったのだ。
解決策としては、その場しのぎの対処的な対策ではなく、ホリスティックな解決を提案している。んー、ごもっとも。その考えは不耕起栽培につうじるものがあるな。

訳者はあとがきで、日本ミツバチの可能性を説いている。セイヨウミツバチに比べダニや害虫に強く、巣箱に農薬を打ちまけるようなことをしなくても良いようだ。

この本を読んでいたらミツバチを飼いたくなったよ。もちろん日本ミツバチね。

You tube
蜜蜂の大量失踪 CCD=ハチコロニー崩壊症候群

奇跡が起こる半日断食

日曜日, 3 月 8th, 2009

げっ!64kgもある。
冬になるとさんきゅーさんは、ぶくぶく太るのだ。夏は57kgだったのに・・・。

そこで友人が貸してくれたのが、この本「奇跡が起こる半日断食法」だ。
栄養過多になりがちな現代、食べることだけじゃなく排泄のことをもっと考えよう。という内容。本当の断食ってヤツは、3日以上かけるものをいい、素人では危険を伴うので、誰でも実行しやすい、半日断食を紹介している。
現代栄養学では、成人男性は1日2500キロカロリー、女性は2000キロカロリー、30品目食するのが良いとされている。ところがだ、甲田氏は、これでは食べ過ぎ。と、警鐘する。前に食べたものが、完全に消化されないまま、次々に食べ物が胃の中に入ってくる。これが胃腸の中で、宿便(んこ)となり、体の中の老廃物となる。
一度、胃腸の中をリセットして、活力ある体を作るというのだ。
なるほどねぇ。キース・リチャーズも体内の血液を入れ替えてたって噂があったよな。
夕食をとってから18時間断食すると、胃腸の中がきれいになるらしい。もちろん、普段の食事は、玄米、菜食、腹八分目が基本。これを続けると、通便が良くなり、糖尿、高血圧、肝炎、アトピー、リウマチが治るらしい。

す、すばらしい! さっそく明日から始めよう ♬

ちなみにアルコールは、ビールが大瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーならW1杯以内だそうな。

・・・・無理かな。

不運な女

木曜日, 1 月 8th, 2009

リチャード・ブローティガンが好きなのだ。
たまらなく。
「不運な女」はブローティガンの死後発見され、最近日本でも出版されたらしい。
知らなかったなぁ。
いつものように決まったストーリーは無く日記の形式で物語は進み、不連続な物語は虚無的な散文詩となっている。「不運な女」とは首を吊って死んだ、かつての女性のこと。何度も彼女のことを思い出し日記を綴り、理解しようと試みるのだが、いつも現実と幻想がごっちゃになり挫折してしまう。
ブローティガンを読んでいると初期の村上春樹を思い出すよ。世界観が似ているんだろうな。
藤本和子さん の訳は名訳と云われているけど村上春樹の訳でも読んでみたいな。

The Road

金曜日, 11 月 7th, 2008

古本と図書館が中心の読書生活。
久しぶりに最近話題の本を読んだ。コーマック・マッカシー著「ザ・ロード
なかなか面白かったですよ。
舞台は近未来。核戦争かなにかで世界は破滅している。空は灰で覆われ太陽は姿を見せず、とても寒い。
主人公である少年と父親は寒さを逃れるため南へ旅をする。その世界は無政府状態、食料も不足しているため野蛮人と化したものたちが出没する。
こんなストーリーを書くとマッドマックスか北斗の拳を想像してしまうけど、 意外にこの作品、もとても静溢なのだ。

父親は常に幼い息子を守る。危険な相手は殺すことも辞さないし、他人を助けることも極力さける。しかし少年はこんな世界に生きているのに、とても無垢なのだ。自分たちが善であり、悪と戦っているという父の話を信じている。
この極限状態で人間らしいやさしさを維持できるか。人間が人間らしく生きていけるか、試されながら二人の旅はつづくのである。
けっこう夢中になって読んでしまうよ。

どうやらこの作品、映画化も決まっているらしい。マッドマックスみたいにならないと良いのだが・・・。
 

奇跡のリンゴ

金曜日, 10 月 24th, 2008

晴耕雨読なのだ。
この時期の雨はいいねぇ。農繁期と違って心置きなく本を読んでいられる。
今日読んだのは石川拓治著「奇跡のリンゴ
無農薬でリンゴをつくった木村秋則三の記録。以前NHKのプロフェッショナルに出演。反響が多く、一年の取材を加え出版されたもの。番組は見てないけど知ってますよ。木村さんのことは。この業界では伝説の人だからね。

無農薬でリンゴ栽培は不可能に近い。現在我々が食べているリンゴはより甘いものをつくるため、品種改良に品種改良を重ねたもの。それまでのリンゴはクラブアップルといって、酸味や渋みが強く、全く別のものだ。いまあるリンゴはほとんどすべて、農薬を前提にし、品種改良した品種なのだ。無農薬で野菜を作るのとはレベルが違う。

この記録はまさに死闘とも云える。
小粒であるとか、形が揃わないとか、そんな話ではなく8年間、花が咲かなかったのだ。花が咲かないということは、当然実がつかないということ。
押し寄せる害虫。蔓延する病気、日増しに衰弱していくリンゴの木。木村さんの闘いは涙なくしては読めない。

ある日森に入り、誰も手入れをしていないのに土がフカフカだということに気づく。自然の生態系をなるべく壊さないことで無農薬栽培を成功させる。

”リンゴの木はリンゴの木だけで生きているわけではない。
周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。
人間もそうなんだよ。
人間もそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。”

荒野へ

木曜日, 10 月 23rd, 2008

ショーン・ペンが良い映画を撮ったらしい。「IN TO THE WILD」
”恵まれた境遇にあった青年クリスが、突然すべてを捨て、ヒッチハイクでアメリカを縦断し、最後は徒歩でアラスカの荒野へと分け入り、その4ヵ月後に餓死した死体となって発見される。”

ん?なんか聞いたことがある話だぞ。家の本棚を探しましたらありましたよ、ジョン・クラカワー著「荒野へ」ずいぶん昔に買って本棚で眠っておりました。さっそく読んでみることに。
当時、アメリカでかなりセンセーショナルな事件だったようだ。向こう見ずで夢想家、傲慢と愚行に寄って命を落とした愚か者。特にアラスカ現地の人々の批判は凄まじかったようだ。
しかし登山家である作者にとって、彼の精神は理解できないものではない。荒野の魅力、死と隣り合わせの危険な行為の魅力を知っているからだ。残された日記、メモ、彼と出会った人々のインタヴューによってクリスの身に何がおこったかを検証するノンフィクション。

クリスの愛読書はトルストイ、ソロー、ロンドン、パステルナーク、かなりの理想主義者だったようだ。気持ちはわかる。
豊かな特権階級を捨て貧民に身を置いたトルストイにかなり心酔していたようだ。繊細な感受性が今の現代社会にとけ込むことが出来なかったのではないだろうか。その思いが荒野へかき立てられたのだろう。

死の直前、日記にパステルナークの言葉が抜粋されている「幸福は分かち合えたものだけが、本物である」
長い孤独の中で何かがクリスを変えて行ったのかもしれない。
きっとクリスは生きて帰り、社会に復帰するつもりだったのではないか。そう思うと胸が熱くなるのだ。

田舎には来ないだろうな、この映画。見たいんだけどなぁ。

ノーベル文学賞にル・クレジオ

金曜日, 10 月 17th, 2008

うれしいじゃないですか、クレジオがノーベル賞だなんて。
何年か前にむさぼるように読みましたよ。
クレジオはヌーヴォーロマンの 作家として位置づけられている。ヌーヴォーロマンとは伝統的小説と違い、プロットの一貫性や心理描写が抜け落ちた、ある種の実験的な小説。ようするによくわからない小説という事だ。
一番好きな「調書」もよくわからなかったなぁ。軍隊から出てきたのか、精神病院からなのかよくわかっていなかった男アダムの道行きを淡々と描く、ロードノベル。ストーリーらしいものも無く、なんだか良くわからないのだ。でも読んでいてたのしい。この感覚はゴダールの映画と通じるところがあるな。
「海を見たことがなかった少年」あたりから前衛的なものがだいぶ薄れ、だいぶ読みやすくなった。少年や少女を主人公にした孤独や繊細さを描いたものが多い。「海を見たことがなかった少年」はモンドという名で映画にもなっている。未見だがきっときれいな映画になっているんじゃないかな。なぜってクレジオの自然描写はとても美しいからだ。

現在、クレジオの本は入手困難なものが多い。この機会に再販を望む。

灰の庭

月曜日, 10 月 6th, 2008

何年か前に評判になった本。ず〜と気になっていたので読んでみる事に。
デニス・ボック著「灰の庭
50年前原爆投下に関わった老科学者のもとに、ひとりの日本女性エミコがドキュメンタリーを撮るためのインタビューを申し入れる。ヒロシマで被爆したエミコと老科学者アントン、そしてユダヤ系難民である妻ソフィー。3人の過去と現代が織り交ぜながら物語は進んで行く。
アントンが良心の呵責から、エミコにした事は衝撃!エミコもびっくり。
善とは、悪とは、赦しとはなにか考えさせられる。

最後、今ある現実をすべて受け入れたエミコは、アントンを赦したのか、それともただの諦観か。
いろいろ考えてしまう作品です。

食品の裏側

月曜日, 9 月 29th, 2008

安倍司著「食品の裏側
東城百合子さんの講演会で、紹介された本。アマゾンで調べたら、なんとユーズドで¥1。相当売れたんだろうな、知らなかったよ。さっそく購入。
食品添加物の元トップセールスマンが罪の意識から、食品製造の裏側を暴露したもの。こわいですよ~、この本。
廃棄寸前のくず肉が、30種類の添加物で、おいしいミートボールに変身。
ドロドロに柔らかく粒の無い低級品のタラコが、添加物の液に一晩漬けるだけで、身も締まって、しっかりした硬いタラコになる。
コーヒーフレッシュは、水とサラダ油と添加物だけ。などなど。
こんなの読んじまったら、怖くて買ったもの食べられないよ。しかし著者は添加物はメリットも認めている。
手間をかければ、無添加。手間を惜しめば添加物を口にする事になる。しかし、そんなに時間もかけられない。消費者が知識を持ち、その中でうまく付き合っていくことが、大事だという。なぜ、こんなに安いんだろう?なぜ、カットされた野菜が変色しないのだろう?など疑問を持ち勉強していく必要がある。
そして、添加物の多用が、食文化の崩壊を招くと危惧している。
なるほどね、とりあえず顆粒のダシはやめて、ちゃんとダシをとる事から始めようかな。