九州電力・太陽光発電出力制御へ

九州電力は、13日~14日に太陽光発電の出力制御を行いました。需要に比べ電力の供給のほうが大幅に増える恐れがあるということで、太陽光発電事業者の一部に電気の供給を一時ストップを要請するものです。
電力の需要と供給のバランスが崩れると大規模停電の恐れがあります。このことは先日の地震を発端とした北海道のブラックアウトで多くの人に知られることになりました。
これは電気の性質上仕方がないことです。
ベイブリッジやレインボーブリッジなど、燦爛と輝くネオンをもったいないなんて思ってはいけません。あれは昼間の需要に合わせた電力量を、夜行き場のない電力の消化に充てているのです。


*資源エネルギー庁HPより

電気の需要は1日の中で大きな変動があり、また、1年を通しても大きな変動があり、電力会社は日々その調整に努めています。冷房や暖房を使わない春や秋は重要が減りますし、正月やゴールデンウィークなどの大型連休は企業や工場の休業でも電気の需要は大幅に減少します。

今回の出力制御は強制的なものですが自然発生的なものもあります。
電気も水と同じで高いところから低いところにしか流れません。需要が増えると電線内の電圧は上がり、需要が減ると電線内の電圧は下がります。よく家庭の水道を例に取り上げられるのですが、お風呂にお湯をためているときはキッチンの水道の勢いがなくなります(需要の増加・水圧減)。お風呂のお湯を止めるとキッチンの水道に勢いが戻ります(需要の減少・水圧上昇)
家庭からの売電は107vの上限が決められていますから、需要が減って電線内の電力が107v以上に上昇すると電気は流れなくなるのです。
これを電圧上昇抑制、出力抑制などといいます。電気事業者ならだれでも知っている基本的な仕組みです。

さて、この九州電力の出力制御に対し「再エネの減退・原発推進」と批判の声があるようですが、非常に違和感を覚えています。
自然環境によって発電効率が大幅に変わる太陽光発電はベースロード電源にはなりえません。需要が減った場合の抑制制御の対象になるのは当たり前のことです。原発反対と再生可能エネルギーを結び付けて考えている人は、太陽光発電の推進とともにベースロードと成りえる地熱やバイオマスも同時に推進すべきだと思います。


*資源エネルギー庁HPより

そもそも最初からFIT法に出力制御について書かれているにも関わらず批判している事業者にも?を感じます。
上記の記載は平成27年度のFIT法改正によるもので360時間ルールと呼ばれています。平成27年前は出力抑制の規定は無かったかというとそうではありません。年間30日を上限に、無補償で出力を抑制するよう要請できるルール(30日ルール)がありました。ちなみに平成27年以前に運転を開始した事業は30日ルールが適用されます。

出力抑制はFIT法が制定されたときからあるわけで、ですから出力制御の批判的な記事を見るとなんだか的外れな気がします。
事業者は出力抑制をリスクとして事業計画に盛り込むべきであり、最初からあった契約内容を遂行したからといって文句を言うのはおかしいし、そもそも地域の大事なインフラ事業を担っているという意識が薄いのではないかと考えてしまいます。

FIT法は、儲かるビジネスを創造するためにあるのではなく、高コストの再生可能エネルギーを支えるためにある仕組みだということを忘れてはいけません。そのためには安定した電力の供給のための仕組みに従うことは当然のことであり、自分たちは地域の大切なインフラを担っているという意識を持ってもらいたいと思います。
 

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