諏訪地方での松枯れ


*8月31日長野日報

8月の終わり、岡谷市で松くい虫被害が確認、新聞各紙で大きな記事で紹介されました。

長野日報記事 → こちら

記事によると岡谷市内のアカマツからマツノザイセンチュウが検出されたということです。現在、松枯れはマツノマダラカミキリが媒介するマツノザイセンチュウが原因とされています。マツノザイセンチュウが松の中に入ることで水の通り道を塞ぎ、結果、松を枯らせてしまうと言われています。そのメカニズムは、まだ完全には解明されていません。
鳥取県のHPにわかりやすい解説がありましたので、関心がある方は参考にしてください。

鳥取県のHP → こちら

マツノザイセンチュウは明治に外来種として九州地方で発見され、その後北上し10年ぐらい前についに青森県にも広がりました。寒冷地である長野県の発生は他地域よりも遅く、近年では上田市や松本市の被害が問題とされてきました。
県内被害が広がる中、唯一被害がなかったのが諏訪地域です。
その諏訪地域で発見されたことで、大きな記事になったのだと思います。

岡谷市ではその後、10本の被害木を確認したところ、マツノザイセンチュウは見つからなかったとですが(岡谷市のHP → 松くい虫被害木周辺調査の結果について)、今日の新聞報道では、茅野市林務課が「松くい虫被害に関する研修会」を開催、約40名が参加したとありました。今後、監視の目を強化するとのことで予断を許さない状況にあるようです。

現在、松枯れ対策は大きく3つの方法に分かれています。一つは被害木を伐採し燻蒸処理する方法。もう一つは一本一本薬剤を注入する樹幹注入。どちらも人海戦術となりコストもかかることから3つ目の農薬の空中散布を行っているところが多くあります。
しかし、森林への農薬散布は自然や人体への影響、飲み水のことなど多くの問題を抱えています。
松本市では、農薬散布の中止を求める住民が市に対して差し止め訴訟を行っており、県内で大きな関心となっています。

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実は4年ほど前、環境問題に取り組む有志で、松枯れ対策の空散のことを取り上げた「松に問いかけること」というドキュメンタリー映画をつくりました。

DVD製作実行委員会FBページ   https://www.facebook.com/yamanbadvd

当時は、上田市が住民からの空散中止の声に対し「予防原則」の観点から空散を中止した直後。坂城町や千曲市、安曇野市、松本四賀地区などでも空散中止を求める声が高まり「長野県空中散布廃止連絡協議会」が立ち上がった頃でした。
県の職員などに、諏訪地域の状況を尋ねると「唯一松枯れ被害が出ていない諏訪地域だけは守りたい」と誰もが口をそろえてそう言っていました。そんなわけで「ついに来たか…」というのが正直な実感です。

映画製作を通して感じたことは、「果たして本当にマツノザイセンチュウだけが原因なのか」ということと「農薬の空中散布は本当に効果があるのか」という思いです。映画を見ていただければわかりますが、遷移や大気汚染などが原因だと言っている研究者も多くマツノザイセンチュウだけに原因を求めるのは短絡的のような気がします。しかも空散で松枯れが止まったという話は聞いたことがありません。もっと根本から対策を考え直したほうが良いように思います。

出雲市では平成20年に松枯れ対策の空中散布を取りやめました。松くい虫耐性の松の育成など様々な取り組みをしていて今後の参考になると思います。

出雲市松くい虫対策 → HP

さて、諏訪地域ではどのような対策をとっていくのでしょうか。今後も注視していきたいと思います。

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