「共謀罪」衆院法務委員会通過について

「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正が衆院法務委員会通過したことについて、強い憤りを感じています。監視社会の到来は国民が萎縮し、息苦しい世の中になることを想像されます。

これまで全体主義の中、監視社会の息苦しさを描いた多くのフィクションがありました。カンボジアの内戦を描いた映画キリング・フィールド、チリのクーデターを描いた映画ミッシング、中国の文化大革命を描いた山崎豊子氏の大地の子はドラマになり、多くの人が目にしたと思います。どの作品も監視社会の息苦しさの中、人々の苦悩を描いています。
日本の戦前も軍国主義の中、息苦しい社会でした。このような社会を二度と作らないことが、世界的な共通認識ではないかと思います。

国連特別報告者のケナタッチ氏が、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」として日本政府に書簡を送ったことが報道されました。国連の国際組織犯罪防止条約に批准するための法案が、同じ国連から懸念されているというもおかしな話です。

共謀罪は、これまで3回も廃案になった法案です。集団的自衛権の行使も戦後70年間一貫して認めてなかったことです。このようなことが次々と強行採決されている今の国会は、果たして民主主義が正しく機能しているか疑わざるを得ません。

・教育基本法の改悪
・集団的自衛権の行使容認
・秘密保護法
・教育勅語について、国会での容認する発言
・共謀罪
・自民党の憲法改正案

このところの一連の流れです。
普段生活していると感じないかもしれませんが、この国は大きく右に旋回しています。
「きなくさいなと思ったら、その後は早かったよ」
なにかの本で、このような戦争を経験した人の談話を読んだことがあります。
ぼくたちは現状を冷静に見つめ、しっかりと考えていく必要があると思います。

吉田満さんの「戦艦大和の最後」という名著がありますが、その中で臼淵大尉がこのような発言をしています。

 ”進歩のないものは決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。
 日本は進歩ということを軽んじ過ぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れ
 ていた。敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか。今日目覚めずしていつ救
 われるか。俺たちはその先導になるのだ。日本の新生にさきがけて散る。まさに本望じゃな
 いか。”

戦艦大和の最後の出撃前夜の発言です。
ぼくたちが暮らす今の平和な日本は、こうした多くの人たちの犠牲によって成り立っていることを忘れてはいけません。二度と、あの悲劇を繰り返さないことが、戦後を生きる僕たちの使命ではないかと思います。

最近、単なる機能のみの、浅薄な議論が多いように思います。
いまの時代は歴史の積み重ねでできている。
そのことを踏まえ、今の時代をつくっていく必要があるのではないでしょうか。

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