大泉・小泉湧水の地下水のこと


*4月9日信濃毎日新聞

ちょっと前の話ですが、「境メガソーラーを考える有志の会」で八ヶ岳山麓の地下水についての勉強会を開催しましした。
境メガソーラー建設計画は止まりましたが、この場所が大泉・小泉湧水へ影響があるということは証明されたわけではないため、専門家に建設予定地にメガソーラーが建設された場合のことを検討し意見書の作成を依頼しました。この日は意見書の内容を説明していただく勉強会。専門的なことにも関わらず、以外と多くの方が参加してくれました。
講師は都留文科大学特任教授の内山美恵子先生です。専門は水理地質学。
水理地質学とは、地下水がどのように流れているかを研究する学問で、水文地質学とも言います。地下水に関しては、地質学より専門的な学問です。

内山先生の話は、地下水の流れの基礎から丁寧に教えていただきました。
新しい地層ですと隙間も多く水も早く流れますが、古い地層ですと空隙率も小さくなり抵抗も増えるため、水はゆっくり流れます。早いものですと数10年で雨が流れ、古いものですと1000年オーダー。こうした古い層の地下水が汚染される、と浄化するのに長い年月を必要とのことです。このことはしっかり頭に入れておいたほうが良さそうです。


* 内山先生資料

南八ヶ岳は、年代によっていくつかの溶岩がありました。

約40万年前〜 赤岳・阿弥陀岳付近の活動
       主に両輝石安山岩溶岩

約25万年前〜 古阿弥陀岳の山体崩壊(韮崎岩屑なだれ)

約20万年前〜 権現岳・御小屋山付近の活動
       主に両輝石安山岩溶岩

約18万年前〜 三ツ頭・立場川上流・硫黄岳付近の活動
       主にカンラン石角閃石両輝石安山岩溶岩

レノバ社の報告書によると、池袋(いけのふくろ)から上は葛窪溶岩、一回の溶岩の流れによる一つの溶岩層でできているということになっていますが、過去のボーリング調査を検討したところ、やはり、いくつかの層に分かれていたようです。

・富士見町境地区周辺の溶岩

観音平溶岩類:両輝石安山岩
大滝社溶岩 :カンラン石角閃石両輝石安山岩
池袋溶岩  :石角閃石両輝石安山岩
靴窪溶岩  :石角閃石両輝石安山岩
広原溶岩類 :カンラン石角閃石安山岩

この他、水温などの調査により、大泉・小泉湧水の涵養域は、鼻戸屋を起源とする葛窪溶岩と池袋溶岩地帯を流れ下る地下水とその地域に降った雨であるとの結論となりました。

これは、これまで開発側が説明してきた大泉・小泉湧水の水は西側、切掛沢を越えた小六方面から流れてくるという考えを覆すものです。
内山先生の意見では、建設予定地にメガソーラーを建設すると湧水への影響があるとしています。

内山先生は、すべて開発側が使った資料をもとに検討したのですが、なぜか結論が違います。終わった後にそのことを尋ねると、同じデータを見ても、そこには人間の解釈が必要になる」とのことでした。
しっかりした調査を行っても、それぞれの思いがある程度反映してしまうということでしょう。

だとすると、環境アセスを事業者が行う現在の方法は問題があるのではないでしょうか。「環境アセスを行ったから大丈夫」ということにはならないと思います。行政は、環境アセスが終わったからといって鵜呑みにせず、林地開発の許可申請や環境保全条例など、その都度しっかり精査しなければいけないと思います。

この意見書ですが、今後のため、本日富士見町と長野県諏訪地域振興局に提出してきます。
今回のことで大泉・小泉湧水の周りは、四回開発を止めたことになります。
これ以上、開発計画が持ち上がらないことを願います。

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