総合事業への移行について

今年度から要支援1,2の予防訪問介護と予防通所介護が介護保険から、町の総合事業に変わります。簡単に言うと、身体介護までは必要としない軽度の方の、食事をつくったり掃除をしたり洗濯をするなどの生活支援とデイサービスが、これまで保険で賄っていたものを、これからは市町村の責任で行うということです。

これまでは、たとえばですが洗濯などの生活支援が1時間3000円ぐらいの単価。そのうち利用者負担は1割なので300円を本人が支払い、残りの2,700円を介護保険からという仕組みでした。それが、これからは保険ではなく各市町村がボランティアなどの協力をもとに実施していきます。もちろん、これまで保険で担っていた2,700円(あくまでも例えばの金額です)の部分は国から降りてくるのですが、今までよりは金額が少なくなります。
高齢化率が上がって、保険では立ちいかなくなっての対策なのですから当然ですね。

現在介護保険を使う後期高齢者の伸び3~4%に対し、予防給付(要支援者への生活支援)に使われる伸びが5~6%ですので、国はせめて後期高齢者の伸び率に抑えたいという考えです。
本当は洗濯ぐらい自分でできるのに、介護保険で低額で利用できてしまうことで、利用者さんのADL(日常生活動作)の低下により、早い段階で身体介護が必要になってくる可能性もあります。
2025年には一番人口が多い団塊の世代が後期高齢者になります。このことは施設が必要な介護者が増えることを意味していますから、その時には人やお金の資源は、本当に必要な介護者に行き届くようにする。そして、軽度者の参入をさえることによって、要介護者の伸びを抑制する必要があります。

では、どうすれば良いかというと、軽度者はなるべく市民の助け合いにより税金や保険を使わないようにし、税金や保険は重度の介護者に集中させること。有償・無償のボランティアであれば1時間の単価を500〜1000円前後に抑えられるため、利用者負担は増えますが社会的なコストは縮小することができます。どうしても払えない人に市町村が支援をしても今までよりもずっとコストを抑えることができるでしょう。
ですから市町村が行う総合事業というのは、市民同士の助け合いを担うNPO・市民団体を育成することが今回の改正の本旨です。


*厚労省の資料より

今後の具体的なサービスの累型は、以下の4種類になります。

訪問型
・サービスA:雇用されている労働者による緩和した基準によるサービス
・サービスB:有償・無償のボランティア等により提供される住民主体のサービス
・サービスC:保険・医療の専門家により提供される支援で、3〜6ヶ月の短期のもの
・サービスD:介護予防・生活支援サービスと一体として行われる移動支援

通所型
・サービスA:常用雇用者を軸にボランティアを活用する
・サービスB:有償・無償のボランティア等により提供される住民主体のサービス
・サービスC:保険・医療の専門家により提供される支援で、3〜6ヶ月の短期のもの

総合事業にかかるお金は、後期高齢者の伸び率以上は出さないと国は言っていますから、早い段階でサービスBに移行しないと住民サービスの低下となります。

この総合事業への進捗状況を12月議会で町長が答弁しました。

現行制度とサービスAを混在した形で進めていく。コスト削減のため、ボランティアサービス(サービスB)に移行すべきではあるが、いきなりは無理があるので徐々に進めていきたい。

非常に残念な答弁です。
この改正は平成27年度に行われ、移行期間の3年を経て平成29年度に完全施行しなければいけません。サービスAというのは今までよりも時間を制限したり、料金を下げる(事業者は赤字になるため縮小せざるえません)ため、現行のサービスの縮小でしかありません。

実はこうなることが心配でしたので、ぼくが議員の時、2年前に早くサービスBへ移行するように一般質問で取り上げました。その時の答弁はこちら。

今回の改正は、買い物、ゴミ出し、話し相手など、介護専門職でなくても、提供可能なサービスを地域で行う事がポイント。この活動を通して地域の絆が強まるように、町全体で意識を持って取り組む。地域包括支援センター、社協、住民福祉課を中心に移行期間である2年以内に実行に移す。

2年前の一般質問はこちらから → 改正介護保険についての一般質問

全然、できてないじゃないですかね。

市町村によっては総合事業に降りてくる財源を、サービスBの担い手になる市民団体への補助に使っているところがあります。サービスそのものは有償・無償のボランティアが行うにしても、それを管理するには家賃や事務費、人件費がかかります。たとえば横浜市は年間60万円の補助を出しています。

サービスBへの移行はコスト削減ばかりではなく、地域のつながりを強くする良いチャンスでもあります。高齢者支援だけではなく、子ども・子育て支援やゴミ問題など他でも通じる課題ではないでしょうか。

町長は人口減少を食い止めることしか頭にないようです。
ぼくはやっぱり市民活動や市民団体を育てることで、人口減少でも強い町をつくっていくほうが大事だと思います。

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