こども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」

15日、認定NPO法人長野県みらい基金主催で「こども応援会議in佐久」が開催されました。基調講演のこども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」の店主近藤博子さんのお話がとても良かったので紹介したいと思います。

気まぐれ八百屋だんだんは、今はやりの子ども食堂のパイオニア的な存在です。

2008年東京大田区に元居酒屋の店舗を使って八百屋を開業。週末だけ野菜を届けるという形態でスタートしました。名前の「だんだん」は、近藤さんの生まれ故郷の出雲の方言で、「ありがとう」の意味だそうです。

元居酒屋だったということもあり、店舗の中には畳のスペースがありました。買い物に来る人は畳に座って話をするようになり、だんだんと買い物に来るというよりは話に来るとが多くなってきました。その時、近藤さんは地域には以外と一人暮らしの高齢者が多いことに気づいたそうです。
高齢者の溜まり場となったところに、有機野菜を買いに来たお母さんが加わり、だんだんとその場が料理についての情報交換の場、子育て談義の場、地域の人の交流の場になっていきました。

そんな状況の中で、近藤さんの娘さんが高校の数学に躓き元塾講師に相談したら、夏休みのあいだ、500円で畳のスペースを使って勉強を見てくれることになりました。自分の娘だけではもったいないと、近所の子どもたちにも声をかけ、6,7人が参加するようになりました。
テキストを使うのではなく、自分の宿題の中でわからないところを見てもらえる個別指導で、できない子にはできない子に合わせた指導をしてくれるので、こどもたちに人気が出て、夏休みが終っても続けて欲しいという声が集まり、「ワンコイン寺子屋」を始めました。

当時の学童は3年生まで、4年生以上にも居場所が必要だということで、畳の場を無料で開放し宿題をできる場を提供する「みちくさ寺子屋」も開設。特に勉強は教えずに、自分たちで勉強をする方法をとったそうです。
近藤さんは、教えることはできないけれど、自分のとこの野菜を使いおやつを出すようになりました。これが、近藤さんとこどもたちとのつき合いの始まりです。

学習支援をはじめてしばらく経った2010年ごろ、小学校の校長先生から相談を受けました。親が精神的な病気があり、給食以外のご飯が食べられない子どもがいる。家庭では食事の提供が難しくバナナ一本という場合がある。

この話を聞いて、食の問題については学校ではなく地域で対応したいとの思いから、仲間と相談して「こども食堂」を立ち上げました。こども食堂の立ち上げは、たまり場になることで地域の課題が見えてきて、一つ一つの課題を解決することでの結果といえます。
子ども食堂の意味は子どもがひとりでも入っても大丈夫な食堂。子どものための食堂という意味ではありません。子ども一人で食堂に入ることはなかなか難しく、子ども一人でもきても良いんだよということのようです。
  
毎週木曜日開催。こども100円、大人500円。
お皿洗いは大変なためワンプレートで提供しているそうです。

近藤さんがこのような活動をするのは、子どもの頃の経験が影響あるのではないかと言います。
幼い頃、身近に障害者がいたため、多様な存在を認め合う中で過ごしました。また、早くに母親を亡くしたのですが、周りの人が程好い距離感で見守ってくれたことが、良い経験になったと思うと話されていました。
子どもの頃の地域とのつながりが、大人になってからのコミュニケーション能力にも影響してくるため、子どもを学校と家庭以外の受け入れる地域の場が必要。こどもの笑顔が真ん中にあることが、地域が豊かになること。市民が横で繋がることで、地域を豊かになることを強調されました。

長野県みらい基金では、子どもたちの居場所をつくるための地域での話し合いの場、プラットフォームを構築する事業を県から委託され進めています。
ぼくも、この事業をちょっとお手伝いしているのですが、各地域には、子どもたちのために活動している人たちがたくさん居ることがわかりました。一つ一つの団体は小さく様々な課題を抱えていますが、こうした人たちが集まることでスキルやアイディアを共有し、課題の解決につながればと思います。

前回書いた高齢者の総合事業も地域の人たちのつながりが重要なポイントになります。
どれも根っこは一緒。
人とのつながりを再構築し、まちづくりをしていくことが喫緊の課題だと思います。

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