過去の水裁判

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*1994年4/29号 週刊金曜日

境メガソーラーの建設予定地近くにある小泉大泉湧水は、過去3回にわたり裁判が行われ守られてきた場所です。このことは平成6年に「八ヶ岳山麓を破壊する観光開発」と題して、週刊金曜日に掲載されました。非常にわかりやすい記事なので、週刊金曜日の記事を抜粋しながら、過去に起こったことを紹介したいと思います。

まず初めは1974年、同友興産が上蔦木区の財産区を「30年間借受ける」契約を結びました。内容は、264ヘクタールの土地に、リゾートホテルや学校寮・別荘地などを作ろうというものです。
これだけ大きな規模の開発で、しかも水の供給源も決まっていないのにもかかわらず、町は申請から2週間で簡単に許可を出してしまいます。同友興産としては、土地が確保でき、町の同意をえたので、次は水の確保が必要となりました。その供給源として、白羽の矢が立てられたのが小泉湧水です。

1976年、高森区の総会で小泉の水使用が議題にのぼりました。この時はあっさりと否決されています。
この水は高森区をはじめ、多くの集落の農業用水で使用されており、しかも水量はこれで手一杯だからです。そしてなによりも、この水の大切さは昔から語り継がれており、住民にとってかけがえのない泉でした。

しかし同友興産は諦めず、水を売りたいと考える一部住民と結託し巻き返しにはかります。個人に対し圧力をかける強引な手法により、集落は二つに割れ、家族が割れた家もあったといいます。そして1978年、ついに同友興産は、高森区長と秘密裡に水の売買契約を結んでしまいます。

それに対し、住民が差しどめ訴訟を起こし、2年半にわたる裁判が結審されました。
判決は「水利権者全員の同意が必要であり、区長との契約は無効」というもので、住民側の全面勝訴に終わりました。「水利権は水は個人のもの」というわけです。

当時の新聞をみると、この裁判により、集落に深い傷跡を残したことが伺えます。

S56 水裁判新聞記事

続いての開発は、長野県営林局による別荘地造成の「ふれあいの郷」事業、そしてゴルフ場の増設計画です。ゴルフ場の増設計画は、あの同友興産が、すでに町に許可を得ているということで進めましただ、町や同友興産は地域の人にまったく知らせずにいたようです。
地権者の同意を得るために集落を回り出したところから、計画が発覚、地域住民で「八ヶ岳南麓を守る会」が立ち上がりました。

信州大学教授の熊井先生が、土砂災害の危険性と湧水への影響を懸念する意見書を作成しています。しかし、ゴルフ場は環境アセスに入り、準備書では地下水の影響はほとんど無いとし県は了承をしてしまいました。このことからも環境アセスは事業者主体の調査であり、事業を止めるものでは無いことがわかります。

裁判は7年間続き、和解が成立しました。
この和解条項で、富士見町長は必要に応じて森林法による保安林の指定、県の水環境保全条例による水道水源保全地区の指定等関連法令の諸制度の総合的・体系的活用に努めることを表明しました。

先日、僕たちが提出した要望書や、名取議員が行った一般質問はこの和解条項を元にしたものです。

S56 水裁判新聞記事

係争地図

黒いところが、ゴルフ場増設で争った場所。その下の赤い枠が、境メガソーラー計画予定地です。ゴルフ場予定地よりも、さらに湧水に近くなりました。その距離は350mしかありません。

過去の歴史を見ると、「なぜこの土地なのか」という思いにかられます。
この場所での開発はするべきでは無いと思います。

4 Responses to “過去の水裁判”

  1. にわか富士見人 Says:

    まだメガソーラーを増やす計画があったんですね。
    不勉強なもんで、それ自体知りませんでした。

    これを読んで、考えものだなぁと思いました。
    過去の人たちが守り抜いた富士見の自然をたやすく壊したくはないですね。
    また、この自然を生かしながら活かす手段を考えたくもなってきました。

    しかし、なぜメガソーラーを増やす必要があるのでしょうか?
    富士見メガソーラー株式会社(でしたっけ?)が好調で勢いに乗ってる
    ということですかね?それとも別な意図があるのでしょうか?
    ちなみに、私は現町長の手腕は買ってます。

  2. さんきゅー Says:

    2011年に始まった固定価格買取制度により、太陽光発電は42円という高価格でスタートしました。
    今はソーラーバブルが起こっている状態で、各地で民間企業による乱開発が行われ問題となっています。境メガソーラーも営利目的による民間企業なので、直接町は関係ありません。

    八ヶ岳の西南麓は日照量が多く、夏は冷涼、冬の雪が少ないという太陽光発電のための条件がとても良いため、民間企業に特に狙われている地域です。
    北杜市は条例整備が遅れているため、ひどい状況で写真週刊誌フライデーにも取り上げられました。
    http://hokutonetwork.jimdo.com/

    県、町とも、民間がやることなので及び腰(不当に許可を出さなかった場合、裁判で負ける可能性があります)ですが、環境アセスを指導したり林地開発の許可、河川管理など、責任がある地位にあるわけですから、しっかりと取り組んでほしいとお願いしているところです。
    もちろん事業者であるレノバ社へも、何度も要望書等提出しています。

    現在の日本の法律は環境よりも経済が優先されてますので、こういった開発を止めるのはとても難しいです。住民と行政が一緒になって取り組むことが必要だと考えています。

  3. にわか富士見人 Says:

    リプライいただきありがとうございます。
    なるほど、町の事業でなく民間企業の動きだったんですね。
    背景がようやく掴めてきました。
    そうなると、なおさらこの町を守りたい意識が働いちゃいますね。

  4. さんきゅー Says:

    ありがとうございます。
    町長も議会や住民懇談会の場で「森まで切ってやるものではない」と、この事業に対して反対の発言をしています。だからといって止まるものではありませんが。。

    これからも情報は流していきますので、よろしくお願いします。

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