太陽光発電事業への対応を求める要望書

環境会議・諏訪の呼びかけで、県に「太陽光発電事業への対応を求める要望書」を提出しました。
要望は以下の4点です。

①太陽光発電事業者への供託金制度の創設
②太陽光発電事業への総量規制の導入
③規制すべき区域の設定
④地元市町村及び県の許可制とすること

参加団体は6団体。
大筋で同意できるものでしたので、ぼくたち境メガソーラーを考える有志の会も賛同しました。

マーケテング重視で進められた太陽光発電事業の普及は、各地で営利目的の乱開発が問題となっています。
阿部知事が提唱した「一村一自然エネルギー」は、地域の活性化やエネルギーの地産地消の考えが根底にあるはずですが、今の状況は、都市部の企業が営利目的で森林破壊をする、かつてのゴルフ場開発による森林破壊となんら違いはありません。
エコのイメージが付いている分だけ、たちが悪いかもしれません。

このような状況の中、全国に先駆けて大規模の太陽光発電施設を環境アセスの対象にしたことは、大変評価できるものです。しかし、環境アセスは事業を行うことが前提の事業アセスであり、アセスに入ってしまうと大きな変更が難しくなってしまします。アセスに入る前に、そもそもそんな事業が必要かどうかを地域住民の意見が反映されるような仕組みが必要です。

日本の法律は、農地に比べ林地の保全対策に不備があるように思われます。農業や飲料水、諏訪湖の浄化、ぼくたちの生活に関わる多くは里山の保全にかかっています。森林を守るための法整備が急務です。

長野県は県土の8割を森林が占める「森林県」であるため、これまで森林保全に力を入れてきました。また、水資源や森林の持続的な保全を目指し「水源林、水源、地下水保全」にも力を入れてきました。
県には更なる取り組みを期待します。

以下、要望書を添付します。
.
.
.

                               平成28年3月16日
長野県知事 阿部守一 殿

            太陽光発電事業への対応を求める要望書

                          環境会議・諏訪
                          岡谷・環境を考える会
                          境メガソーラーを考える有志の会
                          下諏訪の自然を守る会
                          諏訪自然塾
                          茅野市米沢北大塩有志

日ごろの環境行政へのご尽力に敬意を表します。
さて、改正環境影響評価条例による太陽光発電事業のアセスメント適用の第1号である巨大な「諏訪市四賀ソーラー事業(仮称)に係る環境影響評価」が始まりました。
太陽光発電にはメリットもありますが、デメリットも大きく、今後ますます増えると予想される太陽光発電のデメリットを少しでも少なくするための方策を今のうちに立てておく必要があると考えます。
以下のとおり提案・要望いたしますので、ご検討・対処をお願い申し上げます。

    ①太陽光発電事業者への供託金制度の創設
    ②太陽光発電事業への総量規制の導入
    ③規制すべき区域の設定
       ア、自然公園内
       イ、鳥獣保護区内
       ウ、絶滅危惧種生息地
       エ、土地利用計画の中の地域森林計画対象林
       オ、文化財のある地域
       カ、学術的に価値の高いものがある地域
       キ、ハザードマップで指定された地域
       ク、保安林(水資源涵養保安林を含む)
       ケ、水道水源保全地区(諏訪地域は未指定なので指定を要望します)
    ④地元市町村及び県の許可制とすること

①【理由】現在雨後のたけのこのように太陽光発電事業に参入する事業者が増えていますが、建物等の屋根等を利用したものはともかくとして、地上設置型で大規模なものはさまざまな弊害が考えられます。
太陽光発電事業は「自然エネルギーでエコである」をうたい文句にしていますが、実態は営利目的のビジネスであり、国が導入した再生可能エネルギーの固定価格買取制度により儲かる事業に変貌しました。その上、その事業には危険も伴います。
たとえば、台風・洪水・風雨・倒木・積雪・土石流・地すべり・地震などによって、太陽光パネル・パネルの架台・電気施設・送電線などの破損・倒壊・流出などが起こることが考えられ、実際に各地で起きております。
その場合に、発電施設の補修・撤去に多額の費用がかかり、また、他へ被害を及ぼした場合は補償費用もかかります。
そうした自然現象または経済的要因により、事業者が倒産することも起こりえることです。
それを破産した後で払えと要求しても実際上無理で、事業を始めたときに県または市町村など公的機関に供託金を積ませておく必要があると考えます。その供託金で被害補償や撤去費用をまかない、住民や環境への被害をできるだけ軽減する方策としてぜひ創設していただきたく要望したします。
なお、経済産業省によれば、太陽光発電に係る総事業費の5%が撤去費用として最初から見積もられていることを申し添えます。

②【理由】県の改正環境影響評価制度の対象になりそうな大規模な案件だけでも少なくとも11件あると報道されています。
地上設置型は森林伐採や土壌改変を伴い自然環境ばかりでなく、住民の生活環境にも大きな影響を与えるものです。これが野放図に増えないように、自然環境保全と生活環境保全のために、何らかの規制が必要と考えます。市町村ごとの、また県全体での最大面積あるいは最大面積率をあらかじめ定めて総量規制を導入していただきたい。以前、長野県においてゴルフ場開発などに総量規制を導入し、乱開発を一定程度防止したよい例があります。
とくに、森林伐採を伴う太陽光発電は、環境に与える影響が大きく、県環境影響評価条例にしたがって、第1種事業と第2種事業(森林)は分けて、第2種事業の総量規制はとくに厳しく設定していただきたい。できれば、森林伐採は原則禁止とし、森林伐採した場合は他所に植林を義務付けるくらいに厳しくしていただきたい。
そもそも森林伐採を伴う太陽光発電は総体でみてエコかどうか、検討の余地があります。今回の第1号の環境影響評価でその評価を出せるような徹底的なアセスメントをしていただきたい。とくに、マイナス面では、

  ①森林伐採による温室効果ガスの発生、
  ②その後たとえば20年間森林が果たしたであろう有益な効果を失わせたことによる損失
  ③太陽光パネル、その他発電のために必要な設備・土木工事資材の生産から使用・廃棄に
   至るまでのトータルで必要なエネルギー量など、総合的に収支を計算してみる必要があ
   ります。また地震等でパネルが破損した場合、有害重金属の流出等の懸念も指摘されて
   います。

特に長野県は日本において、太陽光発電の発電効率が最も高く有利な県といわれ、日本中からばかりでなく、外資の参入規制がないため世界中の事業者に狙われています。一度作られてしまえば20年以上続くはずの事業です。
固定価格買取制度によって発電事業者が手に入れる利益は、一般家庭と企業の財布から出されています。再生可能エネルギー促進賦課金の名称で、現在1kwh当たり1円58銭が通常の電気料金に上乗せされ高い料金となり、家庭も企業活動も圧迫され、日本経済発展の足かせとなることさえ懸念されています。実際、イタリア・スペインでは制度が停止され、ドイツでは買取価格を激減させております。

以上のようにさまざまな弊害があるので、ぜひとも早い段階で供託金制度、総量規制、規制区域、許可制を導入して、後から悔やむことのないように対策を取っていただきたい。

担当部局は、環境部・総務部、その他多部局にわたると思われますが、部局横断型で早急にご検討、ご対処いただきたくお願い申し上げます。     

                                     以上

Leave a Reply