環境影響評価条例

先日、県の主催の1月に改正された環境影響評価制度についての説明会に参加してきました。
環境影響評価とは環境アセスメントのことで、開発事業による環境への影響を事前に調査し、予測・評価し環境に配慮した事業にしていくための手続きで、長野県は条例により大規模の太陽光発電も対象としました。全国で初めてのことです。

流れとしては、まず方法書を作成します。
対象事業の目的や内容を明確にし、調査・予測・評価を行う項目及びその手法を公表します。
先日、説明会があった諏訪四賀ソーラー事業の方法書はこちら

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*長野県HPより

方法書は公開され住民の意見を募り、知事や市町村長の意見が反映されます。
ちなみに諏訪四賀ソーラー事業は3月4日まで住民の意見を求めています。

方法書が作成されると環境影響調査の実施となり、その結果を公表するための前段階である準備書。評価書を作成後、工事の着手に入った後の事後調査報告書で住民の意見を聞く場があります。

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*長野県HPより(配慮書手続きの導入は、平成28年10月1日から)

住民からの意見を聞く場が3回あるわけですが、環境アセスの最も重要な要素として住民参加があります。
環境価値には専門家の判断に依存できる部分と、地域住民の判断が尊重される部分があるためです。科学的知見が必要な部分は専門家の役割が重要ですが、人々の暮らしに関わる精神面や快適性、景観や歴史的文化的価値のようなものは地域の人でなければ判断ができません。
環境アセスというと科学的分析に特化して考えてしまいがちですが、そこに住む人たちの居住環境への影響は科学的な数値だけでは判断できず、住民参加による合意形成はとても重要なことだと思います。

環境に配慮した持続可能な社会をつくっていくのには、環境アセスの実施はとても重要なことですが、問題がないわけではありません。

一つは環境アセスの費用は事業者負担のため、事業者がコンサルを雇い影響評価を行うことです。会場からも指摘がありましたが、お客様に不利になるような評価書は作成しずらいもので、「アワスメント」と揶揄されるのもこのためです。信ぴょう性を高めていくことはアセス制度の大きな課題で、そのためには技術委員会の役割が重要になってくると思います。

そしてもう一つは、この環境アセスは事業を行うことを前提とした「事業アセス」ということです。
事業を実施にあたり、環境に及ぼす影響を緩和するために予測・評価するもので、このことにより環境への負荷が軽減されることは望ましいことですが、そもそも、その事業が本当に必要かどうかから検討するべきだと思います。

海外では事業アセスに対し、計画の初期段階に行う「戦略的アセス」として広まっています。
ぼくは、森林を伐採してまでも山奥に巨大なメガソーラーを建設することが本当に必要なことなのか理解できません。10月から取り入れられる方法書の前の配慮書は、戦略的アセスに近いもののようですが、日本でも埼玉、東京などで条例化が進んでます。長野県も検討すべきだと思います。

太陽光発電が環境アセスの対象となったことは、非常に喜ばしいものだと思います。
しかし、環境アセスがきちんと機能せず、単なるお墨付きになる可能性もあります。
そうならないために、住民ができること。行政がやるべきこと。
できることは、いろいろあるような気がしています。

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