コミュニティ財団

長野市で、全国コミュニティ財団協会主催の「コミュニティ財団ガイドライン策定委員会兼会員勉強会」が2日間にわたり開催されました。最近、みらい基金の仕事をちょこちょこやらして貰ってるので、ぼくも参加させていただきました。
ちょっと刺激的な集まりだったので紹介しておきます。

コミュニティ財団とは、寄付などを集めて原資にしているところが多く、NPOなどの市民団体の公共的活動を資金面から応援し地域の課題解決にあたります。他の財団との違いは、地域に密着していることが特長。認定NPO法人長野県みらい基金は、地域を長野県としてNPO、市民団体を応援しています。

初日は情報共有ということで、各団体の活動紹介のほか、休眠口座、遺贈などの話がでました。

休眠口座というのは、10年間使われず本人確認もとれないような口座のことで年間1000億円〜800億円あります。この休眠口座を議員立法で公共的活動に使えるようにする動きがあるのですが、決まりそうな状況になってきたそうです。コミュニティ財団が使えるお金はmax500億円ぐらいで、「子ども及び若者支援、日常生活を営む上で困難を生じる者の支援」に使われることになります。臨時国会が開かれなくなったので、ちょっと先になりましたが次の国会では、ほぼ通るだろうとのことでした。

しかしマイナンバー制度も始まり、管理が行き届くことで休眠口座も無くなるので、活用できるのは10年ぐらいではないかということです。その間に休眠口座の資金を活用してローカルの中でどのような仕組みを作っていくのかが今後のテーマになるだろうとの話でした。

続いて遺贈の話です。
3日ぐらい前に公表された政府税制調査会の中間報告に以下の文言があります。

「税を通じた再分配だけではなく、遺産による寄付等を促進するなど、遺産を子・孫といった家族内のみで承継せずに、その一部を社会に還元することにより、次世代における機会の平等や世代内の公平の確保等に資する方策を検討することが重要である」

税調が自分の取り分を放出するような発言は前代未聞で、今後、相続税の方面でも税制改革により「寄付」が促進されるであろうと思われます。これは国、行政だけでは多様化した社会の中で解決できない課題が多く、市民の力で解決をしていく方法を模索していかなければいけない状況になったと言えるでしょう。

しかし、この遺産が地方からかなり首都圏に流れてしまう可能性があります。
地方で高齢者が亡くなって相続者が東京に住んでいる場合、当然遺産は東京に流れていきます。その規模は今後20~30年の間に20~30兆円と言われています。

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*図・「相続で多発する家計資産の地域間移動」住友信託銀行より

長野県は、かなりヤバい方ですね。
この問題は結構深刻で、遺贈や寄付、ふるさと納税の活用などの対策を講じていく必要があります。3億円弱も使ってテレワークで何人呼んだとか言ってる場合ではないような気がします。

次の日はガイドラインの作成のためのワークショップです。
休眠口座の活用に伴い、コミュニティ財団に参入してくる団体は多いと予想され(すでに協会に問い合わせはいくつかあるとのこと)、コミュニティ財団をきちんと定義したガイドランが必要とのことです。

コミュニティ財団は地域に密着し、地域の課題解決のための公共的活動を支援するものでなければいけません。今回の集まりもこのガイドラインの作成が目的で、このガイドラインは年度内にもできあがると思われます。

地域ごとそれぞれの特色があり、そこに住む人々が幸せに暮らすためには中央集権型ではなく、市民を中心としたまちづくりが必要だと思います。地方分権や改正NPO法、今回の休眠口座、コミュニティ財団など、国も世の中もその方向に向かっているのですが、まだまだ地方がついていけてない状況です。東京の価値観で物事を考えることから独自の価値観からまちづくりを考えていかなければいけないでしょう。

これからNPOを立ち上げる側としては、公共的活動の支援について熱く語っている人たちをみて心強く感じました。
今回の介護保険法の改正は市民力が試される改正です。ぼくたちNPOは、こうしたシステムをうまく利用して、良いまちづくりの一翼を担えたらと思います。

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