CCRC

今年度の住民懇談会が始まりました。
総合計画の内容も兼ねての説明なので、前段はテレワークを含む人口問題の話です。
富士見町はこれから5年間で500名の人口減が見込まれるので、その500人をゼロに目標を設定しました。

富士見町の創生戦略目標
 目標:5年間で▲500人を ゼロ へ

 ・テレワーク推進事業           150人
 ・新規就農                150人(法人も含む)
 ・一般移住           フリー   50人(実現中)
                 CCRC   100人
 ・子育て支援の充実             20人(出生率1,6→1,8)
 ・企業誘致                 30人

ちょっと気になったのはCCRCの100人。
ここでCCRCについて簡単に説明しておきます。

Continuing Care Retirement Community(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)のことで、高齢者が元気なうちに地方に移住をして、介護が必要になっても継続して支援を受けられるというコミュニティのことです。
アメリカの成功に習って、この仕組みを地方創生に活用しようとしているのが日本版CCRC。最近名称を「生涯活躍のまち」としました。

「生涯活躍のまち」構想の手引きによりますと、内閣官房の意識調査では、東京に住む人で地方に移住を希望している人は、50代で男性50,8%、女性で34,2%、60代では男性36,7%、女性28,3%にのぼり、こうした中高年者は高齢期を第二の人生として、新たな暮らし方や住み方を地方に求めているといういいます。

これから東京圏で、介護・医療の施設・人材が不足していく中で、こうしたアクティブな中高年者が地方に来て、積極的に就労や社会活動に参画すれば地域の活性化にも効果。人口が減少していく中で、高齢者の移住により医療介護サービスの活用や雇用の維持が図られること、また、空き家対策にもなるじゃないか。と良いこと尽くしで書いてあります。

従来の高齢者施設等との基本的な違い(手引きより)
images

果たして本当に良いこと尽くしなのでしょうか。
政府は高齢者の地方移住を推奨し始めそこに補助金をつけ始めましたが、その反面、介護報酬は下げられ介護の現場からは悲鳴が上がっています。
介護保険法は改正され要支援の予防給付は外されました。これは地域の支え合い、助け合いで代行しろということで、一般市民の大量のボランティア参加を前提にしています。

今やるべきことは高齢者の移住の受け入れではなく、これからの地域の高齢者福祉をどのように作っていくかだと思います。

そこで以下の質問をしてみました。
介護報酬は下げられ介護に現場は厳しくなってきている。介護保険制度は改正され要支援の予防給付は地域支援事業に回された。高齢者を受け入れる前に、地域の高齢者福祉に力を入れるべきではないか。
高齢化率の上昇が問題視されている。高齢者が増えることでの弊害は考えられないか。
また、その対策は考えているか。

町長・・・介護報酬の引き下げもだが、他の要因でも人材不足の問題は考えられる。しかし都会の事業者が施設を求めて富士見町に来た場合、介護職員も連れてくる可能性もある。また海外からの介護従事者の受け入れも考えていくつもり。
この計画は来年度からすぐに人でいっぱいにするというものではなく、息の長いものとして考えている。CCRCは国の進める事業でもあり、課題は解決されていくと思われる。

原村で高齢者の医療費を無料化にし財政に多大な負担をかけたことがあるが、今回のケースは元の住所地が医療費などを負担するので、この問題はない。そのことよりも移住者が地域に溶け込めるかが問題。このことは高齢者だけの問題ではないが、富士見の住民と移住者が共に地域づくりをしていく醸成をしていきたいと考えている。

このCCRCではサ高住(サービス付き高齢者住宅)を団塊の世代の受け皿に考えている節があります。サ高住に新たなビジネスチャンスを見出している人は多いようで、いまの若者は貧乏なので、こうしたお金を持っている高齢者を対象としたシニアビジネスが、これからは盛んになるのではないでしょうか。自治体にしてみればこれで地方に高齢者が移住してくれば、元気なうちは消費などで地域の活性化にもなるだろうとの思いもあるのでしょう。

しかし、企業がそこにビジネスを感じるのは結構ですが、自治体は10年先、20年先も考えていかなければいけません。

s_koureisya-2-2-2-2
図:介護保険の現状と今後・厚労省

75歳以上の人口は2025年までは急速に伸びています。
2030年ごろからは、75歳以上の伸びは無くなりますが85歳以上の人口は10年程度増加が続きます。

いま元気な高齢者が来るのはよいけれど、2030年からの10年間は施設を必要とする高齢者が増えるわけで、その時の富士見町の高齢者支援体制はどうなっているかも考慮していかなければいけないと思います。

政府が補助金を出すからといって流行りに乗っかる構造は非常に怪しい。
高齢者を受け入れることに反対はしませんが、まずは課題が多い足元の地域福祉の充実を考えていただきたいと思います。

Leave a Reply