縄文土器修復問題のスクープ

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先週のサンデー毎日に縄文土器修復の問題が取り上げられました。
前井戸尻考古館長が、文化庁指定の土器の修復方法は樹脂で固め、元の風合いを残さない過剰な修復だとして告発している内容です。

藤内遺跡出土品の重文指定のおり、文化庁が指定の方法で修復を要請してきましたが、壊れてもいない土器をバラすのも変な話ですし、つなぎ目も無くし樹脂でテカテカに仕上げた修復方法は考古遺物というよりは美術工芸品のような仕上がりになってしまいます。
また、その費用は高額で一体につき、数10万円から数100万円もします。

*この問題は今年3月議会の一般質問で取り上げました。
      藤内遺跡出土品の修復についての一般質問

サンデー毎日の記事は、文化庁しての修復方法で土器が「変造」されたことを中心として書かれているため、ゴシップ記事のようなイメージも受けますが、前館長たちが日本考古学協会に提出した要望書は、重要文化財の修復に関わる行政上の問題、学術上の問題を挙げ全国的な検証調査を行っていくことを望む内容です。

文化庁指定の修復方法には明文化されたものはなく、法的根拠はありません。文化庁は修復が重文指定の交換条件ではないとしながらも、サンデー毎日の取材に「修理を含め、信頼関係がないままでは辛いので、冷却期間を置かせて欲しい」として2,3年は富士見町の重文追加指定に向けた調査を行わない「棚上げ方針」を明言した。(サンデー毎日より抜粋)とあります。重要文化財とは歴史上、学術上重要なものを指定するのかと思っていましたが、「信頼関係」を持ち出す文化財調査官のコメントには驚きです。

考古学界重鎮3名のコメントが寄せられていますが、名古屋大学名誉教授渡辺誠氏のコメントがわかりやすいので紹介しときます。

…たとえば、「出産土器」は壊すことで人の再生を表す儀式的な使われ方をする土器だ。従って壊れていることに意味があり、一般の人が見てもその痕跡がわかるような修復をすれば、縄文土器への理解が深まるのではないか。
また土器も当時、病気平癒などを願い壊されるために作られたのだが、ほぼ壊れていない状態で出土されることもある。その場合は土偶そのものの形を見せるのがいい。
土器土偶にはそれぞれ意味や用途があり、それに沿った復元がなされるべきだ。

…再修復する際は、すべてバラして再度組み合わせる方法を取っている場合が多い。だが、それ自体が土器を痛める原因であり、一番の問題だ。接合部分が外れている部分だけを補修するなど、新たな修復の手法をとることも重要でなないだろうか
                             〜サンデー毎日抜粋〜

今週のサンデー毎日によると、8月にも埋蔵文化財保護対策委員会の第一回の会合を行う方向で検討中とのこと。
国民に見える形で議論していただきたいと思います。

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