武力行使の新3要件

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先日、久しぶりの自治体議員立憲ネットワークの集まりに行ってきました。
議員ではなくなったので共同代表を辞任し、とりあえず退会することにしました。
これからはオブザーバーとしての参加。まだ「戦争をさせない1000人委員会・すわ」の共同代表でもありますし、これからもこの問題には関わっていこうと思っています。

国会では安全保障関連法11法案が審議入りしました。
朝日新聞の記事によると、菅義偉官房長官が日本への直接のミサイル攻撃ではなくても、「武力行使の新3要件」を満たせば、集団的自衛権で敵国の基地を攻撃することが憲法上認められるとの見解を示したそうですが、産経新聞は以前から認められていた個別自衛権で認められていた範囲(昭和31年鳩山一郎答弁)とし、この記事を朝日の歪んだステレオタイプの記事だと批判しています。

では、「武力行使の新3要件」についておさらいしてみましょう。

これまでの個別自衛権の3要件は

①我が国に対する急迫不正の侵害があること
②これを排除するために他の適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

・この3つの要件を満たした場合、個別自衛権を認めてきました。

武力行使の新3要件は

①我が国、または我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、
 これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から
 覆される明白な危険があること
②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

・自衛の措置として「武力行使」を認めます。

すでに認められているとしている根拠は、昭和31年の鳩山首相の「…他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」ですが、あくまでも個別自衛権の範囲の中の話であり、新3要件の①に「我が国と密接な関係にある他国」と入った時点で昭和31年当時とは状況が違い、武力行使の範囲が広がったと見る朝日の見解は正しいと思います。

「我が国に対する武力攻撃」という部分ですが、それはあくまでも「国または国に準ずる組織」による武力攻撃をいいます。ですからテロはその範囲に入りませんし、外国の軍隊であっても、国家としての意思が認められない場合、一部の軍隊の暴発といった場合も「わが国に対する武力攻撃」とは考えません。

ですから海外での邦人人質の場合も、「わが国に対して」でもなければ「武力攻撃」でもないので、自衛権ではなく警察力の問題となります。

海外の治安が悪くなったから邦人を守るために安保関連法案が必要と考えている人がいるようですが、そのことは次元が違う問題で、冷静に判断する必要があります。

①②は自衛権の発動要件ですが、③は現実に発動した後の要件になります。
「必要最小限度」とは、そもそも国民に対する権利侵害を排除するため、「必要最小限度」の範囲で認められるというものであり、集団的自衛権とは、わが国が直接武力攻撃がない状態ですから、この場合の「必要最小限」とは何なのかは不明です。

安倍内閣のあたふたとした国会答弁を聞いていると、武力行使の新3要件のもと、なんでもありの状況をつくるための安保法案整備になりそう。非常に非常に危険を感じています。

がんばれ、野党!

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