改正介護保険法についての一般質問

介護保険制度が来年度からの改正で大きく変わります。
軽度者の「要支援1・2」の予防給付のうち訪問介護と通所介護(デイサービス)が外され、地域支援事業として市町村の責任に移ります。

介護保険はこれまでも3年に一度の見直しをしてきましたが、今回の改正は国が直接サービスを給付するのではなく、市町村が地域支援事業として市民相互の支え合いの体制をつくり対応するという、これまでの改正とは違う大変革だと言っていいと思います。

2000年から始まった介護保険制度は3,6兆円の規模から始まり、2013年度には9,6兆円にまで膨れ上がりました。この改正がなかった場合、2025年には21兆円にまでなると予測されています。
要するにこの改正は介護保険にかかる財源を減らし、市民の支え合い(ボランティアなど)に頼り、その旗振りを市町村が行うというものです。

そこで以下の5つの質問をしました。

①平成27年度に改正される介護保険制度では、予防給付のうち訪問介護・通所介護が地域支援
 事業への移行される。どのような計画で行われるか。

介護報酬額は、75歳以上高齢者人口の伸び率4~5%を限度としています。毎年対象者は6~7%増えると言われていますから、介護報酬は減らされ、今の7割前後を想定している自治体が多いようです。

②新基準の単価は「国が定める額(予防給付単価)を上限としつつ、ふさわしい単価を定め
 る」とあり、現行の介護保険報酬単価よりも下がると思われる。どのような対策を考えて
 いるか。

国の示したガイドラインでは地域ケア会議の活用を推奨しています。
地域ケア会議とは、自治体職員、包括職員、ケアマネージャー、介護事業者などの専門職で構成され、個別の課題を把握し地域の課題を解決していくところです。

③地域課題を共有し、課題解決に向けた関係者のネットワーク構築 や資源開発、施策化を図
 っていく地域ケア会議の設置状況は。

高齢者への支援サービスは多様な主体からなる「協議体」で行うことになっています。
主なサービスは家事援助、交流サロン、声かけ、配食+見守りなど。
事業主体は民間企業、NPO、協同組合、社会福祉法人、ボランティアなどを想定しており、生活支援コーディネーターが地域資源の開発、ネットワークの構築、ニーズと取組のマッチングを行います。
そして、この協議体は自治体がつくることになっています。

④多様な主体による、生活支援・介護予防サービス充実のための「生活支援コーディネータ
 ー」と「協議体」は、どのようにつくっていくか。

60代、70代をはじめとした高齢者の多くは、要支援状態や要介護状態に至っておらず、地域で社会参加できる機会を増やしていくことが、高齢者の介護予防にもつながっていく。できる限り多くの高齢者が、地域で支援を必要とする高齢者の支えてとなっていくことで、より良い地域づくりにつながる。(厚労省ガイドラインより)

⑤介護予防・日常生活支援総合事業ガイドラインで推奨している、生き甲斐や介護予防のため
 の高齢者の社会参加について、どのように実施していくか。

町長の答えは①〜④まで一括で

今回の改正は、買い物、ゴミ出し、話し相手など、介護専門職でなくても、提供可能なサービスを地域で行う事がポイント。この活動を通して地域の絆が強まるように、町全体で意識を持って取り組む。地域包括支援センター、社協、住民福祉課を中心に移行期間である2年以内に実行に移す。

⑤に関しては

6市町村の中で富士見町は、介護予備者が多く、憂慮すべき状況。
改善するためには、仲間を作り、生きがいを持ってもらうことが必要。現在、高齢者クラブ等の支援に力を入れている。

介護保険事業のなかで要支援1・2は5%にすぎません。ドイツの介護保険は日本の要介護3,5以上を対象としており、最近介護保険制度を導入した韓国もドイツにならった制度設計をしています。
今回の改正で特養は要介護3以上になりましたし、将来は要介護1,2も保険制度から市町村の事業に移行されることも考えられます。

また、これまで使っていた要支援1・2の予防給付資金は、初年度については100%地域支援事業に回りますが、2年目からは後期高齢者の伸び率以下に抑えなければいけません。2年の移行猶予はありますが、なるべく早く移行したほうが有利であり、将来想定される改正に備え、早めに協議体作りに着手したほうが良いのではないか。

担当課

早めの移行は有利ではあるが、諏訪6市町村広域で話し合いが始まった段階。広域では、法令で認められている平成29年4月までの移行を考えている。
新制度の細部が未確定のまま、大枠の介護保険制度の改正が示されている状況。先進事例を研究し、現状の取り組みを精査しながら進めていく。

全国約1800ある自治体で来年から制度を移行する自治体は100ぐらいだそうです。
今回の改正は、地域の資源をつかってお金をかけずに支え合いの仕組みをつくれという、これまでの行政には無かった仕事です。行政側に戸惑いがあるのは仕方がないことだと思っています。

しかし年金、医療も含めた社会保障費が、国家予算を上回る104兆円となった今、この制度を受け入れるしかありません。成熟した社会は経済が停滞し、町民のニーズが多様化するのは当然のことで、これを対処していくのには町民と行政が協働で社会を作っていくしか方法はないと考えています。

最後に町長に「協働」について、どのような考えを持っているか聞いてみました。

富士見町の中で、協働の精神は伝統として生きている。しかし協議体をつくることよりも今ある問題の解決のために個別の課題を個々に考えていくことが重要。そのためには現状を町民の皆様に知ってもらうことが必要だと考えている。

今回の改正は高齢化社会を乗り切るための”まちづくり”をしていくということであり、自治体によって大きく差が出ることも想像できます。
富士見町は認知症対策など、他の地域よりも進んでいる取り組みが多くあります。
強みを生かしながら、市民参加を促すこと、介護以外の町内にある各種団体と連携をとることが重要です。これからの”まちづくり”のため、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。

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