小出さんの講演

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5月3日の憲法記念日は、諏訪地方憲法集会とぼくたち脱原発すわ連絡会とで、京都大学の小出裕章さんをお招きして「原発と憲法」と題してお話をしていただきました。

福島原発事故の当日何が起こったか、その後の世界、政府の対応は憲法前文に書かれた「国民がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること・・」に反するとのお話でした。
憲法の話を交えたためか、いつもより聞きやすかったように思います。

1時間半の講演のあと、別室に移っての質疑応答は100名ほどの参加。かなり濃い内容だったので、いくつか紹介したいと思います。

なぜ、原発を動かしたがるのか?

電気料金は必要経費と事業利益を足したもので成り立っているが、この利益の計算が設備(資産)を基準に計算されるため、資産を増やせば電力会社は儲かるしくみ。
電気事業法で競争は制限され、原子力損害賠償法で事故があっても電力会社は保護されているため、原発(一基4~5000億円)の廃炉は資産から不良債権へと変わってしまう。

「原発を無くしたら核兵器が作れなくなる」という石破さんの発言にもあるように、こうした考えをもつ政治家は多い。しかし日本は今までの原発使用により、既に長崎原爆4000個分のプルトニウムを保有している。このことは世界中から非難されている。
ただし日本が持っているプルトニウムは性能が悪く、核分裂するプルトニウムは70%、残りの30%は核分裂をしない。優秀な原爆は90%核分裂する必要があり、これを可能にするには高速増殖炉もんじゅの稼働が必要。

海産物を測るとき、ガンマ線だけでなくベータ線を測るべきでは?

これまで行われてきた大気圏内核実験で、人間に一番危害を与えた放射性物質はストロンチウム90。ストロンチウム90はベータ線しか出さない。
ストロンチウム90はカルシウムに似ているため骨に蓄積しやすい危険な放射性物質だが揮発性が高い。そのため福島原発事故のとき、大気中にはセシウム137の1000分の1しかなかったため、土壌や農作物を調べる場合セシウム137(ガンマ線)を測るのは正しい。

しかし本来ストロンチウム90、セシウム137は1対1の割合であり、ともに水溶性のため、汚染水が垂れ流されている現状を考えると、海産物を測る場合はストロンチウム90(ベータ線)も測定する必要がある。
ただしストロンチウム90を測定するのは困難で、測定に1週間はかかる。

その他にも、戦後つぶされてしまった原子力研究は1954年から再び始まったが、世界の水準からは決定的に遅れており、日本は科学技術立国でもないし、原子力先進国でもない。などおもしろい話をたくさん聞くことができました。

さて、福島原発事故から3年が経ちました。あの事故を体験したあと世の中はどう変わったでしょうか。
この前閣議決定されたエネルギー基本計画では原発を重要なベースロード電源と位置づけし、「原発ゼロ」方針から大きく転換しました。

まだ原発が無ければ経済成長が成り立たないと思っている人たちが多くいます。

いったいこの国はどうなっているんでしょうね。

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