CAPの導入についての一般質問

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④子どもたちがいじめや暴力から身を守るためのCAP(子どもへの暴力防止プログラム)の導入について検討すべきではないか

   答弁者   教育長

前回の「子どもの育ちを支えるしくみについて」の一般質問の続きです。

CAPとはChild Assault Prevention(子どもへの暴力防止)の頭文字をとったもので、こどもたちがいじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力 といったさまざまな暴力から自分を守るための人権教育プログラムのことです。

1978年、アメリカ・オハイオ州で小学校2年生が登校途中にレイプされる事件をきっかけに、不安に怯える子どもたちと親の安心を取り戻したいとの願いから生まれました。

CAPプログラムには、子どものためのもの、大人のためのもの、教職員のためのものがあり、知識中心の教え込む学習形態とは異なり、参加者が自ら考え、意見を延べ、ロールプレイ(役割劇)に関わる方法で進められます。
日本には1985年、森田ゆり氏によって紹介され、今では日本全国で150以上のグループが存在し関東のJ-CAPTAと関西のCAPセンターJAPANがあり、県内ではJ-CAPTAに所属する長野市を中心としたCAPながのと諏訪を中心としたCAPしなのの2団体があります。

長野県の子どもの支援条例を策定するための検討委員会「子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会」の調査結果によると、

体罰・虐待やいじめ、暴力などによる権利侵害を受けた子どもは、1~2割存在し、性的ないやなことをされた経験を持つ子どもも約2%いる。また、地域でも「危ない思いをしたことがある」子どもは約2割いる。子どもの安全・安心が脅かされている現状が浮き彫りにされた。

とし、

このような権利侵害に対して、子ども本人はがまんする傾向があり(約6割)、しかもその苦しさは「毎日がつらい」「生きていたくない」と感じるほどに深刻なものとなっている。他の人への相談など、子ども自身による解決への努力のあとが見られるが、自分を責めて我慢をしている子どもが3割以上いることから、苦しむ子どもへの対応が求められる。

とあります。

いやな思いをしたとき、あなたはどんな気持ちになりましたか。

他の人に相談してなんとかしてもらおう・・・7,4%
自分自身がしっかりしなければいけない・・・20,1%
自分が悪いのでしかたがない     ・・・33,4%
毎日がつらい            ・・・9,5%
生きていたくない          ・・・8,4%
その他               ・・・14,4%
無回答               ・・・6,3%

そのとき、あなたはどうしましたか。

やめてほしいと言った ・・・13,3%
がまんした      ・・・58,3%
だれか他の人に相談した・・・8,0%
その他        ・・・11,3%
無回答        ・・・8,7%

そう、子どもたちは嫌なことがあってもがまんをし、そして自分を責めてしまう。
これは”自己肯定感の低さ”の問題とも関連があることのように思います。

このような状況を改善するひとつの手段としてCAPのプログラムは有効だと思います。
CAPの基本的な考え方として、3つの柱があります。

・エンパエワメント

子どもたちの力を信じ、「あなたには〜ができる」と行動の選択肢と問題解決の方法をともに考え、子どもたちの暴力に対処する力をサポートする。

・子どもの権利

「あなたは大切な人だよ」ということを、「あなたは安心して自信をもって、自由に生きる権利があるんだよ」とわかりやすく説明し、このような権利が奪われそうになったとき、NO(いやだと言う)、GO(逃げる、その場を離れる)、TELL(誰かに話す)の3つの方法を伝える。

・コミュニティ

子どもたちの人権意識を育て、おとなたちにも子どもの人権を尊重するように啓発することで、暴力のない安全な社会をつくる。

このCAP、自治体では塩尻市が2006年から年間約70万円の予算で導入しています。
富士見町の規模なら30万円ぐらいでしょうか。

以下、塩尻市でCAPを受けた人たちのアンケートの一部です。

教職員

・CAPを受けたあと、子どもたちの思いを受け止められるよう、私たちがしっかりと子どもたちに向かい合い受け止めていくことが、大切だと改めて思った。

・教室にあるいじめに対してどういう言葉で対処すれば良いのかのヒントが多くあり、ありがたかったです。

大人

・このワークショップに参加していなかったら、子どもが学んできたことを理解することも、一緒に考えることも出来なかったと思う。参加してよかった。

・子育ての上で、どうしたら良いのかと思うことがいくつもあり、とてもわかりやすく教えていただき勉強になりました。

こども

・友達関係で嫌なことがあったけど相談できなかった。けれどこれからは相談してよいと思った。友達の相談にものってあげたい。

・O君がいじめてくるのでやめてもらえると思う。楽しく教えてくれたから良かったと思う。

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なんとなく道徳教育の強化よりも効果があると思いませんか?

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教育長の答弁は

良いものだと思うが、予算に関わることは今すぐ実施するとは答えられない。

教育行政の理事者は教育長ですが、予算権は町長にあります。
予算権のある町長は住民懇談会で、町民からの質問に対し「これからは子どもたちのメンタルに力を入れる」との発言もあり、まずは教育委員会で検討してほしいと述べました。

今思えば、町長にも答弁を求めれば良かったと思います。
反省。

これに対し教育長から「持ち帰って検討する」との答弁を頂きました。

これで子どもたちの育ちを支えるための話し合いの場、それと具体的な取り組みとしてのCAPの導入について教育委員会で検討をしていただくことになりました。

なんだあ、結局検討課題にしただけじゃん。なんて思うかもしれませんが、僕だって議会での一般質問(質問は3回まで)をやったからといって、すぐに事が進むとは思っていません。
でも議場で取り上げ、問題意識を公開の場で共有することは、大切なことと思ってます。

2つのテーマ、これから真剣に取り組んでいこうと思っています。
これからですから。

*CAPに興味がある方は「あなたが守る あなたの心・あなたのからだ」というプログラムの内容を紹介した絵本があります。ぜひ、手に取ってみてくださいね。

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