子どもの育ちを支えるるしくみについての一般質問

1,子どもの育ちを支えるるしくみについて

①子どもたちの自己肯定感の低さが問題となっている。自己肯定感を高めるための取り組みについて、どのように考えているか

②去年3月、一般質問で「子どもの権利条例」についての意見交換の場をつくるとの答弁だったが、その後進捗状況は

③平成25年制定されたいじめ防止対策推進法には、教育委員会、学校の役割があるが今後のどのような取り組みをしていくか

④子どもたちがいじめや暴力から身を守るためのCAP(子どもへの暴力防止プログラム)の導入について検討すべきではないか

   答弁者   教育長

いま、こどもたちの自己肯定感の低さが問題になっていることは以前にも紹介しました。

このことについて教育長は

70年代にも政府は子どもたちの自己肯定感について調査しており、40年たった今でも同じ状況。先進17カ国なかで、日本の子どもたちは桁外れに自分に自身を持っていない。早々に自分の未来に見切りをつけてしまう。また日本の子どもたちの学力は世界の中でもトップクラスだが、勉強が好きかとの問いには否定的な意見が多い。
自己肯定感を高めるためには、原点方式ではなく、ほめることで子どもたちの持っている能力を伸ばすことが必要。

自己肯定感の問題が40年も前から問題視されていたとは知りませんでした。
国民性の問題でしょうか。
これは根の深い問題に感じます。

さて、今回のテーマは子どもたちの問題を考える場合「いじめ」「不登校」「少年犯罪」など、抜きだして考える傾向にあるが、子どもたちの現状を考えながら包括的な子どもの育ちを支えるしくみを考えるべき。との考えからきています。

③のいじめ防止対策推進法の問題点は以前にも紹介しました。

いじめの構造は複雑で、いじめられる側、いじめる側の境がない場合も多く、入れ替わる可能性もあるなど単純ではありません。

また、この法律の基本的施策の第一番目に「道徳教育の充実」が謳われています。
ぼくは昔から道徳って言葉が大嫌いでしたが、いろいろと調べていたら「道徳教育は本当に道徳的か」という、今まで道徳という言葉に感じていたうさんくささを証明してくれた本に出会いました。

この本の冒頭で「手品師」という道徳教育の副読本を紹介しています。

○『手品師』あらすじ
 あるところに、腕はいいのですがあまり売れない手品師がいました。その日のパンを買うのもやっとでしたが、大劇場のステージに立てる日を夢見て、腕を磨いていました。

 ある日、手品師は小さな男の子がしょんぼりと道にしゃがみこんでいるのに出会いました。男の子はお父さんが死んだ後、お母さんが働きに出て、ずっと帰ってこないというのです。手品師が手品を見せると、男の子はすっかり元気になり、手品師は明日もまた手品を見せてあげることを約束しました。

 その日の夜、友人から電話があり、大劇場に出演のチャンスがあるから今晩すぐに出発して欲しいというのです。手品師は、大劇場のステージに立つ自分の姿と男の子とした約束を代わる代わるに思い浮かべ、迷いました。そして手品師は、明日は大切な約束があるからと友人の誘いをきっぱりと断りました。

 翌日、手品師はたった一人のお客様である男の子の前で、次々と素晴らしい手品を演じてみせました。
                               〜光村HPより〜

うつくしい話です。

文科省の指導資料にはこう書かれています。

人間らしく、豊かな生活のあり方を、物質の充足という面からのみ考える傾向の強い現代の児童たちに、相手が幼児にあっても、人格を尊重し、自己の言動に対して責任を持ち、誠実に行動した手品師の行為は、美しく、さわやかな、そして心温まる感動を呼ぶものであろう。

作者は、この作品の不誠実さを指摘します。

①自分を「推薦」してくれた友人の立場を誠実に考慮しているとはいいかねる。
②「男の子」に対してうわべだけの配慮をし、彼の悲惨な境遇に誠実に向き合おうとしない。
③手品師として成長していきたいとする自分自身のニーズに誠実に向き合っていない。
④手品の優れた芸を待ち望んでいる「大劇場」の観衆のことを考えていない。

などなど

この話でもわかるように、道徳は利己主義の否定や、利他主義が思いやりにつながることを讃えています。

その一方で市場モラルではどうでしょう。
自己実現のために自分を主張することを讃えています。

道徳というのは時代や場所、文化の違いにより異なり、ひとつの真理ではありません。
山本七平氏のいう「空気」みたいなものかもしれません。

どうですか?
「いじめ」を無くすことを目的に道徳教育を充実されることで、自己肯定感は減退し、押し付けられた価値観に、より一層いじめが起こる原因を作っているように感じませんか。

いじめ防止対策推進法には、各地方自治体・学校はこの法律を参酌した基本方針を策定するとあります。ぼくはいじめに特化したものではなく、子どもの育ちを包括したものが必要だと感じます。

子どもたちの最前の利益は何なのか、根本から考えていく必要があるのではないでしょうか。

さて、教育長は子どもたちの育ちを包括的に話し合う場の必要は認めたものの、ぼくが「条例の策定を前提とした検討委員会を設置すべき」(ここまで言うつもりは無かったのですが、ついね。)と言ってしまったので、持ち帰って検討するとの答弁に留まりました。

子どもたちの声を聞き、子どもたちの現状を確かめながら、統一的な子供感のもと、子どもたちの育ちを考える場が必要だと思います。

④のCAPについての質問は次回紹介したいと思います。

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