中学生の自死についての調査報告

年末に中三男子の自死についての調査委員会の報告がありました。

「いじめは存在していたものの、その程度はそれほど強い者ではなく、それだけでは本人に与える影響が例えば不登校になることはありえても、それを飛び越えて一挙に自死にまで結びつく可能性は小さい」

いじめの存在は認めためが、自殺の直接の原因になったと判断することは難しいということです。

今回の件では報道の関心は「いじめ」があったかどうかだし、世間の関心もそこにあったように思われます。それは最近青少年の自殺が多発して、その原因は「いじめ」が多いとみんなが思っているからだと思いますが本当にそうなのだでしょうか?

気になったのでちょっと調べてみました。

警視庁の「平成23年度の自殺の状況・付録」によると19歳以下の自殺者567人のうち「いじめ」は5件しかありません。学業不振や進路、就職や失恋、うつ病なんか多いようです。

未成年の自殺が増えているかというと平成25年度自殺対策白書の年齢別自殺者の推移では、特別未成年の自殺者が増えているようには見えません。

文科省が作成した「子どもの自殺予防のための取り組みに向けて」にも書いてありますが、「いじめ」による自殺も確かにあるが、子どもの自殺はストレス、こころの病、家庭的な背景、独特の性格傾向、衝動性などの背景に複数の原因からなる複雑な現象である。としています。

マスコミが大きく取り上げるので、つい「いじめ」と関連づけて考えてしまいがちですが、短絡的に考えずに今の子どもたちの現状を冷静に正しく把握することが大事だと思います。

富士見中の男子も成績のことや友人とのことなど様々な悩みがあったようですが、報告書には中三になった時点で自己肯定感が著しく減退しているなかでの自死にいたったことが、今回の大きな特徴としています。

今日の日本の子どもたちの自己肯定感の低さはよく言われていることです。
2012年に文科省が発表した「高校生を取り巻く状況について」では

  私は価値のある人間だと思う              日本36.1% 米国89.1%
  自分が優秀だと思う                  日本15.4% 米国87.5%
  私は将来に不安を感じている              日本77.7% 米国60.6%
  私の参加により変えてほしい社会現象が
         少し変えられるかもしれない       日本30.1% 米国69.8%
  私個人の力では政府の決定に影響を与えられない     日本80.7% 米国42.9%

日本の若者は他国と比べ自己肯定感が低く、将来に不安を感じ、自分の力で社会が変えられないと感じている傾向のようです。
ぼくたちの子どもの頃ってどうだったのかは思い出せませんが、子どもたちには、もっと自信を持って夢や希望に向かっていってほしいと思いまし、ぼくたち大人がそんな環境を作っていかなければいけないと思います。

報告書の提言には第1は「子どもの自己肯定感を高めるために」

 1、子どもを共感しつつ受け止める
 2、適度な欲求不満が必要
 3、父性の重要性を認識する
 4、夫婦がいがみあうことほど子どもを悲しませるものはない
 5、子どもの声なき声を聞く

悲劇を繰り返さないためにはいじめ対策なども必要ですが、子どもたちの自己肯定感を高めるような根本からの対策が必要ではないでしょうか。

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