ドイツのクアオルト

みどりネット信州8月政策研究会は「ドイツに学ぶ、日本における新しい健康保養地」と題して、ドイツの気候療法研究と温泉視察に行ってきた高山村議の梨本氏に報告をして頂きました。

長らく景気低迷が続き、スキー場や温泉地が数多くある長野県は観光立県再興を打ち上げ観光基本計画を作成しました。
県の総合5カ年計画しあわせ信州創造プランでは農山村産業クラスター形成プロジェクトとして、長野県の自然豊かな景観を活かし、農林業を基礎とした県民参加型の観光を目標としています。

梨本さんが行ってきたのはドイツのガルミッシュ=パルテンキルヒェンという都市で、リハビリ用の病院と連携し、豊かな自然を利用したクアオルト(健康保養地)として年間20万人を超える滞在者が訪れています。

クアオルトとは治療や療養、保養で中長期滞在をすることをいい、現在ドイツでは374カ所のクアオトルがあり、ガルミッシュ=パルテンキルヒェン地区は気候療法を自然環境、特に森林内、山や谷間などの地形を利用して歩行運動し、病気の治療や健康・体力づくりを目的とした気候療法を取り入れた保養地として有名です。

気候療法の治療効果は医学的、生気象学的にも実証済みです。

・手軽で簡単に歩く
 1)成長期 体格・体力の育成
 2)壮年期 心配機能・自律神経系の調節・鍛錬
 3)老年期 運動器の老化の防止、運動能力・反射神経の維持

生活習慣の予防に効果があるとされる歩道の条件
 1)よく整備されて歩きやすいこと
 2)充分な道幅をもつこと
 3)危険な崖っぷちにないこと

ガルミッシュ=パルテンキルヒェンは99カ所の山歩きのコースがあり、様々な層、治療法に合わせ整備されています。

気候療法の大家アンゲラ・シュー教授の地形療法用歩道の要件
・原則として30kmの歩道が必要
・種々の長さの異なった歩道の整備
・異なった勾配の歩道を用意する
・異なった海抜、高度の場所に歩道を設置する
・歩道は生活道路から十分離れた場所に設置する
・日陰を多くする
・歩道の表面を多様にする
・治療用歩道は、患者の集合地点から近いところにする
・歩道の途中に短時間の休憩所をつくる
・休息所をつくる
・部分浴施設をつくる
・正確な地図をつくる

今の日本の山間部は、農道をはじめとした車の移動を優先に考えてつくられています。
もっと歩いてたのしい道があっても良いかもしれません。

梨本さんは長期滞在に必要なものとして
・良い商店街
・文化施設(音楽堂・図書館など)
・たのしい仕掛け
の3点を挙げています。

長期滞在にはあきさせないことが必要で、それには住民の文化レベルを高め訪れる人をもてなす技術も必要なようです。

観光に力を入れるなら日帰りではなく、滞在型を考えていかなければ地域の経済は豊かになりません。
山間部が多く、温泉の多い長野県はドイツの健康保養地に学ぶことがたくさんありそうです。

長野県観光部は26日、山岳や高原を生かした「世界水準の滞在型観光地づくり」を進めるための研究会で滞在型観光地のモデル地域に木曽町、大町・白馬村・小谷村、飯山・中野の3地域を推薦しました。
これから観光に対する考えが変わっていくかもしれませんね。

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