長野県環境エネルギー戦略

今回のみどりネット信州の政策研究会は「長野県における環境エネルギー戦略の展望」
です。
長野県は3月に平成25年度から平成32年度までの8年間、地球温暖化対策を進めるための指針「長野県環境エネルギー戦略~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~」を策定しました。
この計画の策定に中心的に関わった温暖化対策課企画幹の田中信一郎氏に講師としてきて頂きました。

日本は経済成と連動してエネルギーの消費量も増えてきました。しかしドイツなどのヨーロッパでは経済は成長しつつ、温室効果ガス排出量とエネルギー消費量は減少しています。
ちなみに長野県は経済は成長していませんが連動しています(笑

そんな経済・社会構造(デカップリング)をめざし、「持続可能で低炭素な環境エネルギー地域社会をつくる」を基本目標に第3次長野県環境基本計画が策定されました。

これまでは環境というとライフスタイルと考えられがちでしたが、この計画は経済の視点でも考えれていて、このことは長野県の総合5カ年計画にも方針1「貢献と自立の経済構造への転換」の中の③地勢と知恵を基盤とした環境・エネルギー自立地域の創造として盛り込まれています。

具体的な姿は住宅を高断熱化するとか、次世代自動車が蓄電池の役割をして電力のピークカット。太陽熱、地中熱、薪、ペレットなどを活用した暖房など、がまんする省エネではなく、イノベーションを取り入れた経済の発展しながらの温暖化防止、省エネの形です。

具体的な目標は2025年に`90年度比で10%の削減。
現在`90年度より8%上昇しているのでちょっと大変な目標です。その先2030年には30%の削減を目指します。

政策は
・家庭省エネ政策パッケージ
・事業活動省エネ政策パッケージ
・建築物省エネ政策パッケージ
・電力需要抑制対策
・自然エネルギー政策パッケージ

これからの省エネ、温暖化防止の推進、自然エネルギーを考える場合、いかに地域で生み出し他からお金が入る仕組みを作るかを考えなければいけません。

たとえば
2000万円の家を建てて年間30万円の光熱費を払う
2200万円の家を建てて年間10万円の光熱費を払う

どちらも10年間で200万円かかるわけですが、この200万円はアラブの石油王へいくのか地元工務店へ行くのかの違いがある。

そして熱供給に関しては、バイオマス、コジェネなどで地域で活用。
この場合、同じお金を払うならアラブの石油王に払うのか、地元の森林組合に払うのかの違いがあります。

そのためには林道の整備もしなくてはいけません。

実はこれまで林道に多額の国家予算が投入されてきましたが、林業に使える林道はほとんどないそうです。だから一本の木を切って運び出すのに相当なお金がかかるし、労働者の安全性も悪い。だから生物多様性も考慮しながら地域経済に貢献するような路網の整備をこれから進める必要があるといいます。

ヨーロッパではこの路網を100年かけて作ってきました。
環境破壊ということではなく、森林整備にも使えるし人々のレクリエーションにも活用されています。
いったい日本の林道整備の予算はどこにいったのでしょうか。

世界のエコタウンのモデルになっているストックホルムのハンマルビー・ショースタッド地区のコンセプトは

 ・住みやすさ
 ・イノベーション
 ・移動のしやすさ
 ・景観
 ・環境

4番目に環境がきます。
日本の場合、まずLTEを導入するとか、太陽光パネルを並べるなど◯◯ありきで進められますが、ハンマルビー・ショースタッド地区では地域を住みやすく快適にするために全体を見渡して、そこにあったものを導入し計画が進められているようです。

自然エネルギーの導入が急ピッチで進めれていますが、ピジョンのない政策は後世の負担になります。
これからのエネルギー政策を考える場合、地域経済、環境、景観、ゴミ問題、移動手段、人口構成比などを鑑み、そこに住む人々の暮らしやすさを考えながら進める必要があると思います。

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