地下水の現状と保全について

地下水の低下、外国資本の参入などから、地下水の保全が全国的に問題となっています。
そこで「みどりネット信州」では信州大学の藤縄克教授をお呼びして安曇野市での実践例を参考に、地下水の保全について勉強をしました。

日本は他の国に比べ豊かな水資源があります。
海外では資源に困っていたり、中国の大気汚染は水質にも影響を及ぼす可能性もあるなか、多くの人は日本は恵まれているという認識がないため飲料水が危険にさらされている状況にあります。
北海道では620haが買収され、県内では軽井沢で外資に買収された事例がありました。

そこで長野県は阿部知事を先頭に条例づくりをはじめ、答申は1月15日に完成。
現在8箇所の都道府県が条例を作り、検討している都道府県は10県に上ります。

本来国が関与しなければいけないことですが、なかなか進まず去年ようやく「水循環基本法」がつくられることになりましたが、これもお蔵入りになったようです。

この法律は管轄を内閣府におくことで縦割り行政を解消し、地上水だけでなく地下水も管理する。
これまで地下水は土地所有者との認識だが、国民共有の財産だということが明記されていたそうです。
自治体が水使用に関するルール作りを義務づける等が盛り込まれていたようで、お蔵入りになってしまったのは残念なことです。

このような状況のなか、安曇野市では地下水の保全対策指針及び条例の制定に向けた検討が始まりました。
この地下水保全対策研究委員会は2年かけてじっくり話し合いを重ねていくようです。

基本理念は
1、地下水は市民共有の財産である。
2、全市民が地下水保全・強化に努め、健全な地下水環境を創出する。
3、地下水資源を活用し、豊かな安曇野を次世代に引き継ぐ。

大切な地下水だから使わせないではなく、有効活用して安曇野を豊かな場所にしていく。

現在、硝酸性窒素による水環境の悪化も懸念されています。
ここでは具体的な話は出ませんでしたが、これは農業の肥料の問題だと思われます。
植物を育てる場合、窒素を多くあげればとりあえずは育ちます。
しかし与えた窒素のうち植物に吸収されるのは、ごくわずかで多くは水に流れていってしまいます。
有機農業は肥料の効きが遅いので、ついつい窒素分の多い鶏糞などを多用してしまいます。
ぼくが農業をやっていたころ不耕起栽培を取り入れたのは無施肥を目指したからです。
ま、成功したとはいえませんが…

環境と経済を両立するのは難しいものです。

水質保全の対策は希釈しかなく、水田を増やし涵養を促すこと。

具体的には耕作放棄地対策、そして小麦の収穫後、次の作付けまで水を溜めておく麦後転作田湛水。
これは土壌にも良い効果を与えるようです。

そして冬田んぼの湛水。
水利権の問題を解消する必要があるようです。

都市部では浸透トレンチ、浸透性舗装の活用が計画されているとのこと。

このような施策の実施にかかる源資は、地下水を利用する人から利用度に合わせて徴収する。あまりお金がないセクター、地元産業を育てるため、係数化し算定式を作って負担金を割り出すそうです。

今後の課題としては源資の確保(約5600万円)
そして水利権の問題。
現在の法律は涵養するためだけでは使用が認められていないとのこと。
近隣市町村の連携。
地下水はつながっているため、どこかの市長村だけが得をしたりすると問題になる。近隣で話し合いながら進めなければいけない。

まだまだ始まったばかりの取組みです。注目していきたいと思います。

これまで国や自治体の施策は環境のことは後回しになってきました。
限られた資源を活用するため、環境についてもっと優先して取り組むべきと思います。

Leave a Reply