いじめ対応を通して感じた「大人にできること」

子どもの権利条約を考える「こんなまちすみたいネットワーク」主催、富士見中学校の伏見之孝先生を招いて勉強会を開催しました。伏見先生は経歴25年のベテランの教師で「いじめ対応」が評判になりテレビでも紹介されました。この日のお題は”いじめ対応を通して感じた「大人にできること」”

いじめが起きやすい状況は、この3つのうちどれでしょうか?

1.入学直後やクラス替えから2、3ヶ月
2.生徒が何かに情熱をかたむけているとき
3.明るく楽しく笑え合える仲間を求めたとき

正解は全部◯
この3つのこと自体は何も悪いことではなく、むしろ一生懸命取り組んだ方が良いことでもある。当然の欲求を満たすという傍らにいじめというものがある側面があり、「いじめはある」という前提のもと対応。表面的な解決ではなく、被害者が安心できる環境をつくること、またいじめかどうかは、わかりづらい面があるので被害者がいじめと思ったら100%被害者の側に立って対応しているということです。

いじめ対応の中から感じたことは今と昔のいじめのかたちが少し変わってきているということ。以前は苦手なことが多かったり、ゆっくりだったり、そんな子をいじめる”弱いものいじめ”だったのが、今いじめの対象になってしまうのは”強い子”が多い。なぜかというと我慢ができるから、そして人間関係にも配慮してしまう。”自分が我慢すれば良い、そうすればみんなうまくいく”表面だけでなく、心底そう思ってしまうほどやさしいくて強い子が多い。我慢する努力をしている様子がよくわかるという。

またネットツールの利用でわかりづらくなっている側面もある。現在facebookの利用は40%ぐらい、なかにはリアルな関係ではなく、バーチャルな関係で安心してしまい、ネットでつながっているから昼間は特に話さない、挨拶も交わさな子どもいるというから驚きだ。こうした場合”いじめ”があっても見えにくい。何の前兆もなく、いきなり殴り合いの喧嘩になり、問いただすとネット上での問題が原因なんてこともあるようだ。

3つめとして”キャラ探しの果て”とういのがある。これからどんな大人になって夢や目標を打ち出さねばいけなくなり、自分はどういう個性で生きようかを考えるが故に起きてしまうことのようだ。じぶんで”つっこみキャラ”を演じ、相手に”どつかれキャラ”をつくるようなかたちでおきてしまう。個性とは自分で作り上げるものであり、人から押し付けられたキャラは断固拒否しよう。と指導しているという。

これらの”いじめ”は全て先生たちでチームをつくって対応。そして”いじめ”という言葉は使わない。”いじめ”という言葉を使ってしまうとみんな構えてしまい、本当のことをしゃべってはくれない。だから”友達のこと”というような言葉を使う。

①生徒たちから情報を集める
②指導日を決定する
③加害者側の生徒には1対1で対応
④加害者側生徒に15分聞き取り、教師が集まり情報を共有、矛盾点を探す
⑤再び1対1で聞き取り。このサイクルを3回ぐらい繰り返す
⑥泣くまで反省させる
⑦すぐには謝らせない。
⑧被害者、加害者ともにケアプランの実行。難しいことではなく、こうなりたいという思いを支援していく。そして加害者側の生徒が信用を回復してくよう支援する。

このような対応で被害者だった生徒が、いまではリーダーシップをとるような生徒になったり、被害者だった生徒が結婚式に加害者だった生徒を呼ぶような関係も見られるようになったそうです。早期に解決、そして先生たちの熱い思いがこのような成果を上げているのではないでしょうか。

そして今、大人にできることはなにか。

大人は子どもに信頼されること
大人が子どもを信頼すること

子どものいじめに大人が関わったことで、悪化してしまえば良い記憶として残らない。もし大人が中に入って安心できる環境が作れたら、子どもから大人にきちんとSOSが出せるはず。良い記憶をたくさん作れば子どもたちも安心して大人に相談できる。それには大人も外見だけで判断せずに、分け隔てなく子どもたちのことを見守ることが大事。地域の中で子どもと大人がふれあうことで、お互いが信頼しあう環境でいじめも起きづらい環境になるのではないかと伏見先生。

いま学校ではいじめ対応よりも、いじめが起きない環境をどうしたら作れるかを話し合っているそうです。
伏見先生にはこれからも、その温かい目で生徒たちを見守っていてもらいたいと思います。そしてぼくたちもいじめのない社会はどうすればできるのか、地域でどのように取り組んだら良いのかを考えていきたいと思います。

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