大阿原湿原

入笠の植栽した花々の状況を見に、植物の先生と一緒に入笠山へ行ってきました。パノラマの植栽事業の状況をチェックするためです。
まずは入笠山の南にある大阿原湿原に行きました。ここは富士見ではなく伊那市、国立公園です。

標高1800メートルで窪地だと、細菌が少なく植物の遺体を分解する能力が落ちるので少しずつ層になっていく。この層は1年に1ミリぐらいで、この層が厚いのが高層湿原と言われている。ちなみに霧ヶ峰の八島湿原は8メートルの層(8000層)の高層で有名。
湿原は北海道からあるのだが、低地では分解が早いので高層にはなりにくく、南アルプスは植物の生産能力が低いので高層湿原は無い。この大阿原湿原は高層湿原の日本最南端なのだ。八島湿原ほどの高層ではないが、ここだけにしかない苔もあり、学術的にも貴重な場所。

1800メートルから上は植生ががらっと変わる。モミの木は肌の色が白く「シラビソ」と呼ばれています。
この日は天気もよく、辺り一面を綿毛をつけたサギスゲがきれいに咲いていました。

湿原というのは栄養分が少ないため、植物にとっては過酷な場所。このモウセンゴケは虫を捕まえる食虫植物。先っぽをなめると甘い。この甘さで虫を誘う。分解が遅いため、当然土のなかには栄養が無い、だからこのような苔が生息する。

湿原というのは、植物の生産量と死んでいった植物の分解量の、微妙なバランスで成り立っている。しかし湿原は少しずつだが土地は肥沃化していき、陸地化していく運命にある。陸地化が始まると白樺が入り、ズミが入り、コナシ、モミが育つようになり、この大阿原湿原も1000年から5000年の間には完全な陸となってしまうそうです。最近入笠湿原の水量が少なくなったと言われているのは、陸地化が原因。
湿原というのは大地の歴史のなかでは、ほんの一瞬の現象でしかなく、大切にしなければいけないのだ。

人の手があまり入っていないこの湿原はホントに気持ちの良いところだ。群落ではないがサギスゲ、サワギク、ウツボグサなどが所々に咲いている。木で作られた歩道は歩きやすいようにでもあるが、湿原を荒らされないようにするためのものらしい。自然公園を管理する場合、そこをどういった場所にしようという考えでずいぶんお金の使い方が違ってくる。

次回は入笠御所平のお花畑へ。

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