入笠御所平の植栽事業

前回の続きです。大阿原湿原から入笠山御所平へやってきました。御所平は入笠湿原から入笠山山頂へ向かう途中にあります。
この日はカラマツソウ、クガイソウが満開でした。

この御所平は平成17年から花の宝庫入笠山の花々を残すため「花と里山プロジェクト」として植栽事業を行ってきました。植栽する苗は園芸種が中心で識者から環境、景観などの観点から危惧する声が出ています。そこで専門家に説明を受けながら植栽事業の現状を見にきました。ちなみに今年度のパノラマ植栽事業は御所平の植栽予算は入っていません。

コオニユリ。園芸種を植えています。野生種に比べ葉の数が多いのが特徴。園芸種はウィルスが混入しているものもあるので奇形のものもありました。もともとの野生種もある場所なので交雑が気になります。
このコオニユリ、平成19年に77万円かけて3500株植栽していますが、100株咲いているかも怪しい様子。植物の先生は園芸種のコオニユリ2年は咲くが5年も経てば消えるだろうとのコメント。

シモツケソウ。本来この辺りに咲くシモツケソウは、橙色がかったものにピンクが入ったもの。色がきつすぎて、この地には合わない。
カワラナデシコも同じ

これは大阿原湿原に咲いていたウツボグサ。

これは御所平のウツボグサ。園芸種というのは他よりも色が濃い、形が変わっているなどの特徴が強い。そこにあるのだからなにも違うもの植える必要はないと思うのだが…

このお花畑を作るのに歩きやすいように下からの土を客土している。また植栽する時のポットの土からだろうか、この辺には本来無いはずのイネ科の雑草が浸食し始めている。所々に牧草も生えている。花を植えるのと一緒に帰化植物を持ってきてしまったのだ。大阿原湿原から御所平に向かう途中、マーガレットを見た。以前はなんとマーガレットも植えていたらしい。種は雨に流れお花畑には留まらない。

キリンソウ、キバナノヤマオダマキ、オトギリソウなどこの山本来のものもある。園芸種ほど派手ではないが、それなりのきれいだと思う。

所々に白樺が育ち始めている。秋に全部刈ってしまうので残らないのだが、ここは放っておけば50年〜100年でしらかばとカラマツの林になるという。それならそれで良いにではないか。草原として維持するのであれば、笹、ノガリヤス、スズランが自生。地味だがそれも良い。霧ヶ峰のように火入れをすれば、植生が変わりまず最初にヤナギランでいっぱいになる。ヤナギランはパイオニア植物と言われている。しかし火入れの事は問題には上がるのだが協議する場所がない。もしやるのなら専門家を呼んだり、研究をしたりやる事はいろいろあるのだが、短期的な経済効果のため園芸屋さんに相談し、植栽を行なっている。要するにビジョンがないのだ。

自然、景観は富士見の宝、将来にわたっての観光資源。短期的な収支ではなく、この先どのように自然を残していくか、子どもたちにどのような未来を残していくかを考えていかなければいけません。もちろん人の手を一切入れないのではなく、自然の働きに有効に手助けする事が必要だと思います。

ゴンドラ頂上付近のドイツスズランの様子です。2000万円もかけてなんとお粗末な状態。
大丈夫だろうか?
人工的な作り物はメンテナンスに必要以上にお金がかかります。

※この記事には訂正があります。入笠植栽の記事についての訂正および謝罪

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